もうすぐ学生さんは夏休みでしょうか。うだるような暑さに屋内に閉じこもりたくなってくるころ、じっくり時間をかけて料理に取り組んでみるのもありかもしれませんよ。それがこんなメニューなら、意外さにびっくりして体も気持ちも元気になってしまうかも!
今回紹介する同人誌
『ビストロベジーズ なないろカレーBOOK』A5 24ページ 表紙・本文カラー
著者:神宮寺恵美(Vegee’s)
どの色で作る? 7色19皿のレシピ
こちらのご本は、さまざまな色のカレーのレシピを収めた同人誌です。カレーと聞いてまず思い浮かぶ黄色はもちろん、ホウレンソウやトマトといった素材から想像できる緑や赤、さらには青や紫、黒、白といった、普段のメニューではなかなか思いつかないような色合いのカレーまで、全19種類が掲載されています。完成写真に加え、使用する材料や簡単な作り方も紹介されており、見ているだけでも楽しい一冊です。
インパクトをおいしそうに落とし込む見事な技とやさしさ
ご本のカレーはどれもが「食べてみたいな」と思わせてくれる魅力的な一皿に仕上げられています。色だけでなく、ご飯や野菜も含めた盛り付けの完成度の高さ、スーパーでも見つけられそうな身近な材料、短いながらも要点を押さえた作り方――本づくりからもうかがえる素晴らしい手際のよさに感心させられます。と思ったら、作者さんはお料理のお仕事をされているとのこと。納得の完成度です。
しかし、「色分け」をテーマにしている以上、読み手としてはやはり鮮やかで印象的な色合いを期待してしまうところ。実際には、素材そのものの色を最大限に生かしながら、時には着色料も使われており、「インパクト」や「おいしそう」「食べてみたい」といった気持ちにしっかり応えてくれます。そこには、プロだからというだけではない、作り手のやさしさや配慮が、ご本全体から感じられました。
堅実な料理にふりかけるカラフルさという魅力
カレーという料理は調理実習やキャンプで作る定番で、親しみやすさが抜群です。そこに色をのせると、ふんわり不思議なムードが漂います。おなじみの食べ物なのに、色を決めたレシピを見るだけで、自分でも同じ色に作ることができるかな? どんな味かな? とわくわくした、未知の世界へ連れて行ってくれるようです。
ご本の表紙にある「架空のレストランのレシピブック」という言葉は、どこかファンタジックで、わくわくするような気持ちをかき立ててくれます。一方で、作者さんご自身のコメントによれば、「辛いものがあまり得意ではないので、辛さ控えめで旨味を立たせる」ことを意識してレシピを考案されたとのこと。ですが、なぜ「7色カレー」というテーマに取り組んだのかについては、ご本からは明確には読み取れません。
ただ、過去に『銀河鉄道の夜』をテーマにしたお料理同人誌を制作されていたことを踏まえると、今回のご本でも、料理を通じて不思議な世界へとつながっていくような気配が感じられます。
夏の日、目にも楽しくおいしい一皿をめざしてキッチンに立ちたくなりました。
サークル情報
サークル名:Vegee’s
入手できる場所:メールで問い合わせ orimoto☆oriwipps.co.jp(☆→@)
次回イベント予定:文学フリマ東京41(11月23日)参加予定
今週の余談
夏とカレー、相性よさそうですよね。スパイシーなだけでなく、煮込んだやさしい感じもいいんじゃないかなと思ったりです。
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