「睡眠負債」の恐怖!突然死を防ぐための眠り方とは

睡眠不足の蓄積「睡眠負債」。たまったまま放置していると、目には見えないところで体が蝕まれ、最悪の場合突然死に至ることも。そんな睡眠負債の解決法を紹介します。

» 2015年09月23日 06時00分 公開
[石原亜香利ITmedia]

 最近、睡眠不足が続いている。よくある話ですが、実はこうした「睡眠負債」は、疲れと同じように放っておくとどんどん蓄積していくものです。また、休日に一気に寝だめをしても“一括返済”できないことや、睡眠負債がたまっていっているのに、なかなか自分では気付かないことなど、厄介な面も。

 重大な病や死につながるといわれる睡眠負債。日頃、どんなことに注意しておけばよいのでしょうか。

「睡眠負債」の恐怖!突然死を防ぐための眠り方とは

睡眠負債がもたらす弊害とは?

 満足な睡眠が取れず、睡眠負債がたまってくると、どこかで必ず返済が必要になってきます。なぜなら、睡眠負債はたまればたまるだけ、増えていく一方で、自然と解消されるというものではないからです。調子に乗って3日間3時間睡眠などを続けた後、何げなく車を運転してしまうと、急にガクンと睡魔に襲われ、重大な事故につながることも。重大な事故が起きなくても、ヒューマンエラーの確率は格段に上がります。

 また、確実に心身が蝕まれ、高血圧や糖尿病、ホルモンバランスの乱れによるがんなどのリスクや、睡眠中の成長ホルモンによる脂肪燃焼が行われないことによる、メタボリックシンドロームのリスクもあります。さらに、食欲増進ホルモン「グレリン」の分泌が高まり、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が低下するため、無駄に食欲が増し、ますます肥満へとまっしぐらとなってしまうことも。

最悪の場合、突然死も!

 睡眠負債には精神的な悪影響もあります。一日ごとに脳がリセットされず、回復しないため、認知機能が低下して仕事のパフォーマンスが低下。結果的に致命的なミスが生じ、意欲の低下によって、うつ病に至るようなケースも少なくありません。

 そんなおそろしい弊害のある睡眠負債ですが、ただ眠ればいいというわけではありません。むしろ、平日に睡眠不足を続け、土日にまとめて眠ろうとして極端な睡眠差をつけたことで、週明け月曜日に突然死を起こすケースもあるのです。

知っておくべき睡眠負債解決法

 では睡眠負債はどのように返済すればいいのでしょうか。最も安全なのは、毎日、1分間でも仮眠の時間を取ることだといわれています。理想的なのは15〜20分間の仮眠を毎日15時までに、必ず1回取り入れること。毎日コツコツ続けることで、やがて睡眠負債を取り戻すことができるのだそう。

 とにかく「後でまとめて寝だめ」はNG。体内時計が狂い、平日かえって眠れなくなるという本末転倒態になってしまうからです。土日は平日との睡眠時間の差を2時間までに抑えるようにすると良いでしょう。

 誰もが無視できない「睡眠」のリスク。毎日必ず向き合うものだからこそ、適切に対応したいものです。

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