ちょっと新宿でワイヤーアクション――「バイオニック コマンドー マスターD復活計画」を体験プレイ(1/2 ページ)
PS3/Xbox 360「バイオニック コマンドー」の最新作を前に、ダウンロード配信タイトルとしてまもなく発売される予定の「マスターD復活計画」を体験しに、カプコンに行ってみた。
ダウンロードタイトルといって侮ることなかれ!
カプコンが1987年にアーケードゲームとして発売した「トップシークレット」は、後にファミリーコンピュータへ移植される際に「ヒットラーの復活」とタイトルを改め、海外版とゲームボーイアドバンス版が発売されるにあたり、キャラクターデザインや世界設定などを変更し、「バイオニックコマンドー」となった。
2007年10月、英国で開催された「CAPCOM GAMER’S DAY」で発表されたプレイステーション 3/Xbox 360/PC用三人称視点のアクションゲーム「BIONIC COMMANDO」(バイオニック コマンドー)が、北米、欧州に続き、日本でも発売されると発表になったのが今年の1月だった。今回、20年ぶりに復活したワイヤーアクションが特徴の本作とは別に、昔ながらの「ヒットラーの復活」に新要素を加えつつリメイクした、Xbox 360/プレイステーション 3のダウンロード専用タイトル「バイオニックコマンドー マスターD復活計画」を体験する機会に恵まれた。
「バイオニックコマンドー マスターD復活計画」を紹介してくれたのは、本作のプロデューサーを務めるベン・ジャッド氏。基本的にリメイクするにあたり、すべてのキャラクターやオブジェクトを3Dで書き直し、世界観を再構成しながらも、ファミコン版を踏襲したサイドビュースタイルの2Dアクションとしている。次世代機で発売する「BIONIC COMMANDO」の10年前という設定で、いわゆるシリーズ作をつなぐミッシングリンク的な役割をも担っている。
ワイヤーでステージからステージへ移動する痛快な“スウィング”アクションは健在で、新たに「バイオニックアーム」というギミックが登場している。バイオニックアームは、壁や天井にワイヤーを飛ばしスウィングを可能とするだけでなく、ドラム缶や兵士をアームでつかんで投げ飛ばすことも可能となった。当然、横への移動やしゃがむ以外、プレイヤーはジャンプすることができず、すべてをバイオニックアームに託すことになる。そのアクション要素こそ、本作の最大の魅力でもある。ジャッド氏は開発をするにあたり、ファミコン版を知るファンの気持ちを大事にしつつ、このスウィングの“難しさ”を、はじめて遊ぶユーザーにも理解できるよう考慮したのだとか。
往年のゲームの中には、難しいからこそ語られるようになった名作も多い。カプコンの「魔界村」や「ロックマン」シリーズなどはその最たる例で、「バイオニック コマンドー」もまたしかりだ。その精神は残しつつ、本作にはチュートリアルや難易度設定(イージー、ノーマル、ハード、隠しの4段階)のほかに、イージーではスキマに落ちて死ぬことのないようにする、「アシストブロック」が採用されている。このアシストブロックは、「ロックマン」から着想を得ているとジャッド氏は語る。
本作は、3Dで開発されている「BIONIC COMMANDO」と同じエンジンを使っていることもあり、エフェクト効果も2Dながら、実にていねいに作り込まれている。銃を撃つと薬きょうが飛ぶなどの細かい効果は臨場感を高めてくれる。
追加要素を挙げていくと、ゲーム中、敵を倒したりすると獲得できる六角形のスコアトークンをたくさん取ると、ステージのスコアが高くなるのだが、これはランキングに対応している。また、ボス戦も飽きがこないよう工夫が施されている。実際に体験したボス戦でも、ドラム缶を利用したり、スウィングを利用しないと位置取りができないなど、戦略的にも一筋縄ではいかないようだった。
ほかには、ステージ上に配置してある「通信端末」エリアでは、スコアトークンなどを獲得できるハッキングと呼ばれるパズル仕立てのミニゲームがあったり、隠し要素として懐かしの「弥七」が登場したりと遊び心も忘れていない。さらに、ランキングにも対応している「チャレンジルーム」(50個以上)と呼ばれるそれぞれ8つの課題を好記録でクリアすれば、スウィングの技を高められるといった修練の場も用意されている。
ジャッド氏は、「バイオニックアーム」を使用したスウィングアクションに、従来のものにはなかった「横投げ」が追加されていると解説する。横投げとは、空中にいる時にワイヤーを横に飛ばすというアクションで、これが加わることでゲーム性を損なうことなく、新たなステージのバリエーションを生むことに成功したのだとか。
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