以前、ハーレーやBMWも、電動ならば大型でなく中免(普通自動二輪免許)で乗れてしまう「日本の二輪免許制度の変な謎」を紹介しました。

簡単におさらいしましょう。バイクの免許は、排気量400ccまでならば「普通二輪免許」(かつての中免/自動二輪免許中型限定)、400ccを超えるならば「大型二輪免許」が必要といったように「エンジンの排気量」で区分されます。
でも、排気量という概念のない電動バイクは車両および免許区分けに法が追い付いていない状況にありました。電動バイクならば、軽二輪/250cc以上のバイクを運転できる免許(つまり、普通二輪免許)があれば、例え大型でも、ハイパワーでも、全てに乗れてしまう状況だったのです。

しかし、というか、これでは危険なので当然なのですが……このいびつな状況はなくなります。免許区分の根拠となっている道路交通法施行規則の一部が2019年12月1日に改正され、「モーター定格出力20kW超の電動バイク」は大型自動二輪車に区分されることになります。
電動バイクの場合は、モーターの定格出力が0.6kWまでならば原付一種区分の車両に乗れる「原動機付自転車免許」、0.6kW〜1kWまでならば原付二種区分の車両に乗れる「普通二輪免許(小型限定)」、1kW超で普通自動二輪車(軽二輪車)区分の車両に乗れる「普通二輪免許」でしたが、今回の改正によって、その上に新たに「20kW超」の区分ができます。1kW〜20kWまでの電動バイクは普通二輪免許、そして20kWを超える電動バイクを運転するには「大型二輪免許」が必要になります。


ハーレー・ダビッドソン初の電動バイク「LiveWire」(関連記事)の出力は約77kW(105馬力)とされるので、20kWは軽く超えるでしょう。もっとも大型バイクにおいて、とくにスポーツ系電動バイクの速さ、特に発進加速の鋭さを考えるだけでも「さすがに運転技術や適正も備えていなければ危険」なので、今回の改正は全くもって正しいといえます。

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