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サンシャイン水族館(東京都豊島区)は、新種のエビ「トリノアシヤドリエビ」を発見・採集したと発表しました。採集個体は標本化しており、展示の予定はないとのことです。
サンシャイン水族館は、生物飼育や展示にいかすため、深海についての情報を集め発信することを目的として、静岡県駿河湾を中心に2019年より定期的に水中ドローンを用いた水深200メートル付近の深海調査を行ってきました。
今回発見されたのは、静岡県駿河湾の水深130〜200メートルで水中ドローンによって採集されたウミユリの一種であるトリノアシに付着していたエビ。生きた状態の個体を採集し、千葉県立中央博物館の駒井智幸氏と共同研究を進めた結果、11月3日に新属・新種のエビだとして論文公表されました。エビは、トリノアシに共生していたことから「トリノアシヤドリエビ」と命名されています。


論文:Komai,T. & Sakiyama,H (2023) A new genus and new species of palaemonid shrimp (Decapoda: Caridea), associated with the deep-sea crinoid Metacrinus rotundus (Echinodermata: Isocrinidae), from Suruga Bay, Japan. Zootaxa. 5380(3):227-246
採集された「トリノアシヤドリエビ」の個体は幼体(頭胸甲長1.3ミリ)と、卵を抱えたメス(頭胸甲長3.2ミリ)。深海に生息するトリノアシに共生する十脚類(エビ、ヤドカリ、カニ類を含む)の記録は世界的にも大変貴重な発見なのだそうです。現在、採集された2個体は標本化され、千葉県立中央博物館に収蔵されています。


千葉県立中央博物館 動物学研究科長 駒井 智幸(こまい ともゆき)さんのコメント
トリノアシには共生するエビ・カニ類がいそうだと以前から注目していましたが、網を使った採集方法では途中で逃げてしまうので、なかなか確認できませんでした。今後も水中ドローンを使った調査で新しい発見がされることを期待しています。それにしても、標本が小さく、解剖が大変でした。

サンシャイン水族館飼育スタッフ 先山 広輝(さきやま ひろき)さんのコメント
2019年から水中ドローンで駿河湾の200m付近の深海の調査を開始し、2022年からは水中ドローンにアームを付け、生物の採集にも取り組んできました。
トリノアシをメインに調査、採集をしてきましたが、数回の調査の間に新種のエビが見つかるとは思っていませんでした。2023年2月に採集した個体は小さな幼体で、トリノアシに付着したものを偶然採集できただけでしたが、同年4月の採集でトリノアシを念入りに水中ドローンで調査したところ、トリノアシに付着しているエビの姿を確認、記録することができ、そのまま採集までできました。その結果、トリノアシに共生生活している生態の解明にもつながりました。
改めて、深海200m付近の海域は漁獲や混獲される生物以外の調査があまり進んでいない現状が 浮き彫りになったように思います。今後も水中ドローンを使っての調査を継続して深海の謎を解明していきたいです。

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