ウチのアイドルが一番ですよ!――親心? を楽しめる硬派シミュレーション:「アイドルマスター」レビュー(3/4 ページ)
TV出演のステージを楽しめ!
オーディションに合格すると、いよいよ本番であるTV出演シーンとなる。スタジオで熱唱するアイドルたちの晴れ姿を、タップリと堪能できる、いわばご褒美的なシーンだ。
TV出演中は、カメラに対してアイドルたちにアピールさせることが可能だ。自分でタイミングを指示できるほか、アイドルたちに任せることも可能。またアイドルの写真を撮影することもできる。写真は全部で5枚まで保存可能だ。
ちなみに、アイドルの能力が低いと、歌詞を忘れて歌えなかったり、足がもつれて転んでしまったりといった“アクシデント”が発生することもある。単純に見栄えが悪く、発生した時のガッカリ感は非常に大きい。
アクシデントが発生するかどうかは、出演時のアイドルの能力次第なので、TV出演中はかなりドキドキ。授業参観に出席した親が、我が子が上手く問題に答えられるかどうかを眺める、そんな気持ちに似ていると思う。自身の親バカっぷりを自覚できる、貴重なイベントである。
もうすでにお分かりだと思うが、本作はかなり硬派なシミュレーションゲームだ。特に、ゲームシステムを理解するまではなかなかファン数が増加せず、苦戦を強いられることであろう。ここを乗り越えられるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの分岐点となると思う。
最初はつらかったけれども……!?
ここからは、筆者のプレイリポートをお送りしていこう。アーケード版未プレイの筆者が最初にぶち当たった難関が、育てるアイドル選択だ(笑)。10人もいるため、ぶっちゃけ目移りしまくりなのである。熟考の後、本能に従って「如月千早」を選択してみた。……が、これが苦戦の連続! 千早はとにかくテンション管理が難しく、登場キャラクターの中でも難易度が高いようで、朝の質問でもすぐにテンションが下がってしまう。加えて、営業も「これだッ!!」と思った選択肢を選んでいるにもかかわらず、千早さんは不満のご様子で、あれよあれよという間にテンションは最低になってしまう。
レッスン中も、露骨に面白くなさそうな顔をする千早さん。ふてくされた顔で「ありがとうございました〜」とか言われる毎日は、正直ツライ……。これ以上、筆者と千早さんのテンションを上げることは難しそうに思えたので、“キャラを変えてやり直しプレイ”を決意し、新キャラの「星井美希」でリスタート。ちなみに初回プレイ時は育てているユニットを削除できないため、プロデューサーデータごと削除してやり直しました。
……が、またこの美希というキャラクター、とんでもなくワガママなのだ! テンションは千早さんに比べて管理しやすいので、レッスンやオーディションは楽に行えたのだが、営業がツライ。なんかやる気はないし、こちらを見下しているしで、正直ムカつくことも多々あった。“アイドルを育てるのは大変だなぁ”と、人ごとのような気持ちでプレイを続けていたところ、徐々に変化が現れ始めた。美希の態度が、ちょっとずつ好転してきたのである。
コンサートを成功させると無邪気に喜んだり、こちらの言い分を聞いてくれるようになったり、何気ない日常会話からその素顔が見え隠れし始めると、急にかわいく思い始めてきたのだ。頑張る美希を見ていると、こちらも期待に応えたくなるというもの。時にはセーブとロードを繰り返してオーディションを成功させたり、マメに営業をこなしたりして、着実にファン層を増やしていく筆者。気がつくと、ファン数を増やすことよりも、美希の笑顔を見るために張り切る自分に気がついたのだ。あーヤバい、これはハマっちゃったかも……!?
が、時の流れは残酷なモノで、あっという間に期間である52週が過ぎてしまう。最後は、大イベントである「お別れコンサート」を行うことになるのだが、初プレイである筆者はお約束のようにコンサート失敗! 失意の底に沈む筆者を、美希は優しく励ましてくれたのだ。うう、なんてよい娘なんだ……ッ!!
……が、直後に表示された、アイドルからのプロデューサー評価は「D-」!! ちょ、そりゃないッスよ美希さん、さっきのコンサートでの感動はなんだったんデスカ、この二面性女め!! と盛大にずっこけたところで、初プロデュースは終了。この悔しさをバネに、次のユニットは絶対に頂点を取ってみせると、野望を胸に秘めて。そんな感じで、筆者はすっかり本作のトリコになってしまいました。
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