中国オンラインゲーム産業に見る、インタラクティブメディア飛翔への道(前編):アジア オンラインゲーム カンファレンス2005
開催が迫る「アジア オンラインゲーム カンファレンス2005」。中国市場に詳しい中村彰憲・立命館大助教授に、同市場の現状や成功企業の取り組みを解説してもらった。
2月28日から2日間、「アジア オンラインゲーム カンファレンス2005」(主催:ブロードバンド推進協議会、後援:経済産業省、コンピュータエンターテインメント協会)が開かれる。急速に成長するオンラインゲーム市場を対象に、国内外から参加する著名な経営者や研究者による多数のセッションが予定されている。
その一つのパネルディスカッション「日中コラボレーションで賭ける日本ゲーム開発者、中国進出へのシナリオ」を取り仕切る中村彰憲・立命館大学政策科学部助教授に、中国オンラインゲーム市場の現状や、成功企業として知られるNetease(網易)の取り組みについて寄稿して頂いた(前・後編2回掲載)。
依然として盛況を誇る、中国オンラインゲーム産業
「中国オンラインゲームが熱い!」──ゲーム、特にオンラインゲームに興味がある人たちは既にこの言葉は何度も耳にしていると思う。はたして実際はどうなのだろうか?
IDC/CGPAの発表によると、2004年度のオンラインゲーム産業規模は24.7億元(約321.1億円)と、昨年の同機関が発表した13.8億元(179.4億)と比べ、倍近くに成長しており、2001年以降、依然として急激な発展を続けている。
2005年1月のCNNIC発行のデータでは、現在、中国のネチズン人口は9400万人といわれ、内ブロードバンドユーザが4280万人とのことだ。ただし、これは各家庭にブロードバンドネットワークにつなげられているというわけではなく、ブロードバンドネットワークにつながっているPCを使用しているということなので、一概にはブロードバンド大国になったとは言いがたいが、それでも高速アクセスで様々なコンテンツを楽しむ中国の姿が浮き彫りになったと言える。
注目のゲームプレイについてだが、同白書では、15.9%の人がインターネットの使用用途の一つとしてゲームを挙げている。この数値は、IDC/CGPAが中国遊戯産業年次会で発表した2000万人強という数値とは乖離しているため、1500万から2000万人の間で上下している、と考えたほうが妥当と言えよう。いずれにしてもオンラインゲームが中国という土壌においてエンターテイメントとして定着したと結論づけても問題はないように思える。
中国オンラインゲーム産業を牽引した盛大ネットワークのビジネスモデル
中国オンラインゲーム産業発展の軌跡の特徴として、まず挙げられるのが、「韓国産を主とする海外で開発されたコンテンツ」と「中国国内で設立されたオンラインゲーム運営専門業者」とのコラボレーションである。
最も顕著な例は、盛大ネットワークの「傳奇」だ。韓国のWemade開発/Actozパブリッシュの「Legend of Mir2」を中国向けにカルチャライズした上で盛大が中国国内での運営代理店を獲得。01年9月のオープンβより爆発的な人気を得て、急激な成長を遂げた。
盛大ネットワークはは2004年5月のNasdaq上場、その後11月までに「Mir2」の版元であるActozなど複数のコンテンツ企業の戦略的買収により、いまや中国最大のコンテンツ開発人員数を誇る。その後今月19日に中国最大のポータルサイトであるSina.com(新浪)の筆頭株主になったことからも、盛大ネットワークは、オンラインゲーム運営専門企業から、コンテンツビジネスの総合マネジメントサービス業へと移行しつつある状況がうかがえるが、初期における「傳奇」の成功がこれら一連の事業活動の根源的な原動力となっている。
この他にも韓国Webzenの開発した「MU:奇跡の大陸」の運営を成功し、現在は米国ブリザード社「ウォールド・オブ・ウォークラフト」の中国における運営代理権を獲得、2004年12月に同じくNasdaq上場を果たしたナインシティも同様だ。いずれも、中国市場を熟知した運営業者が市場の需要を理解し、それらに直接的に訴求するように海外で開発されたオンラインゲームをたくみにカルチャライズして成功したという図式をうかがうことが出来る。
ただし、このような状況に対して中国の行政当局は懸念を抱いているようだ。オンラインゲームのポテンシャルを目の当たりにした行政は、やはり国産ゲームを核とした上での産業発展を望んでいるのだ。その意向を反映した政策が新聞出版総署が2004年に打ち出した「中国民族オンラインゲーム出版工程プロジェクト」だ。優れた国産ゲームで中国民族の古典や、文化をテーマの主軸としたオンラインゲームを「中国民族ゲーム」と認定する制度である。同年現在で21ゲームが認定されており、行政としては、以後5年間で100ゲームを民族ゲームとして認定することを目標としている。
だが、現実は厳しい。「大衆ソフト」2005年01号に掲載された「2004年度中国遊戯産業報告書」によると、2004年時点で稼動中の164サービスのうち、香港ならびに台湾製を含め国産とされたゲームサービスが全体の44%を占めるに至っている。しかし、2005年1月19日の「第1回中国遊戯産業年次会」で発表された2004年度の中国10大オンラインゲームのうち、国産ゲームは4作しか選出されなかった。このように例え国産ゲームが今後増加していっても、それぞれが必ずしも人気のあるゲームになるかというと疑問が残る。
国産ゲームで成功を続ける総合ポータル「網易」(Netease)のオンラインゲーム運営業者としての実力
このような中、国産ゲームを中心に成功を収め続けた企業がある。「網易」(英語名Netease、以下Netease)だ。Neteaseはオンラインゲーム産業の中で、次の二つの面が特異である。まずは、同社は総合ポータルサイトのグループ企業であること。もうひとつが、口コミを中心に序々に人気が定着していった事だ。
Neteaseが運営する「163.com」は、新浪、捜狐、China.com、Yahoo中国などと並び、中国で最も人気のある総合ポータルサイトの一つだ。現在、この中でも新浪は、NCソフトの「リネージュ」シリーズを、捜狐は、韓国産の「騎士オンライン」ならびに国産「刀剣オンライン」を運営しているが、Neteaseはこれらの企業に先駆けてオンラインゲームの運営に着手し、成功した企業だ。
2004年度の10大ゲームに選出された4つの国産ゲームのうち、西遊記をモチーフとしたMMOG「大話西遊IIオンライン」(以下「大西」)ならびに同じく西遊記をモチーフとしながらもキュートなキャラクターが売りの「夢幻西遊」の2作品がNeteaseにより開発、運営されている。
03年の同社年次報告書では、総収入約5億6900万元(73.97億円)のうちの35.7%に当たる2億300万元(26.4億円)がオンラインゲームからということだ。当時は「夢幻西遊」がオープンβの段階であり、「大西」の同時接続者数の平均が12.5万人強といった状況だった。にもかかわらず、既に総合ポータル企業であるNeteaseにおいて、オンラインゲーム事業はもっとも重要な事業部という位置付けを確立している。
04年はそれがより顕著になった。総収入約9億元(117億円)のうち、65%程度に当たる約6億元(78億円)をオンラインゲームサービスの売り上げが占める。これは、オンラインゲームサービスを進めている他の総合ポータルサービス業者と比較しても非常に特殊な例であると言える。同社のポータルとしての原動力がオンラインゲームサービスにあると言っても過言ではないぐらいの勢いだ。
*本編はアジアオンラインゲームカンファレンス2005事務局の協力により執筆されています。
中村彰憲氏は立命館大学政策科学部助教授(国際経営、組織論、経営戦略)。主な著作に「中国ゲームビジネス徹底研究 2005」(エンターブレイン)、「2003年中華圏ゲーム産業リポート」(「2004年テレビゲーム産業白書」メディアクリエイト総研編)、「2004年に来るか?オンラインゲーム飛躍の年」(「日経キャラクターズ!」日経BP)など。ブロードバンド推進協議会オンライン専門部会副部会長を務める。
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