毎日水をかけ続けたら、いつの日かさざれ石(小さな石)に苔がむす(生える)のか? ――「君が代」めいた実験をしているX(Twitter)アカウント、「苔のむすまでチャレンジ(@ishikokemusu1)」が人気を集めています。開始以来1年近く観察を続けている中の人に詳細をうかがいつつ、その軌跡を追いました。

チャレンジを始めたきっかけは、単にどれくらいで苔が生えるのかという興味から。阿蘇の溶岩石をネットで取り寄せ、煮沸して真っさらの状態にしてから観察を始めます。もしも最初から苔の胞子が付着していたら、実験の精度が薄れますしね。

そして2023年6月22日、バルコニーに石を設置してチャレンジはスタート。継続しやすいよう細かいルールは定めず、「雨の日を除いて水をかける」「写真を撮ってXに投稿する」だけを日課として、ひたすら観察を続けます。

出張など、仕事の都合で家を空ける際も、家族に頼んで水は絶やしません。「チャレンジを始めてからは、連泊での旅行はできなくなりました。1泊なら出発前と帰宅時にすれば継続できるので」と、中の人は語ります。
ただ、君が代の「苔のむすまで」とは「長い年月」の比喩であるわけで、苔はなかなか生えずに最初の1カ月ほどは「生の石」が投稿されるのみ。しかし50日目、いよいよ石に変化が到来。苔の原糸体(胞子が発芽したのちに発生する糸状のもの)なのか何なのか、うっすらと緑色が差してきました。

その緑は日々着実に広がっていき、97日目には色味も鮮やかに。そして123日目、ついに苔がはっきりと姿を現しました。「苔の種類はまだ分かっていませんが、もう少しこのチャレンジが有名になったら、専門家に見てもらいたい」(中の人)


一応これで「苔むした」ことにはなりますが、チャレンジはなおも続いて2024年に突入します。200日目を迎えた1月12日には広く注目を集め、フォロワー数も1万人に到達。240日目には3万人、333日目には5万人と、日に日に増加していきました。なんだか、多くの人に見られるほど、苔も豊かになっているような……?

そして6月1日(執筆時点)、チャレンジは341日目に到達。苔は着実に増えながら、石にはまだ苔むす余地があります。中の人は最終目標を特に決めておらず、まずは365日を節目としていますが、「せっかく楽しみにしているフォロワーさんが増えてきたので、もう少し続けていこうとは思っています」と語ります。
反響の中では「さざれ石はいつ巌(いわお)になるのか」と気になっている人が多く、印象に残っている様子。これについては、「どうやったらなるのかも分かりませんし、今生では達成できなさそうです」とのことでした。

協力・画像提供:苔のむすまでチャレンジ(@ishikokemusu1)
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