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その重さは120キロ超え、絶滅危惧種であり、日本ではほとんどお目にかかれない存在……。そんな“幻の魚”をさばいて食べてみた様子がYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で95万6000回以上再生され、9900件を超える高評価を獲得しています。
120キロを超える幻の巨大魚
動画を投稿したのは、さまざまな海産物をさばいて調理する様子をYouTubeチャンネル「きまぐれクックKimagure Cook」(@kimagurecook)で公開しているかねこさん。以前には、市場で謎すぎる魚と遭遇し、さばいて食べてみた様子が話題になりました。
今回話題を呼んだのは、重さが120キロを超える巨大な“幻の魚”をさばいていく様子です。動画はセミの声が鳴り響く屋外で、フォークリフトに乗せられた謎の巨大魚の姿からスタート。見た目も大きさも規格外なこの魚は一体、どこからやってきたのでしょうか……!?
サメという名がついたエイ
フォークリフトに乗っていた魚は、大きなまな板の上に乗せられました。まな板の横でかがむかねこさんと見比べてみると、この魚が非常に大きいことがよく分かります。
この魚の名前は「シノノメサカタザメ」。120キロ超えの巨大な個体であり、前日に漁師さんから「すごい魚が獲れたぞ」という連絡を受け、かねこさんがプロデュースした海鮮テーマパーク・うお一番に持ってきたという訳でした。
シノノメサカタザメは絶滅危惧種であり、基本的には獲ったらリリースしなければならない魚です。しかしこの個体についてはタコ漁の網の中にいて、揚がった時点ですでに絶命していたため、捨てるしかないという状態でした。そこでかねこさんは専門家に相談し、出所がはっきりしていること、確実に絶命していることから、さばいて食べても問題ないことを確認しています。また完成した動画についても専門家が公開前にチェックし、内容に問題ないことを重ねて確認しています。
この魚は本来、沖縄以南の温かい海域に生息しているため、本州で獲れることはありえない魚なのだとか。しかしありえないことが実際に起きているのが、温暖化が叫ばれる昨今の海なのですね。
なおシノノメサカタザメは「サメ」という名前が付いていますが、実はエイの仲間です。水族館では比較的よく見かける生き物ですが、どんな体のつくりをしていて、どんな味がするのでしょうか。
まずはその体を観察してみると、ヒレには美しい斑点が入っています。また背中や目の周り、鼻に生えている特徴的なまるで恐竜のようなトゲは非常に硬く、石やコンクリートのような質感でした。改めて見ると頭の方はエイ、尾の方はサメっぽく、サカタザメやツノザメに似ていると感じたそうです。
シノノメサカタザメをさばく
じっくり観察した後は、シノノメサカタザメをさばいていきます。「いただきます」と手を合わせてから頭と胴体を分けるべく、包丁を入れると……軟骨なので意外と柔らかく、するっと包丁が入りました。網の中で死んでしまっていたため多少のアンモニア臭はするものの、鮮度はよさそうです。
さばいていると胃袋が出てきたので、恒例行事である「胃袋チェック」をすることに。胃に包丁を入れると悪臭が漂い、かねこさんはもちろん、近くにいた人たちも叫びながら悶絶してしまいます。悪臭と戦いながら胃袋の中身を出してみると、中にはドチザメっぽい魚やワタリガニのふんどし、ウミヘビなどが入っていました。
先程開けた胃に続く、第二の胃袋を開けるとイシガニをはじめとしたカニの殻、イセエビっぽい殻などが出てきました。さらに内臓をチェックしていくと、卵を発見! 不慮の事故とはいえ、卵を持った絶滅危惧種が死んでしまったと考えると、物悲しい気持ちになってしまいますね。
続いて巨大な肝を取り出し、胴体の方をさばいていきます。ヒレはフカヒレとして食べられるらしいということで先に取り外し、胴体はぶつ切りにしました。その身は少々水っぽいように見えますが、意外とおいしそうです。
シノノメサカタザメを調理する
その後はぶつ切りにした身を持ってスタジオに移動、ブロック状にさばいて調理していきます。その身質はかなり柔らかく、包丁に全くと言っていいほど脂が付かないので、脂には期待できないかもしれません。また身がかなり水っぽいので脱水シートに包み、1日脱水することにしました。
翌日。脱水した身の臭いをかいでみるとアンモニア臭はなく、刺身でも食べられそうな状態でした。そのため今回はシノノメサカタザメを使ったお刺身、塩焼き、ムニエルの3品を作り、食べていきます。
実はシノノメサカタザメは時折漁師さんの網に入ってしまい、その後逃がされていることが多いのだとか。しかし網に入った段階で擦れ、死んでしまうという事例もまた少なくないようです。
今回の個体についてはかねこさんの元にきたこともまた運命ということで、責任をもって食べていきます。なお余った身については、知人やスタッフさんが喜んで持ち帰ったそうですよ。
そんな話をしながら調理を進めていくと、まずはお刺身が完成。塩焼きは焼いている途中からカニのいい匂いがしてきて、身は思ったより縮まらなかったようです。続いてたっぷりのバターを使ったムニエルも完成、お刺身からいただいていきます。
絶滅危惧種のお味は……?
まずは何もつけずに食べると臭みは全くないけれど味が薄く、夏のさっぱりとした天然本マグロを半分くらいにした味だったとのこと。続いてワサビと醤油をつけて食べるとかなりおいしく、白身でもサメでもない、マグロっぽいけれど甲殻類の味がするという、不思議な味わいだったようです。
今回の個体はタコ漁をしているエリアにいたので、タコの大好物であるカニもたくさんいたはずです。そのカニをたっぷり食べていたのだろうと考えると、身に旨味があるのも納得できますね。
続いて塩焼きを食べようとすると、盛り付けの時にはなかったはずの水分が大量に出てしまっていました。箸では切りづらいという身を口にしてみると、その味は例えるのなら「めっちゃ柔らかいカニ味の鶏胸肉」という感じで、かなりおいしかったようです。
最後にムニエルを食べようとすると、やはり水分が出てしまっていました。おいしいけれど水分の多さでバターや小麦粉が流れ、塩味だけが残っていてちょっともったいない感じがしたとのこと。脂が少ない魚ではありますが、ムニエルには向いていないのかもしれません。シノノメサカタザメを使った3品を食べ比べた結果、一番おいしいのは塩焼きという結果になりました。
この先の人生でもう食べることはないかもしれない、非常に貴重なシノノメサカタザメをさばいて食べた結果、今まで食べたサメの中でも1位2位を争うほどおいしい魚だったと話すかねこさん。
甲殻類の風味や旨味が露骨にやってくる非常に珍しい味だけれど、水分が多いので調理が難しいこともわかりました。マンボウに近いくらい水っぽいけれど旨味が薄いわけではない魚なので、もしかしたら鍋やスープ系に向くのかもしれません。
なお冒頭でも説明がありましたが、シノノメサカタザメは絶滅危惧種となっている魚です。今回の動画はシノノメサカタザメの捕獲を推奨するものではなく、あくまで「捨てるくらいであれば食べよう」という意図であり、調理から動画の公開まで専門家による確認が行われています。
「古代から生きてそう」「貴重」と反響
動画には「びっくりしました」「貴重」「めっちゃ気になる」「いわゆる死滅回遊魚でも無いだろうしこんだけでかいと潮に流されたも無いだろうし自分の意思で来たんだろうなー。ほんと生態系が変わりまくってるんだな」「初めて見たなー。面白い形してるわ。古代から生きてそうな造形」「改めて地球温暖化を感じる動画をありがとう」「わりかし貴重な資料動画になりそう」などの声が寄せられました。
かねこさんは、さまざまな魚を釣ったりさばいたり調理したりする様子をYouTubeチャンネル「きまぐれクックKimagure Cook」(@kimagurecook)の他に、X(@Kneko__)でも公開しています。
「きまぐれクックKimagure Cook」動画まとめ
動画提供:YouTubeチャンネル「きまぐれクックKimagure Cook」(@kimagurecook)
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