京都府警は8月27日、京都アニメーションを襲った放火殺人事件の犠牲者35人の内、実名が未公表だった25人の氏名を公表しました。府警によると、この内20人の遺族は実名の公表に反対だったとのこと。京都アニメーションは同日、代理人である桶田大介弁護士のTwitterを通じ「被害者の実名が公表、一部報道されたことは大変遺憾」と表明しました。
桶田弁護士のTwitter
当初より警察と報道に対し自粛を要請していた
ねとらぼでは同社の意向を鑑み、これまで実名報道を控えてきました。しかしながら、報道に対する自粛要請は理解できるものの、警察発表が原則匿名になってしまうと、社会の透明性や公平性に影響を及ぼす懸念もあります。
また8月27日に公表された犠牲者の内、アニメーター・石田敦志さんの父、基志さんからは、同日行われた会見で次のような発言もみられました。
「そういった意味で、いろんな方が、いろんな思いでいらっしゃるでしょうけど、少なくとも私自身、石田敦志の名前を、これは石田敦志だけではありません。今回理不尽な被害にあったみなさん個々の名前を、あの京都の伏見、宇治、そこでがんばっていたんだ、ということを長く残してほしい」
遺族の意向もさまざまであるところ、メディア側はどのように遺族の意向を確認し、伝えるべき事柄を伝達していくべきなのか、桶田弁護士に質問したところ次の回答がありました。
「節度ある取材対応を行う中で、自ら把握に努めるのが報道の本義であるように思います。会社としては本来、事件に関する過度な報道を望まない立場です。しかしながら、社会常識の範囲において、報道対応に努める必要があるものとは認識しております。会社としては、係る認識及び対応の限度において、報道からお尋ねの事項に関する要請があれば、適宜、対応に努めることを否定するものではありません」
同社は事件後の早い段階で、被害にあった社員について「少なくともお弔いが終えられるまでの間は、弊社より公表する予定はございません」と公式サイト上で表明していました。逆にいえば、親族による弔いが一段落した時点で、今後あらためて犠牲者名を発表する可能性もあります。
桶田弁護士はまた、8月29日に行われた「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」に出席し、11月3日・4日に予定していたファンイベントを追悼イベントに切り替える方向で検討中だと明かしていました。加えて9月6日に公開された劇場新作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝―永遠と自動手記人形―」では、藤田春香監督たっての希望で同社の在籍スタッフ全員がクレジットされるという措置も見られました(※クレジットにおいて犠牲者の特掲はされていません:関連記事)。
桶田弁護士は取材に対し、「当初からお伝えしているとおり、『ご家族・ご親族、ご遺族のご意向を最優先』とさせていただきつつ、『実名と匿名の外、筆名という選択肢もある』と考えている」と前置きした上で、「筆名・実名の公表について、少なくとも当面の間、京都アニメーションから公表されることはないものと思われる」とコメントしました。


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