なぜ今スマートウォッチ市場に? カシオの本気と確かな技術

なぜスマートウォッチ市場に参戦したのか? カシオならではの技術とは。

» 2016年06月16日 06時00分 公開
[ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 カシオのスマートウォッチを触ったことはありますか? G-SHOCKに代表される数々の製品を見れば分かる通り、カシオはファンの心をつかんで離さない、確かな技術と思想を持っています。

 今回は、スマートウォッチ市場に進出したカシオの意気込みを過去の記事から調べていきます。

カシオがスマートウォッチを作る意味

カシオ スマートウォッチ

 ライターの荻窪圭さんによる樫尾和宏社長へのインタビュー記事では、カシオ初のスマートウォッチ「Smart Outdoor Watch WSD-F10」が発売に至るまでの経緯について語られています。

 なぜスマートウォッチの取材で社長なのか、もっと現場の開発者もいるだろうに、と思う人もいるかもしれませんが、樫尾氏は2015年6月に社長に就任するまで、コンシューマ・システム事業本部長として、ずっとWSD-F10の開発を見てきた張本人。

 「カシオがスマートウォッチを作る意味はどこにあるのか」「なぜ今なのか」といった疑問に、樫尾氏は下記のように答えています。

 本来うちはデジタル時計のカシオですから、「リストテクノロジー」という形でいろいろな製品を作ってきました。そしてスマートウォッチは究極のデジタルウォッチ、リストテクノロジーの究極版に近いものだと考えています。そういう製品が他社からは出ているけれども、デジタルのカシオとして、本来うちがやらなければならない領域なのに、製品が出せていなかったんです。

 他社の製品を見ると分かるように、スマートウォッチは、Appleも含めて、時計メーカーではなく情報機器メーカーが作っているのが現実です。

 時計も情報機器も、両方ともきちんとやっているメーカーはあまりないので、うちがやらなきゃいけないのは分かっていました。ですが、それが実現できなかったのは、時計事業部のノウハウだけでは難しかったからです。やはり情報機器の事業部との融合が必要でした。

 (開発には)やり直しを含めて、4〜5年くらいかかっています。いろいろな方式を試しながら、試作のレベルまでいったら何種類もあります。(樫尾氏)

 「カメラの事業部で作るとカメラにしかならない」「時計の事業部でやると時計にしかならない」……過去の経験からスマートウォッチは新規事業開発部という、時計とは離れたところで開発が進められました。

 樫尾氏のインタビュー全文は下記参考記事からどうぞ。

実際の製品はどんな具合?

 満を持して投入されたカシオのスマートウォッチ「WSD-F10」。実際の使い勝手はどうなのでしょうか。荻窪圭さんによるレビュー記事で見ていきましょう。

カシオ 腕時計 Android Wear搭載スマートウォッチ「Smart Outdoor Watch WSD-F10」

 WSD-F10は、スマートウォッチと言っても、カシオならではの技術が詰まったアウトドアウォッチ。「高度計」「気圧計」「電子コンパス」などの機能を搭載しており、Apple Watchなどの従来の製品とは、本体の大きさもデザインのコンセプトもまったく違います。

アプリを使ってスマホ側からWSD-F10ならではの設定を行う必要がある
省電力モード。秒表示がなくなり、色使いもシンプルに。バックライトは暗いが一応点灯している
サイクリング中。しばらくしてアクティビティを表示すると、14.1キロ走りました、現在の時速は23.6キロ/hと表示されている

動画で見る「WSD-F10」

カシオ 腕時計

 「WSD-F10」がCES 2016で展示されたときの様子が下記の動画です。ウォッチフェイスの切り替えの様子や、充電端子の使用感などを知りたい方には参考になると思います。

 また、防水性能のデモや、サイクリング用、トレッキング用、フィッシング用のアプリを個別に紹介した動画も公開されています。

Smart Outdoor Watch WSD-F10の動作デモ
防水性能
サイクリング
トレッキング
フィッシング(釣り)

「当たり前のものを作ってもしょうがない」

 冒頭で紹介したインタビュー内で樫尾氏は、「なぜWSD-F10はアウトドア用スマートウォッチになったのか」という問いに対して、以下のように話しています。

 アウトドア用のアプリはスマートフォン用にたくさん出ていますが、歩きながら、あるいは走りながら、スマホを見ることは容易ではありません。いったん行動を止めて、立ち止まってスマホを見ています。アウトドアでこそ腕で見る、知る、というところが求められているにもかかわらず、そこに合わせたスマートウォッチがなかったんです。カシオはG-SHOCKの技術を持ってますから、本当に装着感がよく、普段もアウトドアでも使える時計を作れます。(樫尾氏)

 あらためて、なぜカシオが今スマートウォッチ市場に参入してきたのか――樫尾氏は、「既存市場への参入ではなく、新しい市場を作っていくという使命感がある」と答えています。

 カシオ計算機は本来「創造と貢献」の企業なのです。世の中になかった新しいニーズを生み出して、新しい使い方をしてもらって、新しいユーザーを獲得する。それが「創造」ですね。新しいニーズを生み出して広げていければ、そこをやっていけばいいと思います。(樫尾氏)

 G-SHOCKなどの開発に裏打ちされた確かな技術力と、新しいものを創造していかなければという強い自負。カシオがマニアの心をつかんで離さない理由は、きっとこのあたりにあるのでしょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news077.jpg ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』、舞台が見えづらいとの指摘に謝罪 「視認性の改善を講じる」
  2. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  3. /nl/articles/2404/30/news156.jpg 「葬送のフリーレン」の勇者一行、ネモフィラ畑に現る 名場面にちなんだコスプレが「これを花畑を出す魔法か」と23万いいね
  4. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  5. /nl/articles/2405/01/news014.jpg 1歳娘、ちょっと目を離したら衝撃の光景が……! リアル過ぎるワンオペ現場が190万再生「わかりみすごすぎです」
  6. /nl/articles/2403/21/news104.jpg 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  7. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  8. /nl/articles/2404/29/news009.jpg 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  9. /nl/articles/2405/01/news011.jpg 息子「あしたから下敷きいるって」母「ええやつあるで(ドヤ」 母の愛がつまった手作り下敷きに「なにこれめっちゃほしい!」と注目集まる
  10. /nl/articles/2404/30/news112.jpg 「ディズニー くまのプーさん」の新作ミュージカル、舞台が見えないと物議 「全然楽しめなかった」「ステージが低すぎる」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評