前田公輝×塩野瑛久　「実は轟が転がされていた」小田島のずるいモテテクをネタバレ解説　HiGH＆LOW THE WORST Xインタビュー

　「HiGH＆LOW」シリーズ最新作となる映画「HiGH＆LOW THE WORST X」が9月9日から公開中。高橋ヒロシさん（高ははしごだか）の漫画『クローズ』『WORST』とのクロスオーバー映画第2弾で、鳳仙学園に加えていよいよ“カラスの学校”こと鈴蘭男子高校が参戦しています。

　血気盛んな各種ヤンキーが入り乱れるシリーズ中、周囲とはひと味違う存在感を発揮しているのが、前田公輝さん演じる轟洋介と、塩野瑛久さん演じる小田島有剣。ともに知的な印象がある眼鏡キャラという共通点を持つ一方で、ケンカの実力は作中でも最強クラスというギャップが魅力です。

　ねとらぼでは、公開当日の舞台あいさつ登壇前の前田さんと塩野さんにインタビュー。ネタバレ大いに歓迎というスタイルで、気になる新作での新たな関係や、撮影エピソードを聞きました。

轟と小田島、新たな名コンビ誕生の舞台裏　「われわれも最初に頭を抱えたところ」

　常に明るくスタッフや取材陣にも気さくに接する前田さんに、穏やかで言葉を選びながらも役者としての強いこだわりや作品への思い入れをしっかりと語ってくれた印象の塩野さん。2ショットでの撮影もすっかり慣れたもので、次々とポーズを変えつつ腸活やキャビアと二人にしか理解できない話が弾んでいました。

※　以下の内容は公開中の映画「HiGH＆LOW THE WORST X」のネタバレを含みます

――　今回はネタバレありインタビューということで、まずは映画を見たファンが一番気になったであろう質問からさせてください。轟と小田島の間にいったい何があったんでしょうか？

前田公輝（以下、前田）　（笑いながら）われわれも最初に頭を抱えたところですね。台本見たときに「どういうこと？」と。

塩野瑛久（以下、塩野）　そうですね（笑）。裏話をすると、二人でTHE RAMPAGEのライブにお邪魔したときにはもう仮台本ができていて、そこで初めてちょっと話しました。

前田　「やばいね」と。

――　前作では思いっきり殴り合っていましたが、劇中では釣りという共通の趣味で打ち解けたと説明が。確かにドラマシリーズで轟は釣り好きという伏線がありました。

塩野　轟さんはね。

前田　小田島はいつから釣り好きになったんだろう？　轟に関しては、初登場時の「狩り成功」というせりふに現れているように、狩猟本能を強調する面は昔からあったんです。だから釣りが趣味という設定はもともと納得していた。でも小田島さんはなぜ……どうたどり着いたの？

塩野　そうなんですよね。僕としては、別に小田島が釣り好きでもいいし、釣りなんて興味ないけど轟のことがなんか気になったからちょっとしてみたっていうのも小田島ならあり得るんじゃないかな。正直どっちかなぁと。

前田　轟と友好関係を築くことは変な話、遠回しに鳳仙のためでもある。

　少なからず調べたんです。釣り好きな人は、釣りのどんなところが好きなのか。挑戦してみたい願望や、船釣りへの興味はあっても僕自身やってみたことはなくて。調べるとよく精神統一というワードが出てきた。

　轟は今回の作品ですごく変わったので、その過程で自分の変化への葛藤がきっとあった。そうすると自分を整えないといけない。今の時代っぽく言うならサウナみたいなものですよね。

　轟にとってはそれが釣りだった。ひっそりと仲間との絶妙な距離感や関係を考えていく中、それを落ち着かせるため、釣りは彼にとって本来の自分を取り戻すための行為なのかな。

塩野　“何があったのか問題”に関して言うと、轟が精神統一の意味で釣りをしていたという公輝くんの話を聞いていたら、やっぱり小田島は轟へ近づくために釣りを始めたんじゃないかな。

　というのも小田島はファイトスタイルからして、相手が鉄パイプを使えば鉄パイプで返すし、手錠を使えば手錠で返すタイプで頭のいいやつ。だから相手が水を飲んだら自分も水を飲む、同じことをして距離を縮めようという心理学のやり方を使っている説が濃厚になってきた。

前田　なるほど、ミラーリングか。モテるやつだ！

塩野　そうミラーリング！　それを小田島はやっている可能性がある。

前田　めっちゃ悔しいっすね!!　まんまと、最悪っすわ。

塩野　（爆笑）

前田　すごい嫌だ。轟には絶対伝えないであげてほしい!!!

――　まさかの轟転がされた説が……。

前田　いやー！　そんなことを知ったらまた1人になっちゃう！　やっと周りを信用できるようになったのに……外部ともうまく付き合えるようになったのに……またこもって1人になっちゃう！

塩野　確かに確かに。あんまよくないかもしれない、この説は（笑）。

前田　いや、小田島を作っているアキくんだからこそだよ。マジで轟に言わないでほしい。でもなくはない。

塩野　そう、なくはない。

――　小田島の策略という可能性も否定できない……。劇中では二人の関係について、「会話は特になく一緒にいて楽なだけ」と表現されていましたね。友情の在り方として、理想的とも考えられますがどう捉えていますか？

前田　親友って案外そういうものかも。沈黙も全然気にならないし、僕自身親友とは半年くらい会っていないときもあるけど親友だし。急接近していきなりその関係っていうのは究極かも。

――　ちなみにこれをきっかけに、二人で釣りへ行こうという計画はあるのでしょうか？

前田　アキくんとですか？　プライベートで？

塩野　しなかったですね。でも僕も釣りには本当に興味あります。行きますか？

前田　そうだね、行きますか。ありっすね！　Instagramに劇中と全く同じ写真載せますよ。構図も一緒で。そういえばあの写真、何でか知らないけど100枚くらい撮っているんですよ。

塩野　そう！　めっちゃ撮った！　俺らの中にもこうなんじゃないかって譲れないものがあって。

前田　逆に「大丈夫ですか？　そんなに時間割いてもらって大丈夫ですか？」って面白いくらい。でもうれしいよね。ちょっと出てくるだけの1枚の写真を100枚くらい撮ってくれるほどこだわってくれるのは。

――　お二人で釣りに行かれるときは、ぜひ独占取材の場を！

前田　まじですか！　じゃあ朝から車とか出してもらって。

塩野　ついでになんかご飯とかも。

前田　いいですね、最高！　釣りとかやっぱりいいよなぁ。