第3回 「Google Glass」は何に使えるか“ウェアラブル”の今(1/2 ページ)

ウェアラブルデバイスというと、まず思い浮かぶのは腕に付けるタイプだが、もう1つ重要視されているのがメガネ型のデバイス。その最も進んだ形といえるのが「Google Glass」だ。

» 2014年11月10日 08時00分 公開
[松村太郎ITmedia]
Google Glass Google Glass

 「Google Glass」は、ウェアラブルデバイス時代を告げる象徴的なデバイスとして、Googleが披露したメガネ型のデバイスだ。

 2013年2月からエントリーの受け付けを始め、当初は非常に限られた人のみに、しかも開発者版として、1500ドル(約17万円)という高い価格で販売された。現在は、米国において、Googleの有料サービスに登録しているユーザーであれば、同じ価格で購入できる。

Google Glass 当初は用意されていなかったレンズ装着用のフレームが用意され、度入りのレンズを入れることで、メガネが必要な人にもGoogle Glassが利用できるようになった

ウェアラブルデバイスの「パターン」を示したGoogle Glass

 Google Glassそのものは、現在もまだエクスプローラープログラムの最中であり、一般向けの販売や、開発者版の価格よりも安く提供するという方針はまだ実現されていない。しかし、ウェアラブルデバイスとはなにか、その機能のパターンはどういうものか、という点を定義し、手に取ることが出来るようにした点で、非常に意味があるデバイスだ。

 Google Glassは、メガネの右側のフレームに、バッテリーと、デュアルコアプロセッサと16Gバイトのストレージ領域を備えた本体、カメラ、そしてプロジェクターが装着され、右目の前のプリズムで、640×480ピクセルの解像度を持つプロジェクターの光を目に届ける仕組みだ。本体部分は前後のスワイプとタップに対応し、1本指・2本指を認識するタッチセンサーとなっているほか、音声での入力に対応する。

 BluetoothとWi-Fiを搭載しており、スマートフォンと組み合わせて使用する。ネットワークやGPSの位置情報は、スマートフォンと接続したAndroidデバイスやiOSデバイス(iOSについては機能制限あり)から取得する。AndroidとiOS向けにGlassアプリが用意されており、これをインストールしてGlassそのものの操作を補う。

 また、Glasswareと呼ばれるアプリを導入することができる。Google系のサービスに加えて、TwitterやFacebook、Evernoteといった、スマートフォンやタブレットと同じアプリがすでに開発されており、画面を分割せず1画面1つの情報を表示するカードのようなインタフェースをめくって情報を見るトーンが用意された。

Google Glass Google Glassで映し出される画面
Google Glass 視界に画面が表示されている様子を再現するとこんな感じになる。ちょうど、視界の右上方1.5メートル先に、25型のディスプレイが「常に」置かれているような状態だ

 前述の簡単なタッチ操作と音声入力での操作や、スマートフォンからネットワーク接続を得る点、アプリの追加、1画面に1つの情報を表示するといった、Google Glassを実際に利用する仕組みは、現在のウェアラブルデバイスの1つのパターンとなっている。

 例えば、本連載で前回触れたApple Watchも、iPhoneと組み合わせて使用するのが前提だ。タッチ操作とデジタルクラウンによる簡単なインタフェースを音声入力と組み合わせる。また、アプリを追加したり、ネットワークやGPS情報をスマートフォンから取得する点も共通している。

Google Glassの購入体験

Google Glass サンフランシスコ市内にあるGoogle Glassの拠点

 筆者が米国でGoogle Glassを使い始めたのは、2013年11月、ちょうど1年前のことだ。サンフランシスコにはGoogle Glassを扱うラウンジが用意され、予約していき、カウンターで名前を告げると、ふかふかのソファに案内されて、ビールやソーダなどの飲み物が出される。

 ほどなく担当社が呼びに来てくれて、コンクリート打ちっ放し、タイルやカーペットをはがしたような床に、鏡とChromebookが備え付けられたApple Storeにありそうなテーブルがいくつも並んだ空間で、1to1で接客を受けた。顔へのフィッティングに加えて、初期設定、そして簡単な操作方法の確認が行われる。

Google Glass 購入者が受け取って設定ができるスペースだが、クールなメガネブティックのような室内になっていた

 確かに1500ドルという価格を考えれば、こうした接客もやった方がいい、という判断だろうか。たとえ開発者向けだとしても、Google Glassを正しく、またクールに使ってほしい、という意味合いもあったのかもしれない。

 Apple Watchの価格は、発表会では349ドルからとしていたが、ステンレスモデルは400〜500ドル、18金のモデルは4000ドル〜5000ドルになるという報道もある。Google Glassはラウンジを用意したが、おそらくAppleはApple Storeで、こうした接客を強化することになるかもしれない。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/17/news039.jpg 母犬に捨てられ山から転げ落ちてきた野良子犬、驚異の成長をみせ話題に 保護から6年後の“現在”は……飼い主に話を聞いた
  2. /nl/articles/2411/13/news167.jpg 砂が入り交じった汚い石 → 磨いたら……? “まさかの正体”に仰天! “200万円相当”の成果に「すごい」「私だったら気が狂う」【豪】
  3. /nl/articles/2411/17/news048.jpg 「すごっwww」 愛知県まで乗り換えなしで行ける都道府県を調べてみたら……驚きの結果が1000万表示 「日本の中心は愛知ってコト!?」
  4. /nl/articles/2411/18/news017.jpg 約2センチの「まりも」を本気で育てたら2年後…… 想像をはるかに超えた“衝撃の姿”に「こんなに大きくなるの!?」「成長条件知らなかった」
  5. /nl/articles/2411/18/news033.jpg 四角いハギレを全部つなげていくと…… プロの大胆リメイクで“便利グッズ”完成!「目からウロコ」「配色かわいい」
  6. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  7. /nl/articles/2411/17/news029.jpg 沖縄の離島で夜の海を歩いたら…… “まさかの生物”に遭遇しまくり大興奮! 「巨大生物祭りですね」「高級食材いっぱい」
  8. /nl/articles/2411/18/news025.jpg “無給餌”で育てたメダカが2年後、驚きの姿に→さらに半年後…… 放置しておいたビオトープで起きた“奇跡”に「ロマンを感じる」
  9. /nl/articles/2411/18/news013.jpg 寝たい柴犬→お気に入りのクッションに“まさかの”先客が…… 激しい奪還戦に「卑怯なりw」「容赦ないwww」
  10. /nl/articles/2411/16/news013.jpg 自宅のウッドデッキに住み着いた野良の子猫→小屋&トイレをプレゼントしたら…… ほほ笑ましい光景に「やさしい世界」「泣きそう」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた