欧州車(特にBMW)やレクサスの上級車種、日産 GT-Rなどに「ランフラットタイヤ」という特殊なタイヤが標準装着されています。お値段は少々張りますが、「パンクしても走れる」のがランフラットタイヤの特徴。普通のタイヤはパンクしたら空気が抜けて走れなくなりますが、なぜそんなことが可能なのでしょうか。

市販車のランフラットタイヤは21世紀に入ってから本格的に広まり始めた比較的新しい技術です。しかし軍用車両やアメリカのレース「NASCAR」などでは古くから使われていました。
軍事用途のランフラットタイヤ(コンバットタイヤ)は二重式、つまり「外側のタイヤが破れても、もう一層あるから形を保てる」という考え方のもので、現在の市販車に使われているランフラットタイヤとは別の仕組みです。

なぜランフラットタイヤは二重になっているわけでもないのに、空気が抜けても大丈夫なのでしょう。その秘密はタイヤの側面「サイドウォール」と呼ばれる部分にあります。
タイヤは空気圧でクルマの車重を支える、風船のようなもの。普通ならば、その空気が抜けてしまったら車重を支えきれずにつぶれてしまいます。
そこでランフラットタイヤはサイドウォールを補強して「空気圧が失われたとしても、サイド補強ゴムがつぶれずに車重を支える」構造を実現しました。ある程度ならば、タイヤの「サイドウォールのかたさ」でクルマを支えて走れるのです。
ランフラットタイヤの考え方は「仮にタイヤの空気圧が失われたとしても、安全な場所まで走行可能にする」です。ISO規格で「空気圧0kPa時に、時速80キロで80キロの距離を走れるもの」と定められており、仮にパンクしたとしても焦らず家に帰れて、ゆっくり修理ができる方法や場所を探せます。
このほか、スペアタイヤの搭載義務がなくなるので軽量化やトランクの広さにつながること。そして、ほとんど使われないスペアタイヤやホイールが不要になるので、省資源化に貢献できるといったメリットが挙げられます。





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