「仕事は楽しいことばかりではない」というのは誰もが知っていること。ですが、業界や職場によってその“楽しくないこと”はマチマチ。外側からは見えない、知られざる苦労も多いことでしょう。
さまざまな職業の方に取材する連載企画「あなたの仕事のグチ、聞かせてください」。今回のエピソードは、ゲームセンターに勤務していたGさんが語る「クレーンゲームのヤバい客」です。
マナーの悪さは「ゲーセンを知らないから」

―― まずは勤務していたゲームセンターについて教えてください。
2015年ごろまで約10年間、地方都市郊外のゲームセンターで働いていました。地域密着型といいますか、熟練のアーケードゲーマーに愛されるような、「古き良き」といった趣のゲーセンでした。
業務時間はホワイトでしたし、導入前のゲームを遊ばせてもらえたりして、居心地がよくて10年ほど勤めていました。
―― 理想の職場に思えますが、どのようなことが辛かったのでしょうか?
お客さまのマナーの問題です。どんなジャンルのゲームにも「ヤバいお客さま」が存在していて、毎日何かしらの対応に追われていました。自分がお店を辞めたのも、嫌がらせじみた行為がエスカレートしたことが大きかったですね……。
―― 例えばどのような人がいましたか。
苦手だったのは、2000年代前半から増えた麻雀ゲームを目当てに来店する中高年のお客さまです。とにかく高圧的だった覚えがあります。ネット対戦がメインのゲームだったので、負けた腹いせに筐体を殴る――のは他のジャンルも同じですが、麻雀の場合は特に話が通じない方が多かった印象です。
アーケード筐体は100万円〜が当たり前の世界です。格闘ゲームを熱心に遊ぶような方は、筐体の値段相場を知っていることが多いので、軽く注意すれば台パンを止めてくれる方がほとんどなのですが、麻雀ゲームの客層はそうした知識に乏しい方がメインなので……。
―― テレビや電子レンジを叩く感覚なのかもしれませんね。もし筐体が故障したらどのような対応になるのですか?
稼働できない間の売り上げも含めて弁償していただきます。ですが話が通じないお客さまは、「絶対に払わない」「俺は悪くない」の一点張りで、「ごねればなんとかなる」と思っているふしがありました。なんとかなるわけがないので、お金を払うように説得したり、警察を呼んだりするのですが、通常の業務をこなす時間が無くなってしまいますから厄介でした。
うちのゲーセンには置いていませんでしたが、メダルゲームや競馬ゲームも似たような事例を聞きます。こうしたタイトルを「ギャンブルの安価な代替品」として遊ばれる中高年の方は多いようです。ちゃんと「この機械はものすごく高いので壊すと大変ですよ」と話せば分かってもらえるのですが、前提となる知識や常識が違うので説明は大変でした。
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