日本が世界文化遺産に推薦していた長崎県と熊本県の文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」について文化庁は5月4日、登録の可否を事前審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「イコモス」が「記載が適当」とユネスコに勧告したと発表した。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産へ
「潜伏キリシタン関連遺産」は、16世紀にキリスト教が大航海時代を背景に極東の国日本へ伝来し、その後の江戸幕府による禁教政策の中で「潜伏キリシタン」がひそかにキリスト教への信仰を継続し、長崎と天草地方の各地において厳しい生活条件の下に、既存の社会・宗教と共生しつつ、独特の文化的伝統を育んだことを物語る貴重な証拠だとして2014年にユネスコに推薦することを決定(関連記事)。現存する国内最古の教会で国宝の大浦天主堂(長崎県長崎市)をはじめ、島原の乱の舞台となった原城跡(長崎県南島原市)など12資産で構成されている。

長崎市の大浦天主堂(写真は長崎の教会群インフォメーションセンターより)
6月24日から7月4日にバーレーンで開かれるユネスコ世界遺産委員会の最終審査でイコモスの勧告を踏まえて正式決定する。世界遺産委員会による決議は、イコモスの勧告と同じ「記載」のほか「情報照会」「記載延期」「不記載」の4区分で評価され、慣例ではイコモスの勧告の通り委員会で認められる見通し。「潜伏キリシタン関連遺産」が登録されれば、日本では18件目の文化遺産となる。

なお、世界自然遺産に推薦していた鹿児島県と沖縄県の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」については「登録延期」と勧告しており、今回の登録は見送られると思われる。世界自然遺産は小笠原諸島(東京都)など、日本ではこれまで4件が登録されている。
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