「演歌日本一」を掲げ、演歌を推しまくっているレコード店が大阪にある。しかも店頭には黄金の北島三郎……一体どんなお店なのか、訪ねてみた。
その店「あこや楽器店」があるのは大阪北区、日本一の長さを誇る天神橋筋商店街。店頭の黄金の北島三郎の像には「演歌は日本人の心」と書かれた札が下げられており、店名の下には「演歌日本一」の文字。店内にも「演歌専門店」というフリップが。これほど強く演歌をプッシュしている店はほかにあるだろうか。
「演歌推し」の理由は?
店の中に入ってみると、壁際や中央の棚にCD・カセットがぎっしりと並んでいる。壁には演歌歌手のポスターがすき間なく貼られ、カラフルなギターが下げられ、とてもにぎやかな印象を受けた。
同店は楽器店としてギターやウクレレ、三味線といった楽器を販売するほか、演歌、クラシック、ジャズ、Jポップ、洋楽など多様なジャンルのCD、カセットをそろえている。その中で演歌の割合は4割ほどと高い。
演歌は不滅――あこや楽器店の野村茂夫社長は、Jポップの圧倒的なシェアは認めつつもこう語る。「なぜ演歌を引っ提げているというかと、ものすごく根強い力持ってるんでね。日本人の心を歌ったのが演歌なんでね」
演歌の魅力への自信だけではなく、商店街の客層とも関係がある。「通行している人のナリにもよってね、音楽に対する(好みを)大別したら、演歌の人が圧倒的に多いわけですよ。だから演歌専門でやってるわけですね」
幅広い年代の人々が行きかう天神橋筋商店街には高齢のお客さんも多い。演歌に対するこだわりだけではなく、その地域ならではのニーズをつかんだ経営方法でもあるようだ。
店頭の北島三郎像は……?
店頭で黄金の輝きを放つ北島三郎像は、およそ30年前に、レコード会社に設置を求められたとのこと。演歌を多く扱う店でのプロモーション用に、像は10体ほど作られたそうだ。
あこや楽器店のシンボルともいえる北島三郎像だが、北島三郎さんが紅白出場をやめた後、一度「お別れ」の危機があった。
「レコード会社が返してくれ言うてきた。30年も置いてるのだから目標(目印)がなくなると言って断った。だからうちだけにあるんです。日本中にあるのはうちだけしかない。レコード会社も諦めたみたいで返してとは言ってこなくなりました」(野村社長)
野村社長の強い意志であこや楽器店に留まった北島三郎像。これからも天神橋筋商店街の人々に笑いかけるのだろう。
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