この夏、“最恐”のホラーゲームがやって来る……「零〜刺青の聲〜」発売直前、菊地プロデューサー突撃インタビュー(1/2 ページ)

和風ホラーアクションの新境地を開拓した「零」シリーズの最新作「零〜刺青の声〜」が7月28日にいよいよ発売される。シリーズのプロデューサーを務めるテクモ 商品開発部長の菊地啓介氏に突撃インタビューを決行、本作の持つ「恐怖」の謎が今明らかに!

» 2005年07月27日 14時20分 公開
[寺川修平,ITmedia]

今度の舞台は“夢”

 日本家屋の廃屋を舞台とした和を基調とする世界観、絶対に見たくはない霊をカメラで“写して”戦うという恐怖体験が話題を集めた「零」シリーズ。ファインダー越しに見る霊の恐さに震え上がって、途中から1人ではプレイできない人も少なくないとささやかれるほど、徹底的に恐怖を追求した作品である。

 シリーズ最新作となる「零〜刺青の聲〜」は、ただ廃墟を進むのではなく、夢と現実という2つの世界を行き来するのが大きな特徴。主人公・黒澤怜(くろさわれい)を操り、怜が見る夢の中で「眠りの家」を探索し、そこで知った事柄を現実世界で調べていく。

 夢の中とはいえ、日本家屋の廃墟と舞台としたシリーズならではの世界観は健在。加えて大幅に変化をみせたのが、操作キャラクター。前作までは1人だけを操作していたが、本作では前述の怜をはじめ、天倉螢(あまくらけい)、1作目の主人公である雛咲深紅(ひなさきみく)の3人を操作しながら、物語を進めていく。

photo 今回プレーヤーキャラクターとして登場するのは、深紅(左)、怜(中央)、螢(右)の3人。ゲームの進行によって、操るキャラクターが変化する
photo 突如現れる霊を、素早く射影機で“撮影”して攻撃。「怖いもの見たさ」を思いっきり体感できるのがシリーズの特徴だ
photo 夢の世界で発生した謎を、現実世界で調査。後になって真実がわかるという恐怖も、本作の魅力のひとつ

今回のコンセプトは「インタラクティブな恐怖」

―― まず、シリーズの命題でもある“怖さ”について、菊地さんはどのように考えているのか教えてください。

菊地啓介氏(以下、菊地) 怖さというのは「空間」、「物語」、「演出」の3つの要素から成り立っていると考えています。空間は“そこにいるだけで怖い”という雰囲気や臨場感ですね、1作目の「零〜zero〜」はこの怖さに特に力を入れました。次に、2作目である「零〜紅い蝶〜」で、幻想的な恐怖を命題に物語を作り、“設定の怖さ”を見せられたかなと。演出というのは、驚かせることやカメラワークといったホラーでは必須なもの。これらの3要素に関しては、過去の2作でほぼやりきれたと思ったので、今回では新しいことに挑戦しようと思いました。そこでコンセプトにしたのが、インタラクティブ(相互性)な恐怖です。呪いに掛かった主人公が呪いについて調査し、徐々に判明する事実に恐怖していくといった、能動的な恐さを体感してほしいですね。

photo 「零〜刺青の聲〜」プロデューサー 菊地啓介氏

―― なるほど、過去作とは異なった怖さを体験できるのですね。操作可能なキャラクターが3人に増えたことも、インタラクティブな恐怖と関係しているのですか?

菊地 その通りです。もちろん、遊びの幅を広げるという目的もありますが、3人にすることで怖さのバリエーションを広げようと思いました。映画や小説では味わえない“ゲームだからこそ味わえる恐さ”。たとえば体の小さな深紅であれば、せまい隙間に潜っていく怖さ。霊力の弱い螢は、見つからないように隠れながら進む怖さ。を体感してください。

―― さまざまな角度から「怖さ」を研究していますね。菊地さんが表現したかった「恐怖」は、本作では全て出しきれたのでは?

菊地 「刺青の聲」でわれわれがやりたかったことは詰め込めたかなと思います。ただ、もっともっとアイディアはありますよ。開発期間とマシンパワーがあれば実現できることなのでそれは今後の課題ですね。

―― マシンパワーという点では、今年の年末から順次登場する次世代機でクリアできそうですね。

菊地 確かにハードのスペックが上がれば、自分のやりたいこと、見せたいものをより楽に表現できますね。プレイステーション 2で10できるとしたら、次世代ハードでは20くらいできるようになると感じています。今はそれらを使って、どういうものを作っていくかを模索しているところです。われわれのやりたいことは100くらいですが(笑)

シリーズごとに主人公が変わるのは、過去作を未体験でも楽しめるから

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」