
内閣官房、総務省、文部科学省、経済産業省は7月4日、東日本大震災からの復旧・復興に役立つデータを一般に公開し、それらを活用したWebサービスやアプリ、コンテンツの開発を企業や個人に広く呼びかける「ネットアクション2011」を始めた。ヤフーやGoogle、Twitterなどの企業も協力する。
震災発生時に経産省は、東京電力が公開している電力使用状況データを使って外部サービスを作ったら知らせてほしいとTwitterで呼びかけるなど、オープンな姿勢を見せてきた。それをさらに一歩進めた、“Gov2.0”なプロジェクトに発展させたい考えだ。
ヤフーもGoogleもTwitterも協力

4日にまずはネットアクション2011のポータルサイトがオープンする。ここでは、総務省がまとめた被災地の統計情報や、東京電力の各種電力データ、国・自治体のTwitterアカウント一覧といった、国や公共・民間機関などのデータを公開。データのオープン化の調整役も政府が担う。プロジェクトは来年3月31日までで、データの種類は随時増える予定だ。
これらのデータを活用したWebサービスやアプリを開発してもらい、震災からの復旧・復興につなげていく狙い。具体的には、被災地のニーズと支援者をマッチングするシステムや節電を推進するアプリ、被災状況を可視化して風評被害を防止するサイトなどを例に挙げる。復興に役立つ漫画や音楽などのコンテンツ創作も呼びかける。
企業や民間団体もさまざまな形で協力する。ヤフーやGoogle、Twitter(デジタルガレージ)は、ネットアクションで公開されるデータを使ってAPIを作成し、開発者に提供する。ベクターは、ネットアクションから生まれたアプリの投稿サイトを用意。「モバツイ」で知られるマインドスコープや、ボランティア情報のマッチングを行う団体「ボランティアインフォ」なども名を連ねる予定だ。
「成功しなかったら日本のオープンガバメントは10年遅れる」という決意で

欧米各国では、政府がデータを公開し、それを使ったサービスの開発を民間に奨励する動きが盛んだ。例えば、米国で08年から実施されている「Apps for Democracy」は、行政情報や統計データを使ってアプリを作るマッシュアップコンテストで、優勝賞金として3万ドルが贈られる。「日本でもこういうことができないかと前から考えていた」と経産省の担当者は語る。
震災発生時に経産省は、東京電力が公開している電力使用状況データを使って外部サービスを作ったら知らせてほしいとTwitterで呼びかけるなど、オープンな姿勢を見せてきた。呼びかけから2日間で50以上のサービスが作られたが「みんなが作ってよかったねで終わってしまった。サービスが色んなところに載っていてまとまっていなかった」という反省もある。
ネットアクションでは、開発を呼びかけるだけでなく、政府が自らデータを公開したり、ポータルサイトに情報を集約したりすることで、開発者を後押し。民間と協力して開発コンテストを実施したり、ユーザーからの評価が高いアプリやサービスを国が表彰したりすることも計画している。
「これ(ネットアクション)が成功しなかったら日本のオープンガバメントは10年遅れると思ってやっていきたい」――担当者の言葉には、強い決意がにじんでいた。
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