飛行機に乗ると窓の外の景色を楽しむという方も多いはず。フライト中にふと窓の下の方を見ると……。旅客機の窓には、実は小さな穴があいています。


え? 窓に穴があいていて大丈夫なの? と不安になってしまうかもしれませんがご安心を。この穴は「ブリーザー・ホール」または「ブリーダー・ホール」と呼ばれ、意図的に開けられているものです。
旅客機の客室の窓は強固なアクリル樹脂製でできており、基本的にどの機種でも外側、中央、内側と複数層構造になっています。3枚の窓の間にはそれぞれすき間(空気の層)があり、「機内と機外の圧力を調整する役割」を持っています。小さな穴は中央層の窓に開けられています。

上空は地上よりも気圧が低くなります。しかし機内は上空でも人が過ごせるよう地上に近い気圧に与圧されています。そのため、窓や機体には押されるように大きな圧力がかかっています。通常は外側の窓で客室内の与圧を支え、中央の窓にあけた穴によって圧力をうまく逃がす/調整するようになっています。
もう1つの理由は「結露を防ぐため」です。寒い日に窓ガラスが曇るのと同じように、機外は機内よりも温度が低いので、もし窓が1枚だけだったら機内外の気温差で結露して曇ってしまいます。機内の比較的暖かい空気を穴から通すことで、両方の窓の表面温度差を緩和し、曇らないようにする働きをしています。
なお、万が一外側の窓が破損したとしても、中央の窓で与圧を支えられるようにもなっています。機内側の窓はさほど強度を持たず、中央の窓を保護するためのもので、乗客が直接中央の窓に触れることを防ぐという役割があります。
じっくり窓を観察しないとなかなか気付ないくらいに小さな穴ですが、実はとても大切な役割があったのでした。
一部の機種では窓上部の日よけの裏に隠れていることもあるので探しにくい場合もありますが、今度飛行機に乗る機会にこの窓の穴を探してみてはいかがでしょうか。
(大泉勝彦)


コメントランキング
「FNS歌謡祭 第1夜」であなたが良かったと思うアーティストは?【人気投票実施中】(投票結果) | 音楽 ねとらぼリサーチ
今川焼? 大判焼き? あの“円形の厚焼き和菓子”の名前は? 47都道府県別・呼び方の勢力図を公開!(投票結果) | グルメ ねとらぼ
「ベストヒット歌謡祭2025」で良かったアーティストは?【人気投票実施中】(投票結果) | 音楽 ねとらぼリサーチ
2025年「NHK紅白歌合戦」の「白組」出場歌手で楽しみなのは?【人気投票実施中】 | 音楽 ねとらぼリサーチ
岩手県の「おいしいお土産」10選! 一番うまいと思うのは?【人気投票実施中】(2/2) | 岩手県 ねとらぼリサーチ:2ページ目