3月14日、23億6500万――東日本大震災後初めての月曜日に、「Yahoo!JAPAN」の1日のページビュー(PV)は過去最高を記録していた。これまでの記録を3億3500万上回る数字だ。一方で、宮城県など被災地からのアクセスは普段の4割ほどに落ち込んだという。日本最大のポータルサイトのPVは、震災の影響の大きさと被害の深刻さを物語る。
地震に備えあり Yahoo!を支えるチームワーク
地震発生をユーザーにいち早く伝えるため、ヤフーは日頃から備えている。例えば震度3以上の地震が発生すると、Yahoo!ニュースやYahoo!天気情報、Yahoo!災害情報といった震災関連サービス担当者にメールで通知が届く仕組み。震度6以上の場合は、それらの担当者が出社して対応にあたる決まりだ。

3月11日、同社のオフィスがある東京ミッドタウン(東京、六本木)ではちょっとした混乱が起こっていた。Yahoo!に東日本大震災の一報を掲載した直後、ビルの上階でボヤ騒ぎが発生。一時全員が仕事をストップし、1階に避難しなければならなかった。20数階分を階段で往復した社員もいた。
そんな時もYahoo!ニュースなどの更新が止まらなかったのは、リスクマネジメントがあったからこそ。新潟県中越地震、スマトラ沖地震、福岡県西方沖地震と立て続けに大地震が起こった2004〜05年以降、東京オフィスが被災した場合に備え、拠点を大阪にも設置し、更新できるようにしていた。
最初の混乱を乗り越えた後、Yahoo!の各サービスはどんどん震災モードに変わっていく。地震関連情報をまとめた特設ページを用意。Yahoo!JAPANトップページのバナー広告は停止し、特設ページへのリンクに切り替えた。Yahoo!ボランティアでもその日のうちに募金受け付けがスタート。Yahoo!天気情報では、NHKのニュース映像をライブ配信した。

激甚災害への対応は、前例がない判断をいくつも迫られる。バナー広告や広告メールはいつ止めるのか、募金の受け付けはいつ始めるのが妥当か――。セオリーがない場面で「迅速に判断していくことが大変だった」と同社事業戦略統括本部の佐竹正範さんは語る。担当者らはYahoo!メッセンジャーなどで連絡を取り合い、夜通し作業した。
膨大なトラフィックの処理にあたる者もいた。「募金の受け付けを始めたら、Yahoo!ボランティアのサーバがきゅうきゅうになってしまって」と、同社R&D統括本部FE開発本部メディア開発部の高田正行部長。Yahoo!をかたる義援金振り込め詐欺が発生し、注意を呼びかけるという一幕もあった。
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