背景が全てCGの“バーチャルMV”の作り方をわかりやすく1分にまとめた動画がTwitterに投稿されています。作者は、映像ディレクター、VFXアーティストの涌井嶺(Ray Wakui/@Ray_T6L)さん。自身もドラマーとして所属するバンド「THE SIXTH LIE」のMVを1年かけて個人制作しており、そのメイキングを公開しています。
解説しているMVは、4月に公開されたTHE SIXTH LIEの曲「Everything Lost」。廃墟と化したビル群や、妖しい光に照らされた裏路地などが印象的な映像で、「誰も居なくなった世界」が表現されています。
実際にありそうな場所や廃墟内を歩くシーンもあるので、実写の一部にCGを合成していると思いきや、地面から建物まで、全ての背景が3DCGソフトの「Blender」で作ったもので驚きます。

衝撃の種明かし

この動画を見た後にMVを見るとまた面白いです
完成までの手順は、まずグリーンバックの前で一人ずつ人物・楽器を撮影し、編集ソフトで人物・楽器だけを抜き出す作業があります。動きのある髪の毛やドラムのスティックなどは中々大変そうです。
そして今回のメインとも言える、3Dソフトで背景を作る作業。Blenderの画面を一部公開していますが、細かなアイテム(屋上の室外機など)を一つ一つ設置したり、表面の質感を調整したりと、リアリティーのある“バーチャル世界”が、かなりの時間をかけて作られているのがわかります。ちなみに購入した3Dモデルも使いつつ、映像中で目立つところは涌井さんが自作したモデルを使っているとのこと。
1分のメイキング動画では流れていませんが、ビルが崩壊するシーンは迫力があってかっこいいので必見です。

制作の手順

人物を抜き出す作業

3Dソフトで世界を作っていく作業風景
MVではこのシーンの後の展開も見所となっています
あとは上記の人物・楽器のみのメンバー映像を、3D空間に配置して、“仮想のカメラ”でその空間を撮影します。この部分が言葉だとややこしいですが、涌井さんの「CGの世界に実写を置いてる」という表現がわかりやすいかもしれません。最後は、実際のカメラで撮ったようなボケやブレをあとから足したり、色を調整したりして完成。内容もすごいですが、これを個人で制作しているのがまたすごい……。
なお、今回の試みの背景には「コロナ禍に、世界中どこでもバーチャルロケができる技術を目指して」という思いもあるようです。

CGの世界に「実写を置く」のが面白いところ

この“仮想カメラ”を動かしつつ撮影します

書き出しには想像以上にかなりの時間がかかるようです

細かいけれど大切な調整を経て完成へ

フルCG背景とは思えないリアリティーのある映像
Twitterでは驚きの“種明かし”動画に「えええええ!すっげ!」「お、面白すぎる…」と興奮する声が上がり、「Blenderてこんな使い方もできるんだ」「めちゃくちゃわかりやすいですね!」といった声や「リアルで違和感ない」「かっこいい!」と本編の映像含めて話題になっています。
THE SIXTH LIEのYouTubeチャンネルではMV本編(約4分)、涌井さんのチャンネルではCG背景を合わせる前と後を比較した動画が公開中です。また今回の技術面について興味がある方は、涌井さんがnoteにて「Blenderで実写合成MVを作った記録」を公開しており、失敗や反省点まで詳しく書かれているのでチェックしてみるといいでしょう。
画像提供:Ray Wakui / 涌井嶺(@Ray_T6L)さん
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