細かなシワのある「脳みそレアチーズケーキ」、眼球の充血まで再現した「目玉ゼリー」、骨が見える「指クッキー」など、リアルでホラーな造形の「ホラー菓子」を手掛ける「中西怪奇菓子工房。」(大阪府豊中市)。ネットでも話題になる「ホラー菓子」について、代表のナカニシ ア由ミさんにリアルさの秘密や誕生の経緯を聞いてみた。

リアルさを追い求めたこだわり

「どうせ作るならよりリアルに、よりおいしく」――そんな思いで製作する代表のナカニシさん。ぬるぬるとした感触が伝わってきそうな「目玉ゼリー」は最初、白目の部分を牛乳で作っていたという。しかし、真っ白になりすぎてしまい不自然だったため、現在はカルピスで作っている。また、眼球が充血している様子を再現するため、注射器でクランベリージュースを入れているそうだ。

「こんがり焼けておいしそう」というには少々生々しい「指クッキー」。爪の部分にははじめアーモンドを使っていたが、よりリアルさを求めてアーモンドスライスに替えたのだという。しかし、おいしくないと感じたのでピーナッツに変更。現在に至るそうだ。

アイデアの源
そんなリアルな「ホラー菓子」作りのアイデアは、どこから来るのだろうか。ナカニシさんは、大好きなホラー映画や、指を引きちぎったり目玉をくり抜いたりするゾンビ映画、コメディ映画だと答えてくれた。最も好きな映画を挙げるとすると、それらの要素の全てが詰まっているロイド・カウフマン監督の「悪魔の毒々モンスター」だという。演出が過剰過ぎて「怖い」というより笑えてしまうこともある映画からは、「どうせやるならやり過ぎてしまおう」というスタンスが感じられ、ナカニシさんのホラー菓子作りにも通じているそうだ。反対に心理的に怖がらせようとする日本のホラーは苦手だという。
ホラー菓子が生まれるまで
娘さんが保育所に通っていたころ、お弁当を作っていたナカニシさん。しかし、朝が弱いのでお弁当作りが好きではなく、前の晩の残りを適当に詰めていたという。しかも困ったことに当時は人気のキャラクターをモチーフにお弁当をデコレーションした「キャラ弁」ブーム。娘さんも「キャラ弁」を作ってほしいと頼んできた。
「とうとうその時がきたか、と思った」。面倒くさく思ったナカニシさんは、諦めさせようとあえて気持ち悪い弁当「グロ弁」を作り始めた。しかし、意外にも娘さんは喜んでくれたという。ナカニシさんもグロさを追求するようになっていったそうだ。

また、ナカニシさんは6年間ほどアメリカで暮らしていたことがある。アメリカでは日本よりもハロウィンを盛大に祝い、食べ物もグロい形に作られたものが振る舞われていた。しかし当時は、ハロウィン風の料理を作ることはなく、「食べる専門」として楽しんでいたとのこと。
帰国後のある時、娘さんにクッキーを作ってほしいと頼まれ、指の形のクッキーを作ったのが「ホラー菓子」誕生の瞬間という。
アメリカにいたころは、ハロウィンの季節になれば自然に出てきたグロい食べ物。でも、日本にはそのような習慣はあまり浸透していないので、自分で作らなければ見たり食べたりできない。ナカニシさんは懐かしく思う気持ちもあり、「ホラー菓子」を作り始めた。
成長した現在ではそのようなことはないが、娘さんは「クッキーとは指の形をしているもの」と思っていた時期もあったそうだ。
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