板垣伴信氏も緊急参戦――デッド オア アライブ アルティメット ワールドワイドトーナメントが開催
日本では2005年4月に代表決定戦が行われたが、当初の予定通り、世界7カ国の代表ユーザーを集めての世界大会が開催された。とは言え、都合により参加したのが実は6カ国。この情報を打開すべくひと肌脱いだのはあの方だったりするわけで……。
2005年5月18日(米国時間)、マイクロソフト主催の元、「デッド オア アライブ アルティメット」の世界大会「デッド オア アライブ アルティメット ワールドワイドトーナメント」が開催された。
こちらには台湾、シンガポール、メキシコ、カナダ、アメリカ、オーストラリア、日本の世界7カ国の代表が8人集められ(日本が2人)、それぞれの国の威信と、何より己のための戦いが繰り広げられた。
と言いたいところだが、実は本選を開始するに当たって、急遽カナダの代表者が欠場するというアクシデントが発生してしまった。トーナメントということもあり、出来ればシードを作るような事態がないように祈っていたのだが、ここでひと肌脱いだのが、ご存知「デッド オア アライブ」シリーズのプロデューサー・板垣伴信氏。
半ば強引にクジに入れられていたような気もするのだが、板垣氏は快く大会へと参加。なお、板垣氏は何と1回戦第1試合に登場した。相手はアメリカ代表だったが、元を作った本人であることから、かなりの善戦となることを期待していた。しかし、そこはやはり国を代表してきた選手たち。板垣氏は手も足も出せずに敗退を喫してしまった。
その後も大会はハイレベルな試合が展開する。日本からは柳澤悠一氏と、ZIGZAGRMXさんの男女各1人づつが代表として選ばれていたが、どちらも順調に1回戦を突破するなど、日本のレベルの高さをしっかりと証明してくれた。
そして迎えた決勝戦。日本代表・柳澤氏は序盤にペースを握られる試合が続くものの、逆境への強さを見せ付けた逆転勝利により決勝進出を果たしていた。対するは、1回戦で板垣氏を破ったアメリカ代表。弔い合戦とも言える試合だけに、柳澤氏にはぜひ勝ってもらわなければ。
決勝の状況を説明すると、5本勝負にて、アメリカ代表が先に2本を先取するという、幸先の良いスタートを切る。しかし、ここまで逆境を跳ね返してきた柳澤氏。この後、まさに奇跡と呼ぶに相応しい強さを見せ、見事「デッド オア アライブ アルティメット」の世界チャンピオンの称号を獲得したのだ。
早速優勝の喜びの声を聞こうと駆け寄ってみると、「日本のトッププレイヤーたちに激励を受けていたので、勝たなきゃいけないという義務みたいなものがありました。疲れたし、何より緊張から6割くらいの力しか出せませんでした」とのコメント。
6割の力で優勝? それは一体どういうことなのかと尋ねてみると、「日本のレベルは高いんです」と非常にあっさりと、きっぱりと語ってくれた。
なお、最後に「デッド オア アライブ」(ゲーム)を巧くなるコツについて尋ねてみたのだが、「自分は動体視力が弱いので、動きを見てからでは遅い。だから事前に仕込んでおくことが大切なんです。天才じゃないですよ、努力して練習すれば、きっと世界一にはなれると思います」とのこと。
才能は確かに大事ではあるが、それだけでプレイができるわけではないということだろうか。いずれにせよ、本年のE3にてXbox 360での発売が発表された「デッド オア アライブ4」を含め、本シリーズが世界中から受け入れられ、格闘ゲーム界の流れを作ることができる、数少ないタイトルであることが再確認できたと思う。
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