「XenepicOnline」が大規模アップデート――新システムでXenepic大陸はどう生まれ変わるのか？（3/3 ページ）

[麻生ちはや，ITmedia]

　最後にDNC エンタテインメント　ディレクターJae-Cheol Choi氏へのショートインタビューを行い、3年もの間大型アップデートがなかった理由や、今後の方向性などを聞いてきたのでお伝えしよう。

――　本日は長時間のアップデート内容発表でお疲れとは思いますが、よろしくお願いします。まず、2005年に正式サービスが始まった「XenepicOnline」ですが、細かなゲームバランスの調整や季節イベントなどを除いて、大規模アップデートが3年間も実施されなかったのか。ぜひとも理由を教えていただけますか。

Jae-Cheol Choi氏　他社のMMORPGに比べると、正直「XenepicOnline」はそこまで規模の大きいタイトルではありません。サービス当初はまず狭い範囲のマップでゲームをスタートさせ、毎週少しずつマップを広げる、新しいシステムを追加するという方法をとる予定でした。ところが毎週のアップデートもなかなか難しくなり、パッチ作業に追われ、今回のような大型アップデートは作業量的にもスケジュール面でも非常に厳しい状況にありました。実のところ、今日ご紹介したハウジングシステムなども、企画そのものはかなり初期からあったものでして……。しかし、長期間アップデートがないことが理由でプレイが嫌になり、「XenepicOnline」から離れていってしまったプレイヤーがいることは私たちも承知しています。そこで「天空の回廊」では今まで実装を予定していたコンテンツを、一気にプレイヤーの皆様にお届けすべく用意しました。

――　パッチや毎週のアップデートでいっぱいだった、というのは単純にスタッフ不足の問題ですか？

Jae-Cheol Choi氏　リソースの問題もある程度は影響していますが、もう少し詳しくお話しますと、プレイヤーの目には見えませんが、ゲームエンジンやプログラム上の改善にだいぶ時間をとられてしまったというのが事実です。

――　この天空の回廊が実装された以降は、どの程度の規模のアップデートが、どれぐらいの頻度で実現できますか。

Jae-Cheol Choi氏　季節イベントなどをのぞいてのアップデートは、どんなに長くても6ヶ月を超えないように、今後はがんばっていきます。

――　ところで、「天空の回廊」もだいぶボリュームがあるうえに、実装のタイミングが2月〜3月に集中していますね。バグフィックスなどの作業量は大変なものになりそうですけれど、大丈夫ですか？

Jae-Cheol Choi氏　バグフィックスを計算に入れたスケジュールですので、“大丈夫です”（ここだけ日本語で回答してくれた）

――　現時点でどの程度開発は進んでいるんでしょう。

Jae-Cheol Choi氏　ギルドインスタンスダンジョン以外は、90％近く開発は進んでいますよ。

――　先の話になってしまいますが、今後の方向性や現時点でお話いただける開発スケジュールなどがありましたら、お願いします。

Jae-Cheol Choi氏　そうですね、まず、いままでとは違う新しい雰囲気の大陸を実装したいと考えています。よりファンタジーらしさを強調した町並みや、新しいタイプのクエスト、モンスターを入れる予定です。また、既存のものよりアップグレードしたダンジョンを企画中です。単にダンジョンに入ってボスを倒したらクリアというものではなく、何か新しい仕掛けを実装すべく色々考えています。

――　「XenepicOnline」から話がそれますけれど、日本の運営元であるキューエンタテインメントとは、やはり文化や意識の違いで、新アイテムの追加ひとつにしてもなかなか意見が食い違うこともあると思います。まあ、もっと手短に言うと、キューエンタテインメントはパートナーとしてやりやすい会社ですか（笑）。

Jae-Cheol Choi氏　いいえ、全然やりやすくないです（笑）　これはおっしゃる通り意識の違いが一番大きいと思うのですが、韓国では何か新しいシステムをゲーム内に入れたいと考えたとき、何はともあれ一度実装して試してみようという考え方が普通です。ところが日本の運営というのは、大変慎重な態度で検討に検討を重ねたがります。韓国人から見ると慎重すぎて、対応が鈍いと見えてしまうんですね。ただ、急ぎすぎる弊社と慎重なキューエンタテインメントがバランスをとって、良い結果が残せればベストだと思います。

――　なるほど。ところで開発がある韓国では、一度XenepicOnlineはサービスが休止していますよね。再開のメドはあるのでしょうか。

Jae-Cheol Choi氏　実は来年の春からサービスを再開する予定です。以前は運営を他社にまかせていましたが、勉強を兼ねて我々が自ら開発・運営を兼任することになるでしょう。もちろん、一度サービスが終わったタイトルをただ再開させても成功できるわけがありませんので、今は申し上げられませんが色々と仕掛けを企画していますよ。

――　本日は長時間、ありがとうございました。

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