ちっちゃいけど大人向け――「ちびたまごっち」の大戦略
「ちびたまごっち」は、学生時代、初代たまごっちにハマったOL層に、新しいたまごっちシリーズを認知してもらうための戦略商品だ。
「初代たまごっち世代の人たちに振り向いて欲しくて」――バンダイが4月28日に発売する「ちびたまごっち」のターゲットは、初代たまごっちのメインユーザーだった20代半ばのOLだ。昨年発売した「かえってきた!たまごっちプラス」シリーズで取りこぼしたOL層をカバー。たまごっち復活をアピールする。開発・販売戦略全体は、「CTO」(チーフたまごっちオフィサー)が統括。大量の在庫を抱えて経営を圧迫した初代の二の舞を演じぬよう、生産・販売ペースを慎重に決めていく。
初代たまごっちが発売されたのは1996年。当時の女子中高生――今の20代半ば――に人気となり、合計4000万個を販売する大ヒットとなった。たまごっちが“復活”したのは、8年後となる2004年。「机の奥から偶然初代たまごっちを見つけたので、ひさしぶりにやってみたら楽しかった」――そんな話を数人から聞いたのがきっかけだったと、ちびたまごっち開発者のトイホビーカンパニーガールズトイ事業部オリジナルチーム村瀬和絵サブリーダーは振り返る。
「せっかく復活させるのだから新たな機能を追加しよう」と、たまごっち同士の通信機能を付加。第1弾の「かえってきた!たまごっちプラス」を3月に、携帯電話との連携機能も加えた「祝ケータイかいツー!たまごっちプラス」を11月に発売し、国内累計で250万個を出荷するヒットとなった。しかし「メインユーザーは、小学生とその母親」。初代たまごっちにハマったOL層にアプローチできていないという課題が浮かび上がった。
調査した結果、OL層は、たまごっちが復活したことすら知らない人が多いと分かった。また、仕事が忙しくて世話する時間がなく、たまごっちがすぐに死んでしまうという声や、ミニゲームは携帯電話の内蔵機能で十分、という意見もあったという。
OLに振り向いてもらうため、まずサイズを小さくし、携帯電話のストラップとしてアクセサリー感覚で使えるようにした。「携帯電話とたまごっちを別々に持つのは面倒だが、携帯電話の近くに常に置いておけば、自然に持ってもらえる」。“ストラップサイズ”にするため、「おもちゃとしてはかなりアクロバティックに小さくした」。サイズは初代の3分の2の、35(幅)×18(奥行き)×40(高さ)ミリ。デザインは、初代ユーザーに懐かしんでもらえるよう、あえて昔のものと同じにした。
初代たまごっちは、8つのコマンドからお世話の種類を選ぶ必要があったが、ちびたまごっちはボタンを押せば、今やるべきお世話が2択で出てき、どちらかを選ぶだけでお世話完了。ちょっと世話をサボっても簡単には死んでしまわないようにし、手軽に遊べるようにした。
販売はコンビニと、一部の雑貨店に限定する。たまごっちシリーズの主要販売チャネルだった玩具店ではあえて売らず、OLが足を向けやすい場所に的を絞った。値段も「1500円や1300円では、コンビニで気軽に手にとってもらえない」ため、1050円(税込み)に抑えた。
「1度プレイすると、面白いと感じてもらえる」――ちびたまごっちを契機に、OL層にたまごっちシリーズの復活を知ってもらい、たまごっちプラスや、今後発売する新作の拡販につなげたい考えだ。ちびたまごっち購入者向けに、抽選でたまごっちプラスをプレゼントするキャンペーンも実施。セブンイレブンでは、ちびたまごっちと一緒にたまごっちプラスの限定バージョンを販売し、新しいたまごっちシリーズをアピールする。
「CTO」が戦略統括、初代の二の舞防ぐ
初代たまごっちは、偽物が出るほどの大ブームになったものの、ブーム後期に過剰な在庫を抱え、同社の経営を圧迫した経緯もある。村瀬さんは「過去の反省を生かし、需要予測は正確に行うようにしている」と話す。
たまごっち復活にあたり、同社は幹部1人を「CTO」(チーフたまごっちオフィサー)に任命。月1回の「たまごっち会議」で各部署の担当者を一同に集め、戦略全体を統括する。「たまごっち会議には、開発、営業担当から知財担当まで集まり、販売状況やユーザーの反応、ライセンス管理の情報などを報告し合う」――開発・生産担当者が、販売状況をリアルタイムで把握できるようになり、過剰在庫をかかえるリスクを低減できたという。
現在村瀬さんは、次のたまごっちシリーズを企画中。「携帯電話との連携をやってしまった後だから、新たなアイデアを出すのが難しい」としながらも、面白いたまごっちにしたいと意気込む。
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