スーツのようなデザインの作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が3月末に発売され、注目を集めました(関連記事)。清掃・設備・建設業界のイメージを向上させて人手不足を解消したいという思いから生まれたこの製品について、開発元に聞きました。

ワークウェアスーツを開発したのは、水道工事やメンテナンスを行うオアシスソリューションのグループ会社「オアシススタイルウェア」。同製品はスーツのような見た目と、現場作業に必要な機能性を備えている点が特徴となっています。


社長の実家は水道工事店
オアシスグループの関谷有三社長は、実家が水道工事店。父親のことは尊敬していたものの、汚れた作業着を着た職人さんがあまりかっこよく見えず、スーツで働くビジネスマンにあこがれていたとのこと。実家の経営危機をきっかけに水道関連の事業に携わり、業界のイメージを変えたいと思ってきたとしています。「ガテン系でかっこいいと思われる方もいれば、一方で私みたいな感覚を持っている方もおそらくいるだろうなと思います」と関谷社長。
創立10周年を記念して自社の水道工事ユニフォームをリニューアルするに当たって、「職人さんのかっこよさや作業着の機能性を生かしつつ、業界のイメージを変えられるような身だしなみ」を実現したいと、ワークウェアスーツ開発を開始しました。
同製品の開発は、清掃・設備・建設業界の人手不足も背景となっています。同社が総務・人事や転職・就職活動中の人を対象に、これら業界のイメージと作業着について調査を行ったところ、約7割が作業着には3K(きつい・危険・汚い)などをネガティブなイメージを連想させると回答し、転職・就職活動中の人の多くが働きたい服装を「オフィスカジュアル(66%)」「スーツ(46.2%)」と答えたといいます。業界のイメージアップや着用者の意識向上、人手不足解消につなげるという狙いが込められています。

女性社員の一言がきっかけで「スーツ型」に
水道工事ユニフォームのリニューアルに着手したものの、1年かけてもかっこいいものができなかったといいます。つなぎやストリートファッションなど男性目線でかっこいいものを突き詰めていたものの、中途半端なデザインになり行き詰まることに。
そんな中で、ミーティングで人事担当の女性が発した「若者ウケするスーツみたいなスタイルで作業ってできないんですかね?」という一言をきっかけに、「仕事終わりにそのままデートに行けるような服装」としてスーツ型のデザインが決定。
試作では、無理やりポケットを付けるとスマートさが失われ、スマートさを押し出すと機能性が失われるといったように試行錯誤を重ね、サンプルを1年作り続けたとのこと。柔らかく軽量で、水をはじき汚れにくく、自宅で洗っても乾きやすい形状記憶素材「ストレッチアイ」が見つかったことが突破口になったとしています。
サンプルは実際に着用する技術スタッフがフィッティングし、実際に作業に支障がないかどうか半年の試験運用を経て商品化。作業しやすいよう、大容量のジッパー付きポケットや小物をいれるポケット、外での作業時に冷たい空気が入らないようにするためのリブなどを作り、伸縮性の高い素材やカットを入れることで腕まくりしやすくしたり、かがんでも引っかからないように工夫を施したとしています。

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