理化学研究所(理研)の研究チームが“内部から外部は見えるが、外部から内部は見えない光学迷彩”を設計する理論を構築しました。

理化学研究所のプレスリリースより
光学迷彩とは、光を自在に曲げる装置を設計・開発することにより、物体や人を光学的に見えなくする技術を指します。これまで提唱されてきた光学迷彩装置は、向かってくる光を迂回(うかい)させることで装置自体を見えなくする一方、装置内に入射する光がなく、装置内から外部を見ることはできないというものでした。
そこで共同研究チームは、光がその進行方向に対して非対称になっているような状況を理論的に実現。フレミングの左手の法則から分かるように、磁場が電子に及ぼす力の向きは、電子の進行方向を反転させることにより逆向きとなります。そこで同様の働きをする力を、光に仮想的に作用させることのできる光学迷彩装置を設計しました。
それにより逆方向から入射した光が、全く異なる曲がった光路をたどることができるようになり、外部からは見えないけれど、内部からは外部を見ることができるという“非対称”な光学迷彩を可能にしているそうです。

非対称光学迷彩(右)では、これまでの光学迷彩同様に外部から内部へ届く光はありませんが、シールド領域内には光が届くため、内部から外部を見ることができます
なお、現在の研究は理論の提案に留まっています。しかしながら、非対称な光学迷彩という研究テーマがまったく新しい人工素材の開発をも促し、理論と素材開発双方が進展することよって非対称な光学迷彩が実現する可能性も十分に考えられます。SF作品で見た世界が、また一歩近づきますね。
(高城歩)
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