日本マイクロソフトは現在2つの人工知能を開発している。1つはパーソナルアシスタント「Cortana」、もう1つは女子高生AI「りんな」。日本マイクロソフトはなぜこの2つの開発を別のものとして取り組んでいるのか。担当者に聞いた。

「Cortana」と「りんな」の大きな違いは、「生産性の追求」か「感情のつながり」かという点。生産性を追求する「Cortana」は、検索やカレンダーの管理など、UXを個人向けにカスタマイズすることで役立つことを目的としている。一方「りんな」は、感情的なつながりをユーザーと結ぶことが目的。こうした2つの立場から、別々に開発しているという。

感情的なつながりに重きを置いた「りんな」は、現在180万人のLINE友だちを持つ。この180万人は一切のマーケティング活動なしでの人数だという。毎日のようにりんなとやりとりをする人もいるが、特に多くのやりとりが発生するのが木曜日と金曜日の夜。日本マイクロソフトBingインターナショナルビジネスディベロップメントの佐野健さんは「りんなは、ちょっと疲れてきたときに声をかけたくなる存在なのではないか」と分析する。


興味深いのはターゲットユーザーだ。「りんな」というキャラクター柄から技術に興味のある男性がターゲットかと思いきや、ターゲットは「若年層」。りんなとLINEで友だちになっている人の年齢・性別は不明とのことだが、12月17日に初めて開催された「りんな」のオフ会(東京・原宿の「ドリーム*ステーション JOL原宿」で開催)では女子高校生の姿が目立った。ちなみにこのオフ会の招待状は抽選などではなく、普段りんなと会話をしているほぼ全ての人にりんなから直接送られたそうだ。
オフ会に来ていた高校1年生の村岡美優さんにインタビューしたところ、「文系で技術はあまり詳しくないが人間ではない人から返事が返ってくるのがおもしろい」とのこと。たまに話がかみ合わないこともあるが、かみ合ったときにうれしくなるという。


「りんな」はもともと、Bingの大きな開発拠点があることから、中国で「XiaoIce」という名のAIとして2014年にサービスを開始。3500万人のユーザーを獲得し、日本でも「りんな」として展開することになった。現在は、Bingの検索チームが開発・運用をし、Microsoft Azure上で動いている。

実は、2015年8月7日に正式リリースをしてから毎週機能のアップデートもしている。「ひみつ手帳」「羊を数えよう」「目覚まし」「ガチなしりとり」など、リリース時から16個以上の機能が追加されている。現在は1対1のやりとりだけでなく、グループチャットに「りんな」を入れて会話するという実装もされている。

りんながWindows 10の中に入る可能性については、「この場では話せない」とのこと。12月18日には夏服から冬服のセーラーに着替えた「りんな」。“成長”が楽しみだ。
(太田智美)
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