環境省が、絶滅のおそれがある日本の海洋生物をまとめたレッドリストを公表しました。世界的に希少な「オガサワラサンゴ」が国内で絶滅とされたほか、絶滅危惧種に56種が選定されています。

環境省では1991年から陸域、陸水域の野生生物を主な対象に、絶滅の危険性を評価するレッドリストを制作しています(関連記事)が、海洋生物の評価に着手したのは2013年度のこと。今回のリストには、専門家らが4年間かけて検討を行った結果が反映されています。
「魚類」「サンゴ類」「甲殻類」「軟体動物(頭足類)」「その他無脊椎動物」という5つのカテゴリーに分類された約1万種のうち、絶滅危惧種とされたのは計56種。人の手が入りやすい沿岸部や限られた範囲に生息する生物などが多く、西表島以外ではあまり確認されない「ゼブラアナゴ」、小笠原諸島父島に固有の「オガサワラベニシオマネキ」をはじめとした種は、もっとも厳しい「絶滅危惧IA類」に。干潟に生息し全国的に減少傾向にある「ツバサゴカイ」、それを宿主とする「ウチノミカニダマシ」などは、ついで絶滅の危険性が高い「絶滅危惧IB類」とされました。

生息地域の海底の土砂が汚染されていることから、絶滅の危険性が極めて高いと判断

小笠原諸島父島にのみ本種が生息。生活排水などに起因する干潟環境の変化で、個体数が減少しています

かつては全国の干潟にいた生物

「ツバサゴカイ」のみを宿主にしていると見られ、絶滅の危険性が連鎖的に高まっています
国内で絶滅したとされた「オガサワラサンゴ」は1935年に小笠原諸島父島で採取されたものの、ほとんど確認例がなかったサンゴの一種。標本は日本とインドネシアに現存しているのみで、世界的にも珍しい種と考えられています。
なお、今回のレッドリストでは224種が絶滅のおそれについて判断できない「情報不足」に該当。同省は「詳しい情報が得られれば絶滅危惧に判定」される可能性があるとしています。

長年にわたって確認されていなかった「オガサワラサンゴ」は絶滅と判断
(マッハ・キショ松)
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