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ねとらぼ
2026/01/23 07:15(公開)

「ウォークマン」人気が海外で再燃! 「今の時代こそ必要」「スマホより絶対いい」 なぜあえて“不便な音楽体験”を選ぶのか

 スマートフォンで音楽を聞くのが当たり前になった今、あえてカセットテープをウォークマンに差し込み、再生ボタンを押す若者たちがいます。

 1979年にソニーが発売したウォークマンが今、“レトロなのに新しい音楽体験”として、海外を中心に再び注目を集めています。

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「今の時代に必要なのはこれ」 TikTokで注目のウォークマン体験

 TikTokでは今、ウォークマンで音楽を楽しむ様子を映した動画が次々と投稿されています。

 投稿のコメント欄に並ぶのは、単なる流行や懐古にとどまりません。かつて使っていた世代が懐かしむ声の中に、初めて触れる若者の新鮮な驚きが混ざり合うなど、率直でリアルな反応がたくさん目につきます。

「ウォークマン、私も持ってる!」
「スマホより絶対ウォークマン」
「自分も欲しいと思ってたんだ!」
「ヘッドフォン、カセットテープ、ウォークマン。今の時代に必要なのはこれだよ!」
「自分は、母親が持っていたものをもらって使ってる」
「昔みたいにウォークマンを聞きながら歩く時代が戻ればいいのに」
「今って1つのデバイスで何でもできるし、何でもデジタル化することにウンザリする」
「昔はカセットテープが切れるまで好きな曲を聴いたよね」
「あぁ、80年代が懐かしくてたまらない」

 世代も国も違う人たちが、同じデバイスを前に同じ感情を共有している──この光景こそが、いま起きている現象を象徴しているのかもしれません。

 なぜ今、あえて“不便な音楽体験”を選ぶのか。その背景には、現代ならではの価値観の変化と、日本カルチャーの意外な影響がありました。

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音楽に向き合って聞く時間を取り戻したい

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 SpotifyやYouTubeには、事実上無限とも言える楽曲がそろっています。そんな中、一部の若者は、その便利さに息苦しさを感じはじめてもいるようです。

 曲を数秒だけ聞いてはスキップし、また次へ……。音楽を“流し見”ならぬ“流し聞き”する光景も、今では珍しくありません。

 ところが、ウォークマンとカセットテープのペアはその真逆。再生までには手間がかかり、巻き戻しや早送りも思い通りにはいきません。曲順を変えるのも簡単ではありません。

 ただ、だからこそ音楽と向き合える時間があります。数本のテープを持ち歩き、アルバムを最初から最後まで聞き切る。その体験が、あるいは失われつつある“音楽を聞く時間”を取り戻していくのかもしれません。

「選択肢が少ないからこそ、逆に自由を感じる」

 そんな声が出てくるのも、不思議ではありません。

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“温かい音”と“触れられる体験”が支持される理由

 音質の面でも、カセットテープは独自の存在感を放っています。デジタルの完璧なクリアさとは異なり、わずかなノイズや揺らぎを含んだ音は、「人間味がある」「落ち着く」と感じられることが少なくないようです。

 さらに、テープには“触れる音楽”という側面があります。ジャケットを手に取り、歌詞カードを眺め、A面とB面を意識しながら聞く。音楽が体験そのものになる瞬間です。

 こうした価値観の変化は、アーティスト側にも広がっています。たとえば、インディーズバンドがグッズとしてカセットテープを販売したり、ビリー・アイリッシュやテイラー・スウィフトといった大物アーティストもカセットテープで楽曲をリリースしたりしています。

 カセットテープは、再生するためのメディアであると同時に、「推しへのサポートの形」であり、「手元に残る記憶」でもあるのかもしれません。

日本の「ウォークマン」が、世界で復活した理由

 このアナログ回帰の流れの中で、特に注目されているのが日本製の「ウォークマン」です。1979年、ソニーが生み出したこの革新的なガジェットは、「音楽を持ち歩く」という文化そのものを世界に広めました。

 近年では、海外ドラマ『ストレンジャー・シングス』での象徴的な使用をきっかけに、ウォークマンは再び脚光を浴びました。

 中古市場では価格が高騰し、在庫が1週間で完売するといった例もありました。2010年に生産終了したにもかかわらず、日本製ウォークマンは今も高い評価を受けています。修理品や中古品を探し、あえて使い続ける若者が増えているのも、その証と言えるでしょう。

 かつて日本の日常の中にあった製品が、いま世界で“新しくてクールな文化”として受け入れられています。

 レトロとは過去に戻ることではなく、速さと効率に満ちた時代の中で、立ち止まるための選択肢ではないでしょうか。だからこそ、ウォークマンとカセットテープが、“今を心地よく生きるためのアイテム”として、新しい意味を持って受け入れられているのかもしれません。

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