順位よりもスタントが評価の決め手となるユニークなオフロードレース「エキサイトトラック」レビュー(3/3 ページ)

» 2007年02月28日 09時47分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

SDカードに入れたMP3ファイルをレース中のBGMに使える

 そのほかには、与えられた課題をこなしていく「チャレンジ」モードと、Wiiリモコンを2つ使って、画面分割で2人同時に対戦プレイができる「VS対戦」モードもある。「チャレンジ」モードには、コース上のゲートをくぐりながら進む「ゲートチャレンジ」や、空中のリングをくぐってできるだけ多くのスターを獲得するという「クラッシュチャレンジ」などがあり、「エキサイトレース」よりもストイックな走りが要求される。「VS対戦」では、画面が左右に2分割された状態で2人のプレーヤーが対戦できる。CPUカーは登場しないが、基本的な遊び方は「エキサイトレース」と同じで、最終的により多くのスターを獲得したプレーヤーが勝ちとなる。

画像 「チャレンジ」モードの「ゲートチャレンジ」では、コース上に設置されたゲートをくぐりながら進む。制限時間がシビアなうえに、ミスをすると残り時間が減ってしまうので、正確なドライビングが求められる
画像画像 「VS対戦」の場合も、順位ではなく最終的なスターの獲得数で勝敗が決まる

 また、「エキサイトトラック」はドルビープロロジックIIのサラウンド出力にも対応しているので、サラウンドシステムと接続すれば5.1chサラウンドでゲームを楽しむことができる(Wiiリモコンのスピーカーからもアイテムを取得したときなどに効果音が出るので、それを含めると6.1ch……?)だが、ここでちょっと困った問題が出てくる。Wii本体には光デジタル音声出力がないため、Wii専用AVケーブル(D端子やコンポーネントなども同様)に付いているアナログ音声端子をサラウンドアンプにつなぐことになる。

画像 「エキサイトトラック」の音声をドルビープロロジックIIのサラウンドで出力するには、あらかじめWii本体の「サウンド」で設定を変更しておく必要がある。D端子やコンポーネントケーブルを使用していて、映像を480pのプログレッシブ出力にする場合も、同様にWii本体側で設定を行う

 ドルビープロロジックIIは、2chで入力された音声信号をアンプでデコードする際に5.1chに振り分ける方式なので、アナログ音声端子でつなぐこと自体に問題はないが、映像端子をTVに、音声端子をアンプにつなごうとした場合、設置状況によってはケーブルの長さが足りなくて届かないというケースが出てくる。参考までに、手持ちのWii専用D端子AVケーブルの長さを測ってみたが、D端子側と音声端子側を目一杯広げても40センチほどしかない。映像の入出力やセレクター機能を持たないAVアンプをお使いの方は、この点に注意されたい。一方がピンプラグ、もう一方がピンジャックになっている延長用のステレオコードを買うのが、もっとも安上がりな解決策だ。

 サウンドについてはもう1つおもしろい機能があって、この「エキサイトトラック」では自分の好きな楽曲をレース中のBGMとして流すことができる。SDメモリーカードにMP3形式の音楽ファイルを保存し、それをWii本体のSDメモリーカードスロットに差しておけば、そのMP3ファイルをBGMとして使える。Wii本体には音楽CDの再生や録音機能がないので、パソコンで音楽CDからMP3ファイルを作成しておく必要があるが、マイクロソフトの「Windows Media Player」やアップルの「iTunes」などにも音楽CDからMP3へ変換する機能があるので、それらを利用してMP3ファイルを作成するのが手軽でおすすめ。128kbpsから320kbpsの範囲で試した限りではいずれも問題なく再生できたので、MP3形式であればビットレートは問わないようだ。

 ゲーム中の音楽をカスタマイズする機能は、Xbox 360やXboxの一部ソフトにもあったが、ハードディスクが搭載されていないWiiでもこのようなことができるというのはちょっと意外で、Wiiの知られざる一面を見たような思いがする。実際にやってみると、これがなかなかおもしろくてハマる。特にレースゲームでは、BGMが気分を盛り上げるうえで大きな役割を果たすように思うので、それをプレーヤーの好みの楽曲に変えられるのがうれしい。ハウスやトランス系の楽曲で恍惚感に浸りながら走ると実に心地よいし、意外なところではウィンナー・ワルツなどもよく合うと思う。エアスピンで車体をくるくると回転させるのがまるで踊っているような感覚なので、そのBGMとしてワルツを使ってみると、これが不思議とマッチする。

画像 レースが始まる前に「サウンドオプション」を選択して、「SDカード」を選ぶ。
画像 すると、SDカードに入っているMP3ファイルが表示されるので(最大100曲まで)、そのコースで使用したい楽曲を選ぶ。「ランダム」を選択しておけば、SDカードに収録されている曲がランダムで再生される

Wiiリモコンでの操作もおもしろいが、普通のコントローラーで遊びたいという気も……

 初めのうちは、Wiiリモコンを傾けてハンドルを切る際の加減がわからずに苦労したが、それに慣れてきて、さまざまなスタントを出せる余裕ができてくると、このゲームは俄然おもしろくなってくる。うまくなるほど高度なスタントを立て続けに繰り出せるようになり、それが快感を呼ぶ。また、順位やタイムがふるわなくても、スターを着実に積み重ねればクリアできるので、レースゲームが苦手な人でも取っつきやすい。

画像 ハイスコアやグレードはスターの獲得数で決まるので、このように前回よりタイムが遅くてもランクで上位になることがある
画像 空中で「1」ボタンと方向ボタンを押しながらWiiリモコンを右→左(または左→右)と素早く傾けると、エアスピンが出せる。これが自在に出せるようになると、スコアを大きく伸ばせるようになる
画像 エアスピンの終わりにタイミングを合わせて同じ操作をすると、さらに回転を重ねることが可能。3回転で「スーパーエアスピン1080°」となり、スターを5つもらえる。条件が揃えば、このように5回転(1800°)もできる

 少し残念に思えたのは、達成感を刺激するような演出にやや欠けることだろうか。ある条件を満たすと新しい車が使えるようになったり、トロフィーを獲得できるという要素も盛り込まれているが、それが「○○をゲットしました」と事務的に伝えられるばかりで、演出がやや物足りない。また、レース終了後にリプレイを鑑賞できるが、定点カメラで自分の車を追うようなカメラワークがないので、ちょっと地味な印象……。「上手に走れた」と自己陶酔させてくれるようなリプレイが見たい。

画像 リプレイ再生中は、5種類の視点を方向ボタンで切り替えながら楽しめる。これは、前方から自車を追い続ける「フロント・カメラ」でのリプレイ
画像 「ライト(レフト)・カメラ」は、自車から真横を見るアングル。ちょうど車窓から流れる景色を眺めるような感覚が楽しめる
画像 1位の獲得回数や、高難度のスタントを決めた回数を記録しており、それが一定数に達するとトロフィーを獲得できるが、その演出がちょっと物足りない感じ……。ちなみに、Wiiリモコンを傾けると、トロフィーをさまざまな角度から鑑賞できる

 本作だが、欲を言うならWiiリモコン以外のコントローラーでもプレイできるとなおよかったと思う。Wiiリモコンをハンドル代わりに車を運転するのは、体感的で確かにおもしろかったが、起伏が激しいオフロードが舞台なので、ハンドリングよりも地形に車体が振られてしまうことが多く、キビキビとした走りをするのが難しい。ゲームを進めていくとコースもより複雑になるので、Wiiリモコンでの操作は高いスキルが要求される。試しに、クラシックコントローラーとゲームキューブ用のコントローラーも接続してみたが、やはりこのゲームでは使用できなかった。Wiiの最大の特徴がリモコン型コントローラーにあることは分かるが、「エキサイトトラック」のゲーム内容からすると、プレーヤーがコントローラーを選べるような作りにしてもよかったかもしれない。

 ただし、「順位を競う」というレースゲームにありがちな目的から発想を変え、ジャンプや空中でのスピンといったスタントアクションが成績を左右する“魅せる”レースゲームというのは、これまでにあまりなかったと思う。新世代機として登場したWiiと、その特徴であるWiiリモコンを使った、新しいプレイスタイルでのレースゲームを是非プレイしてみてほしい。

(C)2007 Nintendo/Game Developed by Monster Games.


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/23/news213.jpg YUKI、大胆なスリット入った近影に驚きの声 「52歳なの意味わからんな」「ここまで変わらないって本当凄い」
  2. /nl/articles/2405/23/news036.jpg 【今日の計算】「9−9×9+9」を計算せよ
  3. /nl/articles/2405/24/news143.jpg 清原翔、約4年ぶりの“顔出しショット”が雰囲気変わりすぎて「別人みたい」 脳出血&3回手術後初のヒゲ解禁姿に「ポニテかわいい」「いい感じにダンディ」
  4. /nl/articles/2405/24/news017.jpg 猫の見た事ない姿に「未だかつてこれ以上の2度見は見た事がありません」「可愛すぎて10回見た」 爆笑の瞬間が640万再生
  5. /nl/articles/2405/23/news204.jpg 「天才現る」 “富士山ローソン”を迷惑かけず撮影できる!? “持ち運べるローソン”が「商品化して」と話題
  6. /nl/articles/2405/24/news135.jpg “元めちゃイケ”三中元克、卒業後8年で見た目もスキルも「別人レベル」になっていた “クビ体験”披露する貫録たっぷりの姿に共演者「元力士」「迫力ある」
  7. /nl/articles/2405/24/news128.jpg hitomi、48歳を迎え“急激な変化”に驚き 「少ないと思っていたんだけど」「48歳だもんね〜」
  8. /nl/articles/2405/24/news020.jpg 1歳妹の「いってらったぁい」に小学生兄がもん絶して…… かわいいが連鎖する朝の光景に「かぁぁぁって声でた」「朝からホンワカ」
  9. /nl/articles/2405/24/news026.jpg 「そんなバカな」 喫茶店で“ウインナー・コーヒー”を注文→出てきた予想外の商品に驚がく「ちょっと動揺」
  10. /nl/articles/2405/22/news098.jpg 「最高過ぎる」「すげー!」 ChatGPTに“手書きメモ”をアップすると…… 仕事がはかどる“衝撃の機能”に歓喜の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  2. 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  3. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  4. 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
  5. どういう意味……? 高橋一生&飯豊まりえの結婚発表文、“まさかのタイトル”に「ジワる」「笑ってしまう」
  6. サーティワンが“よくばりフェス”の「カップの品切れ」謝罪…… 連日大人気で「予想を大幅に上回る販売」
  7. “世界一美しいザリガニ”を入手→開封して見ると…… 絶句を避けられない姿と異変に「びっくり」「草間彌生作のザリガニみたい」
  8. 「誰かと思った」 楽天・田中将大の“激変した風貌”にファン驚き…… 「一瞬わからなかった」
  9. 複数逮捕&服役の小向美奈子、“クスリ”に手を出した理由が壮絶すぎ……交際相手の暴力で逃亡も命の危機 「バレてバルコニー伝って入られて」
  10. 耐火金庫に“溶岩”を垂らしてみたら…… “衝撃の結果”に実験者も思わず「なんだって!!!」と驚愕【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評