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ゲーム保存協会の松原圭吾です。今回の探しているゲームソフトは、有名な歴史シミュレーションゲームの『信長の野望』となります。

ライター:ゲーム保存協会

2011年設立。日本が世界に誇るゲーム文化を100年先の未来に残すため、関係する歴史的資料の保護・保存技術の開発や啓蒙、他団体との連携・支援などに取り組む完全非営利の民間団体。本部は東京世田谷の等々力にある。
公式サイト:https://www.gamepres.org/
信長の野望シリーズは、2022年発売のシリーズ最新作『信長の野望・新生』や、スマートフォンで遊べる『信長の野望 覇道』『信長の野望 出陣』など、数多くの続編や派生作品が作られているゲームです。しかし、1983年3月に発売された『信長の野望』の1作目(以下、『信長の野望』(初代))にはサブタイトルがありません。
この『信長の野望』(初代)、かなり有名な作品であるため、今でも手に入りやすいのでは? と思われる人も多いのかもしれません。
しかしその実、収集はとても大変です。1983年の発売から最終の1988年までに20機種のパソコンに移植され、メディア(カセットテープ、フロッピーディスクの種類など)の違いを含めると33種類、ブランドの変更前後のパッケージデザイン違いまで含めると、なんと42種類ものパッケージが存在していたようです(断定的でないのは、全てのパッケージを完全には確認できていないためです)。当協会では、それらすべての機種とバージョンの存在を確認し、保存したいと考えています。
『信長の野望』(初代)の機種とメディアの全貌
まず、どんな機種で発売されていたかを把握するため、当協会で把握している分の各機種メディア別の発売順リストを作成しました。
| ブランド | 発売年月 | 機種 | メディア | 型番 | パッケージタイプ |
|---|---|---|---|---|---|
| 光栄マイコンシステム | 1983/03 | PC-8801 | カセットテープ | E104 | 紙箱 |
| 光栄マイコンシステム | 1983/07 | PC-8001 | カセットテープ | 紙箱 | |
| 光栄マイコンシステム | 1983/07 | FM-8 | カセットテープ | F78E104 | 紙箱 |
| 光栄マイコンシステム | 1983/10 | PC-8801 | FD 5.25インチ 2D | レコード開き紙箱 | |
| 光栄マイコンシステム | 1983/10 | PC-8001 | FD 5.25インチ 2D | レコード開き紙箱? | |
| 光栄マイコンシステム | 1983/10 | FM-8 | FD 5.25インチ 2D | レコード開き紙箱? | |
| 光栄マイコンシステム | 1983/12 | PC-9801 | FD 5.25インチ 2D | 5D028 | レコード開き紙箱 |
| 光栄マイコンシステム | 1983/12 | PC-9801 | FD 8インチ 2D | 8D022 | 大型レコード開きプラ容器 |
| 光栄マイコンシステム | 1984/01 | PC-9801F | FD 5.25インチ 2DD | レコード開き紙箱? | |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | PC-8801 | カセットテープ | NEKN-12024 | プラ容器 |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | PC-8001 | カセットテープ | NEKN-11030 | プラ容器? |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | FM-8 | カセットテープ | FUKN-13010 | プラ容器 |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | PC-8801 | FD 5.25インチ 2D | NEKN-12025 | プラ容器 |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | PC-8001 | FD 5.25インチ 2D | プラ容器? | |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | FM-8 | FD 5.25インチ 2D | FUKN-13018 | プラ容器 |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | PC-9801 | FD 5.25インチ 2D | プラ容器? | |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | PC-9801 | FD 8インチ 2D | NEKN-15010 | 大型プラ容器 |
| 光栄(再装版) | 1984/04 | PC-9801F | FD 5.25インチ 2DD | NFKN-11002 | プラ容器 |
| 光栄 | 1984/05 | X1初代 | カセットテープ | SIKN-16002 | プラ容器 |
| 光栄 | 1984/08 | PC-6001mkII | カセットテープ | NEKN-19003 | プラ容器 |
| 光栄 | 1984/08 | PC-6601 | FD 3.5インチ 1D | NFKN-13002 | プラ容器 |
| 光栄 | 1984/08 | FM-77 | FD 3.5インチ 2D | FUKN-13028 | プラ容器 |
| 光栄 | 1984/10 | X1D | FD 3インチ | プラ容器? | |
| 光栄 | 1984/11 | S1 | カセットテープ | プラ容器? | |
| 光栄 | 1985/03 | PC-9801M | FD 5.25インチ 2HD | プラ容器? | |
| 光栄 | 1985/03 | PC-6601SR | FD 3.5インチ 1DD | プラ容器? | |
| 光栄 | 1985/03 | FM-16β | FD 5.25インチ 2HD | プラ容器? | |
| 光栄 | 1985/03 | IBM-JX | FD 3.5インチ 2DD | プラ容器? | |
| 光栄 | 1985/04 | PC-6001mkIISR | カセットテープ | NEKN-19009 | プラ容器 |
| 光栄 | 1985/05 | PC-8001mkIISR | FD 5.25インチ 2D | NFKN-16001 | プラ容器 |
| 光栄 | 1985/05 | B16/EX | FD 5.25インチ 2HD | プラ容器? | |
| 光栄 | 1985/05 | MSX初代 | カセットテープ | MXKN-11003 | プラ容器 |
| 光栄 | 1985/08 | SMC-777 | FD 3.5インチ 1DD | SMJ-G082D | プラ容器? |
| 光栄 | 1985/08 | MZ-1500 | クイックディスク | SIKN-18001 | プラ容器 |
| 光栄 | 1985/10 | PC-9801U2 | FD 3.5インチ 2DD | プラ容器 | |
| 光栄 | 1986/01 | X1初代 | FD 5.25インチ 2D | SIKN-16013 | プラ容器 |
| 光栄 | 1986/01 | MZ-2500 | FD 3.5インチ 2DD+カセットテープ | SJKN-12001 | プラ容器 |
| 光栄 | 1986/01 | SP250/350 | FD 5.25インチ(不明) | プラ容器? | |
| 光栄 | 1986/01 | PC-8801mkIISR | FD 5.25インチ 2D | プラ容器? | |
| 光栄 | 1986/08 | MSX2 | FD 3.5インチ 1DD | MXKN-12001 | プラ容器 |
| 光栄 | 1986/10 | 2020 | FD 5.25インチ(不明) | プラ容器? | |
| 光栄 | 1987/09 | PC-98LT | FD 3.5インチ 2HD | プラ容器? |
この一覧でも分かるとおり、後継タイトルである『信長の野望 全・国・版』が発売された1986年10月以降も『信長の野望』(初代)は併売され続け、1988年当時の雑誌広告では「移植20機種」と記載されていました。
パッケージのデザインは大きく分けて3種類
「光栄マイコンシステム」ブランドのパッケージ(2種類)
まず1983年3月の発売から1984年の3月頃までは、「光栄マイコンシステム」ブランドのパッケージで販売され、カセットテープ版とフロッピーディスク版の2種類のデザインがありました。
カセットテープ版は外箱に窓が空いていて、箱内の汎用カセットテープケースが見えるようになっており、テープケース内のジャケットがそのまま見えるデザイン。対応機種は外箱に直接印刷されていました。

フロッピーディスク版はこの当時、5.25インチ版と8インチ版が存在しました。このうち、5.25インチ版はディスケットにほぼ厚みがないため、レコード開きの紙箱に収められ、対応機種はそれぞれの機種のシールを表紙面に貼ることによって分けられていました(デザインは後述の8インチ版ジャケットと同じもの)。
8インチディスク版は5.25インチ版の紙箱パッケージに収まらなかったため、レコード開きのプラスチック 容器に紙箱と同じイラストのジャケットを挟んだものとなっていました。

「光栄」ブランドのパッケージ(1種類)
その後、1984年4月以降は「光栄」ブランドとなり、これに合わせてプラスチック容器に全機種で同じデザインのジャケットを挟んだ1種類のパッケージへ統一されました。これに機種別のシール(機種名、型番、定価を印刷)をジャケットの前面と背表紙部分に貼られている構成となっています。

また、「光栄マイコンシステム」時代に発売した機種及びメディアも追加生産分はプラスチック容器に統一されました。
例外として、8インチディスク版は統一されたプラスチック容器に収まらなかったため、大型サイズのプラスチック容器と、他では見られないデザインのジャケットが使用されていました。

探している『信長の野望』(初代)
このように、『信長の野望』(初代)といえども、販売期間が長かったことから、さまざまなバリエーションが存在し、収集するハードルは極めて高い状況です。その中でも当協会が探しているものは、未収集である、
- X1D
- S1
- PC-6601SR
- FM-16β
- IBM-JX
- B16/EX
- SP250/350
- PC-8801mkIISR
- 2020
- PC-98LT
以上の各機種用と、「光栄マイコンシステム」時代のフロッピーディスク版紙箱パッケージのものです。
また、実在が確認できていない機種用のものもあります。FM-11版がそれに当たります。これは当時の雑誌広告に掲載されていたものですが、FM-8版の動作確認が取れたため追加された可能性も考えられています。もし、FM-11専用版またはFM-11対応のシールなどが貼られたパッケージをお持ちの方は、パッケージ写真など情報だけでもお寄せ頂ければ幸いです。
プログラムによる「バージョン違い」もある?
さらにややこしいことに、当時のソフトウェアには外面的なパッケージだけでは判別が付かない、プログラムのバージョンが異なるものが流通しているという現実もあります。そのため「1本所有しているから大丈夫」とはなりません。
当協会では、同一商品(同一タイトル、同一機種、同一メディア)を複数本所持し、プログラムデータを抽出し、比較して2つ以上の同じ結果が得られた場合に初めて、1つのバージョンの保存が完了したこととしています。仮に同じ結果にならなかった時は、(1)バージョン違いである、(2)読み取りエラーが発生している、(3)セーブデータ等の書き込みが発生している、などの可能性が考えられます。
つまり、ゲームソフトを1本だけ入手してプログラムデータが保存できても、そのデータが「正しい」ものかは判断できないわけです。そのため、同じ結果が得られるまで同じ商品を複数本用意して、保存および比較をしています。

商品的には同じものだとわかっていても、複数本入手して同じ結果が出ることを願うあたりは、1本ずつ集める通常のコレクションより過酷なのかもしれません。
こうした分析の結果を経て保存が完了となったゲームは、当協会ウェブサイト内の公式カタログにて完了となったバージョンの情報を含めて順次公開していく予定です。
寄贈および情報提供のお願い
自宅の中で眠っているゲームがもしございましたら、手段の一つとして当協会に寄贈することをご検討いただけませんか? 機種・型番等の情報提供のみでも歓迎です。パッケージやバージョンの細かな違いを判別するため、重複に見えても全ソフトを一本ずつ比較・分析します。純正メディア単体での寄贈もぜひご協力ください。
また、当協会の活動は多数のサポート会員からの会費によって支えられております。もし、目に留まりましたら寄贈やサポート会員登録をご検討いただけると幸いです。
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