“ゲーム派”に贈る2010年夏の液晶ディスプレイ選び夏のバイヤーズガイド(2/2 ページ)

» 2010年07月13日 12時00分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

中間フレーム作成で幅広い動画を滑らかに表示

 次に前ページで挙げた(2)のタイプ、つまり「中間フレーム作成」機能による滑らかな映像表示を実現している製品を見ていこう。これにはナナオの「FORIS FX2301TV」と三菱電機の「RDT232WM-Z(BK)」が該当する。

ナナオの「FORIS FX2301TV」。EIZOダイレクトの直販価格は9万9800円だ
三菱電機の「RDT232WM-Z(BK)」。実売価格は大手量販店で5万4800円前後だ

 中間フレーム作成は「倍速補間」とも呼ばれており、大型液晶テレビと同様、標準的な毎秒60フレームの動画コンテンツを映し出す場合、前後フレームの差分から中間フレームの映像を作り出し、1秒間120フレームの映像とすることで、残像感の少ない滑らかな動画表示が行える機能だ。この機能は単に「倍速駆動」と呼ばれることも多いが、PC向けの液晶ディスプレイでは前ページで紹介したように、中間フレームの作成をせず、120Hz表示を行う製品もあるため、混同しないよう注意が必要だ。

 FORIS FX2301TVとRDT232WM-Z(BK)は中間フレームの作成を行える一方、垂直同期周波数120Hzの映像入力はサポートしないため、60fps超のPC用3Dゲームなどを120Hz駆動でクッキリ表示したり、NVIDIA 3D Visionによる3D立体視映像を楽しむことはできない。とはいえ、ゲームに限らず、DVD-Videoやネット上の動画コンテンツなど、幅広い映像で中間フレーム作成による動画ブレ低減効果が得られるのは大きな魅力といえる。

 ちなみに、中間フレームの作成には処理時間がかかるため、高速なレスポンスを要求されるゲームでは、コントローラーの入力タイミングに対して、画面表示のタイミングがわずかに遅れてしまうこともある。そのため、これら2製品は中間フレーム作成などの映像処理をスキップすることで、映像入力から表示までの遅延時間を抑える「スルーモード」も搭載している。スルーモードを適用すれば、FPSや格闘ゲーム、リズムアクションゲームなどを軽快にプレイすることが可能だ。

 反対に、ムービーシーンのグラフィックスにこだわったRPGやアドベンチャーゲーム、入力タイミングがシビアではないアクション系やスポーツ系のゲームなどでは、スルーモードを使う必要はなく、中間フレーム作成を行うことで、滑らかな動画表示の恩恵が得られる。つまり、対応できるゲームの幅が広い。

 FORIS FX2301TVとRDT232WM-Z(BK)は、中間フレーム作成以外にもゲーム向けの画質モードやスケーリング機能、各種設定が手元で行える付属リモコンなど、豊富な付加価値を備えていることにも注目したい。

 FORIS FX2301TVは音声面に注力しており、セガと共同開発したヘッドフォン向けバーチャル5.1chサラウンド機能や、カバーを着せ替えできる大きめのステレオスピーカーを装備しているのも特徴だ。特にヘッドフォン向けバーチャル5.1chサラウンド機能は、サラウンド対応ゲームで敵や味方の位置関係を把握するのに役立ち、ゲームをより快適にプレイしたり、臨場感を高めてくれる効果がある。また、地デジチューナーや豊富な端子類も備えた高級ゲーミングディスプレイにまとまっている。

 RDT232WM-Z(BK)は、中間フレーム作成による映像視聴を重視したモデルだが、ゲーム向けの機能も多彩だ。「ながら視聴」に適したPinP機能を備えており、子画面やマウスで指定した範囲のみ超解像を適用できる機能も持つ。映像ソースに応じて、超解像の強度を10段階で細かく調整できるのは便利だ。こちらはバーチャルサラウンド機能や地デジチューナーを搭載しないが、そのぶん価格が抑えられている。


 このように120Hz駆動の液晶パネルを採用したディスプレイでも、搭載する機能によって適したゲームジャンルは異なる。PCと接続し、60fps超のフレームレートで高解像度の3Dゲームをやり込んだり、3D立体視によるゲーム体験を味わいたいなら(1)のタイプ、家庭用ゲーム機との接続を含め、より幅広いゲーム・動画用途で高画質かつ滑らかな映像表示を求めるなら(2)のタイプが有力候補になるだろう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/27/news019.jpg 「これを見つけたら緊急事態」 農家が恐れる“生えると危険な雑草”の繁殖力に「悪いやつだったんですね」「よく食べてました」
  2. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  3. /nl/articles/2405/27/news133.jpg 「虎に翼」、ヒロインの弟役が初登場 演じた人物のギャップに驚き「同一人物なのか?」「朝ドラにも出るの凄いな」
  4. /nl/articles/2405/27/news066.jpg パンイベント中止で被害200万円以上も 出店者「本当に悔しい」「破棄せざるをえない」と強い憤り
  5. /nl/articles/2403/21/news104.jpg 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  6. /nl/articles/2403/13/news017.jpg 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」
  7. /nl/articles/2405/26/news010.jpg 熟睡する2カ月赤ちゃん、お布団をめくるとそこには…… もん絶級の寝姿に反響「可愛いが大渋滞してる」「天使寝てはる」
  8. /nl/articles/2405/26/news006.jpg 【今日の計算】「81÷9+31」を計算せよ
  9. /nl/articles/2405/27/news030.jpg 大型ワンコが必死で隠す「最愛の小さな友」 190万再生の友情に「なんて優しい組み合わせ」「心から信頼して甘えてる」
  10. /nl/articles/2405/23/news120.jpg 坊主頭を1年伸ばしたら……  “別人レベルの変化”に530万再生 「たった1年でこんなにも変わるんだ」【伊】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  2. 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  3. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  4. 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
  5. どういう意味……? 高橋一生&飯豊まりえの結婚発表文、“まさかのタイトル”に「ジワる」「笑ってしまう」
  6. サーティワンが“よくばりフェス”の「カップの品切れ」謝罪…… 連日大人気で「予想を大幅に上回る販売」
  7. “世界一美しいザリガニ”を入手→開封して見ると…… 絶句を避けられない姿と異変に「びっくり」「草間彌生作のザリガニみたい」
  8. 「誰かと思った」 楽天・田中将大の“激変した風貌”にファン驚き…… 「一瞬わからなかった」
  9. 複数逮捕&服役の小向美奈子、“クスリ”に手を出した理由が壮絶すぎ……交際相手の暴力で逃亡も命の危機 「バレてバルコニー伝って入られて」
  10. 耐火金庫に“溶岩”を垂らしてみたら…… “衝撃の結果”に実験者も思わず「なんだって!!!」と驚愕【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評