ピポサルが生み出す化学反応――爽快感あふれるタイトルには夏がよく似合う(2/2 ページ)

» 2005年07月25日 09時00分 公開
[卯月鮎,ITmedia]
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シリーズの基本をパワーアップさせたアクション

 次に、ゲームのメインとなるアクションだが、サルゲッチュにおけるそれは、静と動のリズムを持つ。基本的にステージの構成は、フィールド上の仕掛けとこちらを狙う敵、という、3Dアクションとしてはオーソドックスなスタイル。だが、そこに“ピポサルをゲッチュする”という行動が入ることで、化学反応が起こる。

 ご存じの通り、ピポサルを捕まえるときは、いきなり真正面から飛び込んでいっても逃げられることがほとんど。そこで、ほふく前進や忍び足で近づき、間合いを計って一気に勝負することとなる。この“1対1の緊張感”が、プレイをグッと締める。

 ステージ上には「スポーツカー」や「ロボット」、「ボート」に「タンク」といったさまざまな乗り物が待機する。「仕掛けのクリア」、「サルのゲッチュ」、「乗り物の操作」、この3つの要素が交互に組み合わさることで、長いステージでも飽きさせない。本作でも、そのステージ構成は巧みのひと言。1ステージの中で“いかにプレーヤーの興味を引くか”が計算されている。

 また、各ステージに入る前には、ほとんどといっていいほど新たな「ガチャメカ」か「変身キャラクター」が手に入る。これも単調に思わせない秘訣だ。シリーズ伝統のガチャメカは、サルをゲッチュする「ゲットアミ」や、サルのいる方向がわかる「サルレーダー」、小さな隙間にも入れる「メカヨンク」など、今回は8種類になった。

 一方、変身は本作からの新要素。主人公たちはバケルエナジーを消費することで、30秒間いろいろなキャラクターに変身できる。炎や攻撃をガードできる「ファンタジーナイト」、タマを連射できる「ワイルドウエストキッド」、カベ走りやムササビの術など、変わった技を持つ「ミラクルニンジャ」、マラカスを振り、マジンを操る「マジンダンサー」……全7種類のキャラクターは見た目も楽しいうえ、それぞれ必殺技があって、ステージ攻略も楽になる。

 一部のキャラクターを使うと、あまりにゲッチュが手軽になるのは、サルとの駆け引きを楽しむ上では残念なところだが、全体的にはにぎやかで、変身システムはこのゲームに合っている。

photo ワイルドウエストキッドに変身したサトル。連射が強いので、遠くから固い敵を倒すときに重宝するキャラクターだ
photo エリカのファンタジーナイト。2人でコスチュームがまったく違うので、どちらの主人公もクリアしたくなる
photo ステージ上にはスイッチや押せるブロックなどさまざまな仕掛けが。このボタンをメカボーで殴ると何かが起こる!?

 そのほか本作の特徴としては、「ピポサルの反撃」があげられる。サルの攻撃も多彩になり、攻防がパワーアップした。まれにフィニッシュを決める大事なゲットアミを奪われることもあり、油断は禁物だ。逃げるサルを主人公が追い回す、といった関係が一転、キレたサルの攻撃からプレーヤーが逃げまどう、そんな攻守の逆転も生まれた。

豪華なミニゲームは今回も健在!

 最後はミニゲームやオマケ要素について。前作では捕まえたサルを選手として使える「フットサル」が好評だったが、本作の目玉は「メサルギア ソリッド−スネークエスケープ−」、コナミの潜入アクション「メタルギア ソリッド」との夢のコラボが実現した。


 究極兵器「メサルギア」を強奪し、秘密基地に立てこもったピポサル兵がなんとバナナ100億本を要求! 基地に潜入したソリッド・スネークの連絡も途絶え、困ったスネークの上官、キャンベル大佐は、ハイスクール時代の友人であるハカセに協力を要請。ハカセはスネークの戦闘データをインプットしたピポスネークを現地へ潜入させる……。


photo ミニゲーム「メサルギア ソリッド」。ほふく前進したり壁の影に隠れたりしながら基地に潜入。捕虜を助けることも

 ソリッド・スネークならぬピポスネークが、基地に潜入するアクションは、遊びごたえもあって、相変わらず贅沢な作りがうれしい。ショップで買えるミニゲームには、ほかにもピポサルを投げて飛距離を競う「熱投! サルなげスタジアム」、格闘ゲーム「サルティメットファイティング」もある。

 また、ミニゲームではないが、テレビ・映画という本作の特色がよく出ているオマケが、商店街にある映画館「サルシネマ」。ある条件をクリアすると、捕まえたサルに演技をつけて15秒間の映画が撮影できるというオマケだ。字幕もつけられるので、自分が監督になったつもりで渾身の1本を撮れる。

 用意されたステージで暴れ回る本編と、自分で新たな世界を作り上げるサルシネマ。この逆ベクトルとも言える組み合わせが、本作のゲームの幅の広さを生み出していると言える。

photo 新しい作品を作るには、のぞけるカメラで撮影したサルシネマを全部集めてから。道のりは遠い
photo 「星占い」では、3種類の占いが楽しめる。自分と同じ誕生日のピポサルを捕まえたら、その日の運勢がわかる

 シリーズとして確固たる地位を確立した前作を、もう一歩進化させたサルゲッチュ3。すでに貫禄すら漂わせる。未知の遊びを提案したかと聞かれれば、そうとは言いづらいが、ワクワクさせる雰囲気と遊びやすさはバツグンだ。

 イメージは“誰でもふらっと立ち寄ってみたくなる、色とりどりの縁日が集まった夏祭り”。3年に1度と言わないで、毎夏の風物詩になってもらいたい。

サルゲッチュ3
対応機種プレイステーション 2
メーカーソニー・コンピュータエンタテインメント
ジャンルサルつかまえアクション
発売日発売中(2005年7月14日)
価格6090円(税込)
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