旧車・ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル 2022」(幕張メッセ/2022年4月15〜17日開催)に、何と700万円(!)という驚きの値が付いた「マツダ・ロードスター(初代NA型/当時はユーノス ロードスター)」が販売されていました。ひぇぇ、NAもか。うそ、だろー!

オートモビルカウンシルは「自動車文化と歴史を称える、伝えていく」をテーマにした旧車・ヘリテージカーのイベント。一般的なモーターショーとは少し趣が違い、「ヘリテージカー」を扱う全国の自動車販売店もたくさんブースを構えます。その展示車の多くは“売り物”。買う気があれば「その場で商談→買う」こともできてしまうのがこのイベントの面白いところです。
数あるヘリテージカーの中でも負けない輝きを放っていたNAロードスターは、広島の自動車販売店・セイコー自動車によるものです。1台は真っ白ボディーの1.8リッター仕様でお値段600万円、もう1台は見た目は整備途中……? な状態のVスペシャル。お値段は何と700万円!



このびっくり価格はなぜなのでしょう。
理由は聞けば納得、「ばっちりフルレストア済み」の車両だからです。
NAロードスターは2022年4月現在もカーセンサーなどで探せばまだ意外と数があります。例えば同世代のR32 スカイラインGT-R(関連記事)のような「もう絶対無理ー!」なほどヤバい価格にまで高騰しているわけでもありません。もちろん、状態のよい個体はそれなりに高くはなってきていますが……。
セイコー自動車は、マツダのお膝元・広島にあるお店。「ロードスター再生ファクトリー」を掲げ、NA/NBロードスター専門のレストアとメンテナンスを手掛けています。

NAロードスターは、特に日本で使われた個体は「ボディーのサビ/劣化」が“ずっと乗り続けたい人”の大きな課題。エンジン、駆動系、足回りパーツも重要ですが、肝心のボディーがヨレヨレになってしまってはもうあの頃の軽快な走りを取り戻せません。同社のレストアはここの再生・リフレッシュが強みとうたいます。
ちなみにマツダ本家も、乗り続けたいオーナーに向けたNAロードスターの補修・リフレッシュサービス「NAロードスター レストア」を用意しています。メーカー自身によるメーカーならではのレストアサービスをスタート500万円前後から状態・内容に応じて提供します。その半面、受け付けには車体の現状を勘案した条件があり、依頼すれば必ず引き受けてくれるものではないそうです。「これはさすがに困難です……」と泣く泣く断られる理由は「ボディーのサビ、劣化」とセイコー自動車は説明します。

以前、日産自動車がガチな本気を出して伊藤かずえさんの「平成シーマ」を新車同様にレストアしました(関連記事)。あのシーマもそういえばNAロードスターと同世代の仲間。掛かった時間と価格は「約8カ月。参考として、当時の新車価格(約500万円)は優に超えている」。これはPR・CSR活動の一環なので本来そんな金額では全く足りないことも想像できますが、「ホワイトボディー状態までバラバラにしてレストアするコスト」がどれだけ必要かも伺えます。
……というわけで、全部バラしてホワイトボディー状態にして、エンジンや内装、足回りもじっくりていねいにレストアして、さらに30年は元気に走れるほどにまでばっちり再生。これがこの子たちです。

そう考えると、何だかすごくかわいく愛おしく感じてきませんか。また30年は元気に走り続けられる、ある意味幸せなNAロードスター。古い世代や同世代の、価格が高騰しすぎでもう手が届かなくなった名車の数々とともに、NAロードスターも「大切に残していくべき、この価格を支払うべき価値があるヘリテージカーだった」を再認識してしまいました。
あと30年乗れるNAロードスターが欲しい人、以前NAロードスターに乗っていた人は会場に足を運んでぜひ実車をチェックしておきましょう。ピッカピカで感動しますよ。「今乗っているNA/NBロードスターを“再生”したい人も遠慮なくどうぞ!」(セイコー自動車)とのことです。



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