映画「チョコレート」の演技で、2002年に黒人女性として初めてアカデミー賞を受賞したハル・ベリー。2年後には反対にゴールデンラズベリー(ラジー)賞を受け、私生活では2児を授かりながら父親たちと泥沼裁判を戦いつつ、58歳となった現在まで精力的な活動を続けています。

娯楽映画からインディペンデント映画まで
オスカー受賞後も「X-メン」シリーズでストーム役を再演し、2014までシリーズ4作に出演。アクションスターとしての地位を確立しました。一方で2004年の主役映画「キャットウーマン」は賛否両論を巻き起こし前述のラジー賞最低主演女優賞という不名誉にもつながるも、本人はものともせず、7月には「私は永遠のキャットウーマン」と公開20周年を祝っています(関連記事)。
2005年には、オプラ・ウィンフリーがプロデュースしたテレビ映画「彼らの目は神を見ていた」に出演し、エミー賞にノミネート。その後もスリラー映画「ゴシカ」(2003年)や「フランキー&アリス」(2010年)などのドラマ作品に出演しました。後者の演技では解離性同一性障害を持つ女性を演じ、ゴールデングローブ賞にノミネートされています。
泥沼親権争い
これまでに3度の結婚歴があるベリー。最初の夫は元MLB選手のデビッド・ジャスティスで1993年から1997年まで。2001年に歌手のエリック・ベネイと結婚しましたが、2005年に元夫の浮気が原因で離婚しました。
2013年にはフランス人俳優のオリヴィエ・マルティネスと結婚し、息子のマセオ(2013年生まれ)を授かりましたが2015年に離婚。また、モデルのガブリエル・オーブリーと間に娘のナーラ(2008年生まれ)が誕生するも、2010年に別れた後は養育権や高額な養育費をめぐって法的な争いを繰り広げることに。またマルティネスとも離婚から養育権・養育費の取り決めが決着するまで8年を要しました。

2020年からは、ミュージシャンのヴァン・ハントと交際中。SNSではたびたび関係について言及していて、人生の後半で新たに見つけたこの愛について「充実感があり、深い意味がある」と語っています。
新しいフィールドへ
2014年にはスティーヴン・スピルバーグが制作したSFドラマ「エクスタント」で主演し、宇宙飛行士の役を熱演。このドラマは好評を博し、2シーズンにわたって放送されました。
さらに2020年には映画「ブルーズド 打ちのめされても」で監督デビューを果たし、自ら主演も務めました。この作品は、引退したMMAファイターが再びリングに戻るという物語で、2021年にNetflixで公開され監督としての才能が評価されました。
また慈善活動に積極的で、自身が1型糖尿病を抱えていることから糖尿病への啓発活動に尽力。家庭内暴力にも関心を持ち、ジェネッセ・センター(支援センター)を長年支援しています。
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