若くして家事や家族の世話などを余儀なくされることで、教育機会の損失や生活上の支障をこうむっている「ヤングケアラー」。そんなヤングケアラーの認知度を上げようと、厚生労働省が過去に作成した「啓発ポスター」の文言がSNS上で物議をかもしています。

厚生労働省作成のヤングケアラー啓発ポスターが物議(出典:PIXTA)
武井壮さんを起用したポスター
議論になっているのは、厚生労働省が2022年1月に「ヤングケアラーの理解を深めるシンポジウム」の開催に合わせて作成したポスター。タレントの武井壮さんを起用したデザインで、「家族を支えているヤングケアラーは、かっこいい。でも、一人で頑張らないで、誰かを頼ったっていい」「子どもが子どもでいられる街に」という文言が記載されています。

物議をかもしたポスター(厚生労働省公式サイトより)
ポスターは各都道府県や市区町村に配布され、現在も各地で掲示されているとみられます。こうした中、SNS上では2024年2月25日ごろからポスターの中の「ヤングケアラーは、かっこいい」という文言が議論を呼び、「ズレてる」「実態の矮小化」「美化しないで」「かっこいいなんて思える訳ない」と批判的な指摘が多く集まりました。
ねとらぼ編集部が2月27日、厚生労働省の広報室にポスターの狙いや「かっこいい」という文言を掲載した理由などについて取材を申し込んだところ、「現在、関連業務はこども家庭庁へ移管している」とし、具体的な回答を避けました。
こども家庭庁は「こどもまんなか」をスローガンに掲げ、2023年4月に発足。従来厚生労働省が担っていたヤングケアラー対策も同庁が担当しています。
ヤングケアラー対策を行うこども家庭庁虐待防止対策課の担当者に対しても、同様にポスターの狙いや「かっこいい」という文言の掲載理由などを質問したところ、「こども家庭庁では、令和4年度から令和6年度までの3年間をヤングケアラー認知度向上の『集中取組期間』とし、広報媒体の作成等を通じて、社会全体のヤングケアラーの認知度を向上させる取り組みを推進しています」と回答し、文言についての見解は得られませんでした。
厚生労働省が2020年度に中学2年生・高校2年生を、2021年度に小学2年生・大学3年生を、対象に行った調査では、世話をしている家族が「いる」と回答したヤングケアラーは小学6年生で6.5%、中学2年生で5.7%、高校2年生で4.1%、大学3年生で6.2%でした。
なお、現在こども家庭庁が展開しているヤングケアラーの啓発ポスターには、学生服を着た若者が学校や生活上の不安を吐露するようなメッセージが記載されています。
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