「第4の朝食目指す」衝撃のコイケヤ ポテトチップス もも味&バナナ味はいかにして生まれたか(1/2 ページ)

衝撃の「ポテトチップス もも味」「バナナ味」はどのようにして生まれたのか? 果たしてポテトチップスは朝食になり得るのか? 湖池屋に直接聞いてきました。

» 2015年05月20日 06時01分 公開
[杉本吏ITmedia]

 「湖池屋は、新発売の『ポテトチップス もも味』『バナナ味』で朝食マーケットに参入します」。こんな思わず二度見せざるを得ないプレスリリースが編集部宛てに送られてきた。

 50年以上の長きに渡ってポテトチップスを作り続けてきた老舗メーカーで、一体何が起きているのか。衝撃の「もも味」「バナナ味」の発売日である5月18日、湖池屋本社で話を聞いてきた。

きっかけは「みかん味」のヒット

 対応してくれたのは、今回の新商品を企画した張本人であるマーケティング部の江口まいさん。入社2年目で、一から企画を担当したのはこれが初めてのことだという。

マーケティング部の江口まいさん。衝撃的な新商品の生みの親だ

――さっそくですが、伺いたいことがたくさんあります。まずは開発の経緯から。

江口さん:もともと朝食マーケットの盛り上がりには注目していたんです。パンケーキとかグラノーラとか、ここ数年すごい勢いですよね。当社も何か始めたいと思っていまして。

 いろいろと考えていたときにヒントになったのが、昨年12月に発売した「ポテトチップス みかん味」です。これは私の先輩が企画したものですが、冬向けに喜んでいただける新商品案を考えていまして、「冬と言えばこたつ、こたつと言えばみかん」ということで誕生しました。味にはもちろん自信があったのですが、「ほんとに大丈夫かこれ……」という雰囲気は正直ありましたね。

――反応はいかがでした?

 これが大きな反響をいただきまして。おかげさまでWeb上でもSNS経由などでかなり拡散しましたし、出荷数も想定を上回るものだったんです。このみかん味の成功があったから、今回のもも味とバナナ味の企画もすんなりと通りました。

ポテトチップス みかん味

目指したのは「桃やバナナの味」じゃない

――今回、桃とバナナを選んだのはなぜなんでしょう。

 まずは、先ほども言ったパンケーキやグラノーラなどもそうですが、朝食とフルーツの相性の良さがあります。その上で、ポテトチップスにしたときに「ちゃんとおいしい」フルーツは何なのかという研究を始めました。

 いろいろなフルーツを試したのですが、詳しくは企業秘密です! 今後の展開次第ですが、新商品としてこれから形になっていく可能性もあるので。ただ、桃とバナナは「一定の味のレベル」をきちんとクリアしているという意味で、最も良い出来でした。

――とはいえ、開発の中ではだいぶ苦労された部分もあったはずですよね。

 それはもう……。あの、私たちが目指したのって、ただの「もも味」やただの「バナナ味」ではないんです。

――……?

 「ポテトチップス もも味」と「ポテトチップス バナナ味」なんです、目指したのは。「ポテトチップスとしてちゃんとおいしく、かつ桃でありバナナである」というのがコンセプトなんです。

 だから、試作品の段階では「これは桃じゃなくて桃ガムの味だね」とか、「バナナジュースの味はするけど、バナナの味とは違うな」といったことが何度もありました。かつ、バナナに寄り過ぎて「バナナチップス」(=スライスしたバナナを乾燥させたもの)になってしまってもダメなんですよね。

――なるほど、まずはポテトチップスとしてのおいしさが大前提にあるという点で、いわゆる「ネタ系」のお菓子とは一線を画すわけですね。

 そこはもう、50年以上ポテトチップスを作り続けてきたメーカーとしてのプライドが……(と上司がよく言っています笑)。「桃やバナナがただの風味にならないように」というのは一番気を遣った部分です。

あくまでも「ポテトチップス」としての味にこだわって作られたもも味とバナナ味

ポテトチップスは朝食になり得るのか

――プレスリリースに書かれていた「第4の朝食」という表現も非常に気になったんですが。

 「“ポテトチップス”を、パン・米・グラノーラに次ぐ“第4の朝食”として育てていきます」――というあれですね。あれはですね……。

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