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小型コンピュータと生成AIを組み合わせたシステムに、バジル栽培を全て任せてみる動画がYouTubeに投稿されました。動画の再生数は記事執筆時点で4万9000回を超えており、1200件以上の高評価を獲得しています。
水を適切なタイミングで与えてくれるシステム
動画が投稿されたのはYouTubeチャンネル「1R農園 / ワンルーム・ベランダで始める家庭菜園」。農家として独立すべく奮闘している投稿者さんが、現場で学んだ栽培のコツや電子工作で栽培作業を自動化・省力化する工夫などについて発信しています。
そんな投稿者さんは自宅のベランダに家庭菜園を設けていますが、植物を育てる中で問題になるのが水やりをうっかり忘れてしまうこと。気温が高くなってくると1日に行う水やりの回数も増えるため、適切なタイミングで水を与えてくれる全自動のシステムを構築できないかと考えました。
要となるのは、Open AIが開発した生成AIモデルの中でも安価に利用でき、画像認識も可能な「GPT-4o mini」。同モデルと手のひらサイズのコンピュータ・ラズベリーパイ(以下、ラズパイ)、Webカメラ、ポンプ、水入りバケツ、ポンプを制御するためのマイクロコントローラー・ESP32を組み合わせて水やりシステムを構築します。
あらかじめ組んだプログラムに従いWebカメラでバジルの写真を撮り、ラズパイを経由してGPT-4o miniに画像データとして送信。そのバジルの画像をもとに水やりを行うかGPT-4o miniが判断し、内容をラズパイに返信します。
この際に「水を与える」という判断が下った場合は、ラズパイがESP32に指示を出し一定時間ポンプを動かして水やりを行うという仕組み。合わせて、GPT-4o miniの判断内容を画像付きでLINEに送るよう設定しておきます。
システム構築とテスト
組み立てた金属ラックの下段に水入りバケツとバジルの鉢、上段にラズパイやオートフォーカス機能付きのカメラを配置し、各機器を接続。今回は屋内で栽培するため、太陽の代わりにLEDライトも用意しました。15分間隔で電源を制御するタイマーとつなげて、日中だけライトの光を照射するようにしました。
PCでラズパイの設定を行った後にポンプを動かしてみたところ、1秒間に3ミリリットルの水が出ると分かりました。この情報も事前にGPT-4o miniへ与えておきます。それから5日後には水量の調整も終わり、ついにプログラムが完成しました!
視聴者への説明も兼ねて、強制的に給水できるかテスト。カメラのフォーカスを合わせていることを示すスコアや、動作状況を伝える文章がPCの画面に次々と表示され、指定した通り30ミリリットルの水がチューブを通してバジルの鉢に注がれました。LINEには通知が届いており、ラズパイ内には動作履歴がしっかりと記録されています。
直近6件の動作履歴と画像データを使ってGPT-4o miniに判断させるのは1日5回。再び確認も兼ねて本番用のプログラムを実行すると、撮影した写真とともに指定のフォーマットで結果が出力されました。今回は「土壌に潤いが見られ、給水は不要と判断」したと伝えています。なお、1回の利用料金は約0.59円とのこと。
バジル栽培スタート!
そして2026年5月24日に全自動システムを使ってのバジル栽培がスタート。投稿者さん自身はここからしばらくの間、バケツ内の液体肥料入りの水を交換する作業だけ行います。
開始から1週間後の5月31日には元気な姿を見せていたバジルでしたが、6月5日には葉がしおれてしまいました。全自動システムはまだ一度も水やりをしていないとのこと。人間の判断なら水を与えるところですが、GPT-4o miniはなかなかスパルタな管理方針をとっているようです。
そして6月7日にようやく給水。この日は何度か水を与えたそうで、しおれていた葉が8日の朝には無事に回復しました。しかし、水やりをしない期間がまたも続いて13日には再びしおれてしまいます。画像データを通じて「バジルの状態」「土の乾き具合」をGPT-4o miniに伝えていますが、どうやら土の表面は判断材料として使うのに“微妙”な様子。少し元気がない程度では水を与えてくれません。
水やりの判断を下すのが全体的に遅く、25日には土の中までカラカラの状態に。バケツの水が通るチューブには藻らしきものが発生してしまいます。
しかし、不安定な状況から一転。ある時期を境に全自動システムはしっかり水やりを行うようになりました。しおれていたバジルも元気になり、スタートから2カ月近くが経過した7月28日には画面に収まりきらないほど長く、大きな株へ成長しました!
投稿者さんは、水やりの頻度の増加はバジルの成長具合と関係があるのではないかと推測。カメラと物理的に近くなったことで葉の状態をシステムが認識しやすくなった一方、判断材料としてイマイチな土の表面は見えにくくなったため、「乾燥しているから水やりを実行しよう」と判断するようになったのではないかと考察しています。
これ以降は同じ結果が続きそうなため、実験は7月28日をもって終了。藻が発生するのを防ぐためチューブは黒い物を使うなど、改良の余地がたくさん見つかりました。画像だけでGPT-4o miniに判断させるのは難しそうなため、水分や重量を測るセンサーをシステムに組み込んでその数値も判断材料として渡すなど、今後は別の方法も試してみるそうです。
「ズボラな私にピッタリの面白い実験」「おもろすぎる」と反響
ラストはバジルの成長過程を収めたタイムラプス動画で締めくくられている今回の実験。コメント欄には、「ズボラな私にピッタリの面白い実験でした」「タイムラプスの死→復活のループおもろすぎる」「バジルの強さに驚きました」「葉っぱがカメラに近づいて精度が上がったという結果は目からウロコでした!」「家庭菜園で野菜工場みたいなのするのめちゃ面白い」といった声が寄せられています。
投稿者さんは、X(Twitter/@1r_farm)とInstagram(@1r_farm)も運営中。YouTubeチャンネルでは、ベランダで植物を育てる際の注意点や、現場で学んだ本当に使える栽培のコツを公開中です。
「1R農園 / ワンルーム・ベランダで始める家庭菜園」動画まとめ
動画提供:YouTubeチャンネル「1R農園 / ワンルーム・ベランダで始める家庭菜園(@1r_farm)
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