デモクラタイズなゲーム業界へ!――2008年のGDCを総括くねくねハニィの「最近どうよ?」(その21)(4/8 ページ)

» 2008年03月14日 14時22分 公開
[くねくねハニィ,ITmedia]

まだあった! デモクラタイズ! 任天堂の「WiiWare」

 セッションの中で最終日22日(金)の朝9時から任天堂の青山氏による「WiiWare」のお話がありましたの。もちろん早起きして、ハニィも聴きに行ったわよん。

 「WiiWare」は、バーチャルコンソールのような既存のゲームを落としてくるのではなく、WiiのWi-Fiコネクションを使ってダウンロードできる有料の「オリジナルコンテンツ」を投入するってこと。「パッケージのソフトが『WiiWare』のソフトに代わるものではない」と青山氏がおっしゃってて、そりゃーハードディスクもついていないWiiにパッケージ同等の大容量を記憶するところがないでしょうが! と突っ込みそうになったけど、あくまでも価格や容量に縛られないシンプルなゲームを提供するってことみたい。

 購入方法は、バーチャルコンソールと同様Wiiポイント制になり、ショッピングチャンネルの「WiiWare」ページからダウンロードするんですけど、1回ダウンロードしちゃえばチャンネルの中に現れるようになりまする。「みんなの任天堂チャンネル」上の「みんなのおすすめ」で「レビュー」を見てから買うってこともできるみたいよん。

 ここで、青山氏が気になることをおっしゃったんですが、「ゲーム以外のコンテンツの可能性」と「すべての開発者にオープン」。でた! デモクライタイズだ! 「Wiiウェアでソフト配信したい人はメールをください」とのこと。ホントに? これってすごいことだよね〜。ただ、マイクロソフトが評価過程をある程度オープンにしているのに対して、任天堂はそこまでの言及はなかったから、デモクラタイズまではいかんのかなぁ……。

 任天堂から公式に発表がありましたけど、日本では3月25日から正式にサービスが開始されまする。ハニィも最近ホコリをかぶってるWiiを棚から出してつなごかな。それにしても、すばらしい、マイクロソフトの「XNA」、Wiiの「WiiWare」、プラットフォーマーとしてアプリケーションの活性化と多様化をもたらす開放。ゲーム業界にはハード自体の更新だけでなく、オンラインプラットフォームの更新って波も来てるのだね〜。

 余談ですが、このセッションの中でおもしろいアップデート情報が! Wiiが青く光る時(任天堂からお知らせがある時)のフラッシュの仕方がいつの間にか変わってたって知ってました? 「ほ〜ほけきょっ」って鶯の鳴き声をもじったとか。日本人の心ですな〜。でも、任天堂系のセッションはすべて写真を撮らせてもらえないって悲しいことになってましたね〜。ちゃんと聞きに行ったんだから写真くらい撮らせてくれてもいいのに……。ハニィの隣の人が写真を撮ってたら、すごい勢いで怒られてて、その勢いでハニィのコーヒーがこぼれましたじょぉぉぉ(恨)。

ハニィのあとがき

 帰国してからだいぶ経ってしまいましたけど、サボってました、ごめんちゃい。あの〜、まず言いたいのは、デモクラタイズも含め、SCEどうしたの? ま、もともとPCから移行しやすいXbox 360や、開発上はゲームキューブと大きな違いのないWiiと比べれば、ツールがようやく揃いだしたPS3に対して多くを要求するのは酷ってもんでしょうが、ちょっとGDCでの存在感がイマイチでしたね〜。昨年のキーノートで「Home」を発表したSCE WWSプレジデントのフィル・ハリソン氏が、退職してアタリに行っちゃうとかいうニュースがGDC後報道されるなど、ホントに心配ですよ。グレートなニュース待ってます!

 さて、ハニィ視点のGDCリポート、いかがだったでしょうか? はい、「デモクラタイズ」です。ゲーム機のスペックが上がって、ビジネス的には相当大きなリスクになってしまったソフト開発。思い切った投資やアイデアにGOを出しにくくなってるよね。でも、エンターテインメントってビジネスである反面、ミズモノであって、ある意味バクチであるって側面も否めないわけだ。お金をかけたからって必ずしも楽しいものや新しいものができるわけでもない。ひょんなことから化けることだってあったはず。でも、PS3やXbox 360でパッケージタイトルを開発していくためには10億円前後の開発費がかかる、と言われている昨今、バクチとも言ってられないわけで、無難な方向へと向かってしまう。そうするとエンターテインメントとしての進化が停滞する……と、悪のスパイラルにも陥りかねないわけで、アプリケーションのサイズを問わず、在庫もプライスプロテクションも考えなくてよい、というオープンな環境は、もしかしてゲーム業界の救世主となるかもしれないね。

 では、このプラットフォームのオープン化は果たして危機感を高める日本のゲーム業界に朗報なんだろうか? と考えてみた。もちろんそうあってほしいんだけど、歴史的、文化的にみると、そうとも言い切れないのかもしれないな、とも思ったの。だってオープンな環境ってのはあんまり得意ではないでしょう? すでに20年以上限定され、規定されたプラットフォーム上でのクリエイティビティを重ねてきた日本のゲーム業界で、いきなりオープンにされることが果たして好ましいことなのかな? と、猜疑心の方向から考えてみたの。

 でも、そう、新しい人たちが、これを打破してくれるかもしれないかな、と。既存の概念を脱ぎ捨てられるクリエイター、これは現在ゲーム業界にどっぷり漬かっている人たちではないかもしれない。そういう意味でもある程度の世代交代は必須なのかもしれないね。過去の功労者からこれからを引き継ぐ人たちがたくさん現れてくれないと日本の業界は活性化しないよ〜。このチャンスを逃さないで、成り上がってくれる皿洗いから転身したジェームズ君のような存在を日本でも期待するハニィでした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/15/news106.jpg 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  2. /nl/articles/2405/16/news184.jpg どういう意味……? 高橋一生&飯豊まりえの結婚発表文、“まさかのタイトル”に「ジワる」「笑ってしまう」
  3. /nl/articles/2405/16/news185.jpg “ジョジョ婚”じゃん! 結婚報告の「岸辺露伴」高橋一生&飯豊まりえ、“連名サインの本名”に集まる驚きの声「直筆見て初めて知った」「これが正解」
  4. /nl/articles/2405/17/news026.jpg トリミングでシーズーを「ハムスターにしてください」とお願いしたら…… インパクト大の完成形に「可愛いーーー」「なんて愛おしい鼻毛カール」
  5. /nl/articles/2405/17/news019.jpg リモート会議中の“マナー違反”に共感の声が殺到 「全く同感」「マナー講師はなぜこれを教えないのか」
  6. /nl/articles/2405/16/news123.jpg “1K8畳”の新居を一人暮らし男子が模様替え→“ホテル”みたいに大変身する様子に「シャレオツ」「センスよー!」と称賛
  7. /nl/articles/2405/17/news054.jpg 「これは罠」「本当に紛らわしい」 現役清掃員が教える「保冷剤」を捨てる際の“落とし穴”が話題
  8. /nl/articles/2403/21/news104.jpg 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. /nl/articles/2405/17/news046.jpg 北陸新幹線に空のペットボトルを持って乗ると…… “あるもの”が見える実験に「知らなかった」「教科書よりわかりやすい」
  10. /nl/articles/2405/16/news194.jpg 牛丼チェーン「松屋」、深夜料金を導入 一部の店舗で
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評