2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その10):ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)
魔獣の強化のため、再び獣写器を手に飛び出す
魔獣を強化する方法はレベルアップだけではない。モンスターの撮影に成功した際に得られる封獣板には「獣性」と呼ばれる特殊能力が備わっており、それをすでに魔獣化させた公式魔獣鏡に追加して強化できるのだ。
たとえばヘクトアイズ族の「Hecteyes」には「CHR+25」の獣性が付いているのだが、この封獣板と僕が持っている公式魔獣鏡の両方を特定のNPCにトレードすると、魔獣にCHR+25の効果が得られるという仕組みになっている。同じモンスターでも得られる獣性は数種類あるので、目当てのものを入手するにはかなりの運と時間がかかる。また、獣性には各種パラメータを上昇するものだけでなく、メインジョブやサポートジョブ、ジョブ特性などバリエーションが豊富にあるので、どの獣性を付加させるのかが魔獣を強化する大きなポイントになりそうだ。中には希少価値の高い獣性も存在するらしく、それを持つモンスターは得てして強敵だったりNM(ノートリアスモンスター)だったりと、近づくだけでも危険なモンスターが多い。
撮影自体はほかのプレーヤーが戦っているモンスターでも可能なので、強敵の場合は誰かが注意を引きつけている間に撮影するのも手だ。ただし、戦闘をしているプレーヤーの邪魔にならないように、あらかじめ撮影の許可を取るなど、マナーのある行動を心がけたいところ。
余談だが友人から聞いた話によると、「FF」シリーズではおなじみのモンスター「Behemoth」との戦闘中、ほかのプレーヤーがこのモンスターを撮影したいがあまり不用意に近づき、範囲技で戦闘不能になるハプニングがあったとか。まさに戦場を駆けるカメラマン。彼のフィルムに焼き付けられたものはモンスターの写真か、それとも自分の倒れた姿か……。かく言う僕も、先日アンティカ族の黒魔道士を撮影するために流砂洞へ向かった際、対象のモンスターに襲われた記憶がある。まさか襲ってくるほどレベルが高いモンスターだとは思っていなかったので若干戸惑い、あと少しで倒せるというところで相手が古代魔法の「フリーズ」を詠唱。攻撃で中断させることができず、その一撃であえなく昇天してしまった。勇猛果敢なカメラマンの皆様、撮影はほどほどに……。
忍者専用武器を求めて――
ずいぶん前にサポートジョブとして活躍中の忍者のレベルを30にしてからというもの、どうしても手に入れたい武器があった。古豪のプレーヤーなら僕が何を欲しがっているか判断できると思うが、それは片手刀の「にっかり青江」である。レベル30の忍者が装備する武器として攻撃力はそこそこ高いが、最大の魅力は「詠唱中断率25%」という特殊効果。忍者はその特性上、戦闘中にモンスターの攻撃を回避できる忍術「空蝉の術」を使っての盾役を担うのだが、「空蝉の術:壱」の詠唱時間が長いため、敵の攻撃を受けて中断させられることが多い。
にっかり青江はこの詠唱中断率を若干ながら緩和できる貴重な装備品なので、忍者なら誰でも一度は恋焦がれるはずだ。この武器は店では売っておらず、ギルド桟橋に生息する「Flytrap」を倒し続けるとまれに出現する同種族のNM「Orctrap」が低確率で落とすことがある。もちろん、競売所やバザーで取り引きされているが、お金を節約したい(単に金欠ともいう)ので自力で取りたいものだ。
メインジョブの戦士がレベル60なので、そろそろ忍者のレベルも上げようと思っていた僕は、その前ににっかり青江を手に入れることに躍起になっていた。この武器を手に入れるまでは、忍者のレベルを上げないと誓い、なるべくログイン人数が多い時間帯を避け、深夜に何度も何度もギルド桟橋に籠もり、ひたすらFlytrapを延々と倒す日々が続いた。その過程でNMのOrctrapが何回か出現したが、倒してもにっかり青江が出る気配がない。ときにはLSのメンバーに手伝ってもらったりもしたが、結局それも徒労に終わる。深夜に起きて活動する日々が続いていたせいか、日常の生活サイクルが著しく狂いはじめ、太陽を拝むこともなくなってしまった。
そんなある日、僕はいつものようにギルド桟橋へと向かった。長きにわたる敗北感のせいか、僕の中には一握の希望も残っていなかったのだが、条件反射でFlytrapが生息するポイントへと移動する。するとそこにはすでに、NMのOrctrapが出現していたのだ。僕が来る前に誰かがFlytrapを倒していたのだろうか。それとも、ログインした時間がたまたまバージョンアップ終了後だったのかはわからない。今、目の前にOrctrapがいる現実だけが僕の胸を膨らませた。
しかし、これまでの確率で考えると、倒しても装備品を落とすことはないだろう。たとえそうだとしても、このチャンスはオマケみたいなものだ。落とさなくて当たり前。僕は気負いせずOrctrapを攻撃し、そして倒した。「Orctrapを倒した!」のメッセージがログ画面に流れた瞬間、次のメッセージを表示するためログがスクロールし始める。そこには――!
「Orctrapはにっかり青江を持っていた!」
これを見た瞬間、僕の両腕は無意識にガッツポーズの形になっており、芸人コンビ「よゐこ」の濱口よろしく「獲ったどーーーー!!」と大声で叫んだ。時計を見ると丑三つ時の深夜3時頃。隣の部屋から大きく壁を蹴る音が聞こえたが、今日だけは気にしない。現実では夜が深けてきた時間帯でも、ヴァナ・ディールでは朝日が差し始めている。久しぶりに見た朝日はものすごく眩しく、清々しかった(ご近所に迷惑はかけないように!)。
関連記事
- 2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その9)
少し遅れた冒険者がお届けするヴァナ・ディール奮闘記。現在の私ガルカは2007年8月28日のバージョンアップで追加された「チョコボサーキット」に夢中です。しかし、まったく当たりません!! 一攫千金の夢は次第に遠のくばかり……。ギブミーギル!!
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
犬「で、オレが産まれたってわけ」 220万再生突破の爆笑ワンコに「ちっ、2回目の転生は犬かよ」「これでウインクとかされたら笑い死ぬww」
-
“無給餌”で育てたメダカが3年後、驚きの姿に……!! 人の手が入っていないビオトープで起こったミラクルに注目が集まる
-
北海道が広島……? 地名がちぐはぐすぎる「ちょっと変な日本地図」に隠された“秘密”に「おもしろい!」「よくぞ調べた」の声
-
「その顔やめんかいw」 大谷翔平、子どものような“変顔”を披露 「撮られてしまったね」
-
「最高すぎる」 業務スーパーで見つけた“あの麺の1キロ分”が話題 「業務用なんてあったのか」
-
「ドミノ・ピザ」山形県内から突如全店撤退、何が起きたのか 運営「優先順位の高いエリアでの今後の成長を見据えて」
-
「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
-
【今日の計算】「52+4×12」を計算せよ
-
釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
-
「これ本当に日本?」 言われなければ分からない福島の名所「浄土平」の絶景が「まるでアリゾナ」
- 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
- 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
- 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
- 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
- どういう意味……? 高橋一生&飯豊まりえの結婚発表文、“まさかのタイトル”に「ジワる」「笑ってしまう」
- サーティワンが“よくばりフェス”の「カップの品切れ」謝罪…… 連日大人気で「予想を大幅に上回る販売」
- “世界一美しいザリガニ”を入手→開封して見ると…… 絶句を避けられない姿と異変に「びっくり」「草間彌生作のザリガニみたい」
- 「誰かと思った」 楽天・田中将大の“激変した風貌”にファン驚き…… 「一瞬わからなかった」
- 複数逮捕&服役の小向美奈子、“クスリ”に手を出した理由が壮絶すぎ……交際相手の暴力で逃亡も命の危機 「バレてバルコニー伝って入られて」
- 耐火金庫に“溶岩”を垂らしてみたら…… “衝撃の結果”に実験者も思わず「なんだって!!!」と驚愕【海外】
- 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
- 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
- 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評