体重計は2個、片足ずつ乗ります――IT企業勤務から「操体」の専門家に 鈴木健介さん(1/2 ページ)

「操体」(そうたい)ってご存知ですか? 「体にとって気持ちいいコトをして、ボディバランスを整える」という健康法であり、施術法です。今回登場していただく鈴木さんは、IT企業勤務から操体の専門家に転身したという経歴の持ち主。

» 2015年04月08日 06時00分 公開
[中山順司ITmedia]

 どんな世界にも「周りが放っておかない人」というのが存在します。周囲を巻き込む能力が高く、常にいくつもの仕事を抱えていて、それでも忙しそうな素振りは見せずに遊びにも全力で取り組む人々。本連載では、そんな「引っ張りだこな人々」に、普段の生活習慣や健康のために意識していること、毎日を自分のペースで過ごしていくコツについてお聞きしていきます。

 今回お話を伺ったのは、操体サロン東京の鈴木健介さん。操体(そうたい)とは、「体にとって気持ちいいコトをして、ボディバランスを整える」という健康法であり、施術法です。姿勢がよくなり、肩こりや腰痛の解消にいいそうです。

 鈴木さん、「頑張らないことが健康でい続けるコツ」だなんて、そんな虫の良すぎる考え方で健康になれるんですか?

操体サロン東京の鈴木健介さん 操体サロン東京の鈴木健介さん

どこかで無理をすると、別のどこかのバランスが崩れる

――もともと操体の世界に?

 2015年に操体サロン東京を開業しました。母方の曽祖父は操体の創始者でして、私自身も幼いころから操体に接しながら育ってきたんですよ。でも、これまではWeb制作会社、メディア企業、サーバインフラ系など、もっぱらIT業界にずっと携わっていました。

――そんな生い立ちなら、さぞかし健康なんですよね?

 操体のおかげがすべてではないですが、これまで大病で入院とか、手術もしたことはないですね。おおむね健康に生きてきました。でも、操体を本格的に学びだす前は、年に1〜2回風邪を引いて仕事を休んだりはしました。ここ数年はほぼ無病です。

――秘訣があるんですか。心がけている習慣があるとか。

 何事もストイックに頑張らないのがポリシーです。操体の世界では、

1. 頑張るな

2. 威張るな

3. 欲張るな

4. 縛るな

 という、「4つの戒め」があります。

 1は何事も無理しすぎしない。2の「威張らない」は人との接し方だったり、3の「欲張るな」は足るを知ることだったり、4の「縛るな」は何かに束縛されない、囚われないといった考え方です。

 社会人3年目のとき、仕事を頑張りすぎて、体を壊してしまったことがありまして、どこかで無理をすると、別のどこかのバランスが崩れるものなんです。そういった無茶は長続きしないんです。何事もほどほどに、やり過ぎないよう習慣化していますね。

「唐揚げフェス」を自宅で開催

――禅問答のような、IT系媒体らしからぬ雰囲気になってきましたね……(笑)。

 私はバリバリIT系ですよ(笑)。もう一つお伝えしますと、操体には「息・食・動・想・環(そく・しょく・どう・そう・かん)」という概念があるんです。

 息(そく)は呼吸、食(しょく)は食事、動(どう)はからだを動かすこと、想(そう)は心理状態や考え方や感謝の気持ちを表します。最初の4つ、「息・食・動・想」は自分の意思でコントロールできるもの……というか、生きていく上で必要最低限の自分自身でやらなきゃいけない、コントロールせざるを得ないもののことです。

 最後の「環(かん)」は、社会やとりまく人間関係等の環境を含め、全てリンクしているという考え方で、それぞれの要素を、きちんと自然の法則に従ってコントロールしましょうというのが、操体のコンセプトです。当たり前といえば当たり前のことなんですが、意外と今の世の中って他者に依存しているというか、何かあったら誰かになんとかしてもらおうっていうスタンスの人が多いんですよ。

――なんだか、達観した修行僧みたいですね……この世の煩悩から解き放たれているんですか?(笑)

 とんでもない(笑)。肉もお菓子もスイーツも食べます。こないだは、「唐揚げフェス」というイベントを開催しました。やったのは、大量の鶏肉を買い込み、自宅で唐揚げをひたすら揚げては妻と黙々と食べただけ。

満腹と満足は似て非なる

――唐揚げ作って食べただけ、ですよね? フェス、ですか……?

 いや、フェスって呼ぶことに意味があるんです。私は身体に良くないジャンクフードやお菓子を食べることもありますが、決して満腹になるまでは食べません。

 満腹にならずして、満足するんです。満腹と満足は違うんです。満腹になるまで食べないと満足できない人は大食いになりますが、ちょっとだけでも満足できるなら、ドカ食いはしませんよね? 私はいかに満足するかに重きを置いているんです。フェスって呼ぶのも、「イベントをやったぞ、楽しかったな」という満足感を味わっているんです。

 あと、モロゾフのプリンが好物なんですけど、1個食べればその満足感で数週間は生きていけます(笑)。

――満腹と満足は似て非なるものであると?

 違うんですね、これが。食べたいと思ったものは、量はさておき食べはしますよ。アレは絶対に口にしないとかないし、コレはかかさず毎日食べるといったルールはないです。

 身体が欲したら、食べる。無理なことをしたら、翌日身体を休ませる、といった長い目で見たバランスを意識しています。バランスが崩れているなって思ったときは、体重計に乗ってバランスのセルフチェックをしますね。

2つの体重計でバランスチェック

――同じ体重計が2個ありますけど? しかも、どっちも昔ながらのアナログ方式ですね。

 片足づつ乗って、体重が左右均等か確かめるんです。自分の中のバランス感覚が崩れていると、体重にもその差が現れるんですよ。患者さんの中には、左右で6〜8キロも差があることも珍しくないですよ。

 体重計はニトリで買った普通のモノです。アナログであるのは、そのほうが体重差だけでなく「ゆらぎ」まで見てとれるからですね。

――運動はされてます?

 学生時代にやっていたテニスを今も続けています。試合に勝つといったゴールはなく、楽しいから。テニスも頑張りすぎず、あくまでエクササイズとリフレッシュ目的ですね。

 あと、テニスって「こう打ったら、どうボールが戻ってくるか」とか「こう打ち返せば、相手は捕れない。そのためにはこう攻める」など、けっこう頭を使うスポーツなんです。それも個人的に気に入っているところ。ジョギングをしてみたこともあるんですが、運動にはなっても頭を使わなくて済む単純な動作なので、飽きてやめてしまいました(笑)。

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