
【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2021年2月1日)

暖かくなってイロイロと落ち着いてきたら、「遠くへ行きたい」という方も多いことでしょう。
東京駅からサッと、東北・北海道新幹線「はやぶさ」に乗り込めば、約1時間半で仙台、約3時間で青森、そして4時間弱で北海道の大地を踏みしめることができます。
新幹線に乗り込むときは、やっぱり駅弁を買っていきたいですよね。

東京駅をはじめとした「JR東日本フーズ」の売店で販売されている「日本ばし大増」が製造する駅弁の定番「幕之内弁当」(1100円)が、今年(2021年)1月15日からリニューアルされています。
「従来」は、江戸時代の“幕の内”という言葉のルーツとされる歌舞伎風の紙蓋でしたが、今回は時代が下って、明治時代、鉄道草創期の風景がデザインされています。

【おしながき】
- 白飯 梅干し ごま
- 銀鮭の塩焼き(国産)
- きくらげ入り揚げ蒲鉾
- 玉子焼き
- 海老磯辺揚げ
- 軟骨入り鶏つくね揚げ 和風たれ和え パプリカ素揚げ
- 煮物(人参、いんげん、こんにゃく、がんも)
- ひじき煮 グリーンピース
- 青唐辛子味噌

時代に合わせてご飯の量が適正化され、ギュッと美味しさが凝縮された新しい「幕之内」。
今回のリニューアルでは幕の内・三種の神器とされる(焼き魚・蒲鉾・玉子焼き)のなかで、蒲鉾が「きくらげ入りの揚げ蒲鉾」とアレンジされたのが興味深いところです。
また、鶏のつくねが「とりめし」で実績のある軟骨入りとなり、コリコリッとした食感に。
定番を押さえながら、さまざまな新機軸を試みた心意気を買いたい幕の内弁当です。

平成から令和に代わり、2020年代に突入して、これまで当たり前と思われた通勤風景がテレワークにシフトし始め、終電は繰り上がり、旅のあり方も大きく変わってきています。
今回、幕之内弁当の掛け紙が、江戸時代から明治時代へ下ったように、いまの東京も、時代の歯車がガラガラと音を立てて回り始めているようにも思います。
改めて、駅弁は時代を映し出す鏡であると感じさせられるものです。
連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
※新型コロナウイルス感染症、Go To事業、運行状況に関する最新情報は、厚生労働省、内閣官房、首相官邸、国土交通省・観光庁のWebサイトなど公的機関で発表されている情報、鉄道事業者各社の情報も併せてご確認ください




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