ゴジラシリーズを題材にした人形劇番組「怪獣人形劇 ゴジばん」(関連記事)が、YouTube上でじわじわと反響を呼んでいます。「ゴジばん」はいかにして生まれ、なぜ世界的な人気を博しているのか。制作現場を取材しました。

ゴジばんとは――
ゴジラくん、ミニラ、リトルの『ゴジラ三兄弟』が“立派な怪獣”を目指しながら、ゴジゴジ島で仲良く暮らす姿などを描いている「ゴジばん」。
かわいらしいパペットの見た目に加え、ゴジラファンならクスッと来る小ネタもふんだんに取り入れており、既存ファンはもちろんのこと「ゴジばん」をきっかけにゴジラにハマる人も増えているといいます。
シリーズを手掛けているのは、人形劇団アトリエこがねむし。東宝とコンテンツ制作会社AlphaBoatが共同運営する「GEMSTONE」プロジェクトで募集された「ゴジラ」をテーマにした作品として『ゴジばん』のプロトタイプとなる作品を応募したところ入賞し、2019年8月9日からGodzilla Channel ゴジラ(東宝特撮)チャンネルにて配信を行っています。
「アトリエこがねむし」のアトリエに潜入
「アトリエこがねむし」のアトリエにお邪魔すると、入り口では早速“ヘドじい(ヘドラ)”のパペットが代表の小林英幸さんとともに出迎えてくれました。

アトリエには所狭しと「ゴジばん」の仲間たちのフィギュアやパペットが置かれており、大きなものだと4メートル近いパペットがいることも印象的です。




――人形劇なのでてっきり小さいサイズのパペットを操っているとばかり思っていたのですが、こんなにいろんなサイズのパペットたちがいることに驚きました。
小林:「ゴジばん」はアナログ特撮技術を使って制作しているのですが、大きなパペットを使うことで実際に巨大なものを見上げているような動きができるんですよ。小さいパペットを使うとどんなにハイスピードで撮影しても素材のたわみが上手く出ないので、必然的に大きなものが必要になってきます。

また、ライブで「ゴジばん」を実演するときにもゴジラくんとキングギドラが同じサイズではやっぱり迫力が出ないですし、子どもたちには「キングギドラって大きいな!」と思ってほしいので、サイズ感は非常に重要だと思っています。

――小林さんと人形劇との出会いはどのようなものだったのでしょうか。
小林:もともとはイラストレーターになろうと思っていたのですが、「朝日ソノラマ」が出していたゴジラやウルトラマンの特撮ムック本を見てから造形に興味が出始め、しばらくは怪獣の人形を自作して8ミリフィルムで自主制作映画を作っていました。
そんなタイミングで人形劇団が近所にあることと人員募集をしていることを知り、「ここなら造形の仕事ができそうだな」と応募したのがきっかけです。
――運命の出会いですね。人形劇団のお仕事ってどんなことをやるのでしょうか。
小林:私も最初は「職業としてそういう仕事があるんだ!」とビックリしたのですが、入ってみたら造形はなかなかやらせてもらえなくて(笑)。「三匹の子豚」「親指姫」といった定番の作品を演者としてやりながら地方を旅回りする日々が続きました。
正直全く自分がやりたかった仕事ではなかったのですが、子どもたちの反応を見ると「こんな素晴らしい仕事が世の中にはあったのか! これしかない!」と思うようになり、どんどん人形劇の世界にハマっていきました。
――特撮と人形劇との融合はどのように思いついたのでしょうか。
小林:人形劇を始めて3年目からは脚本・音楽・パペット制作を1人で手掛けるようになっていたのですが、ちょうどそのあたりはテレビでウルトラマンもゴジラもやっていない時期だったんです。
そこで「怪獣の魅力を伝えたい!」という思いが爆発してしまい、衝動的に1週間で20体のウルトラ怪獣パペットを作って円谷プロダクションに写真とプロットを送ったところ、直々に「いらっしゃい」と言っていただけて「ちょうどウルトラマン・フェスティバルが近々にあるのでそこで披露してほしい」と依頼されました。これが1993年のことです。1994年からはウルトラマン・フェスティバルにて毎年新作を上演させていただいていました。
――ゴジラのパペットを初めて制作したのはいつですか。
小林:1996年です。「史上最大の決戦 ヒーローフェスティバル'96」という今では信じられない夢のようなイベントがあり、ゴジラ、仮面ライダー、ウルトラマン、ガメラが一堂に出演する「ヒーローマペットショー」を担当させていただいた際に制作しました。
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