元テストパイロットも参戦――「ワールドエアフォース(仮称)」イベント東京ゲームショウ2005――タイトーブース

タイトーブースでは、Xbox 360ソフト「ワールドエアフォース(仮称)」のイベントが行われていた。プロデューサーであるタイトーの河上聖治氏と、元航空自衛隊テストパイロットの田中石城氏が登場。今作についてのデモを行った。

» 2005年09月17日 13時50分 公開
[今藤弘一,ITmedia]
画像 タイトーブースで行われている「ワールドエアフォース(仮称)」のデモコーナー。F14と思われるノーズ風の筐体も

 田中石城氏は防衛大学校卒で、元航空自衛隊のテストパイロット。2000年12月に定年退官したそうだが、F1やF-2の開発にも携わったほか、戦闘機からヘリコプターまで、さまざまな機体を扱ってきたそうだ。もちろん、F15は扱える。

画像 プロデューサーであるタイトーの河上聖治氏(左)と、元航空自衛隊テストパイロットの田中石城氏(右)。田中氏はもちろんパイロットスーツで登場

 ワールドエアフォースの開発に携わった経緯だが、航空カメラマンで有名な徳永克彦氏からの紹介がきっかけ。プロデューサーの河上聖治氏から、空を飛んだことのない子供に夢を与えたいと口説かれて、参加を決めたそうだ。

 田中氏からのアドバイスは多岐にわたる。たとえば、宙返りの時の高度や速度、また何Gでループを行うかとか、その頂点の時の高度や速度はどれくらいか、そして機体の推力や抵抗の状態、離陸時の滑走時間、加速に至るまで、機体性能の細かいところをチューンしていったとのこと。

 「かなり細かいところまで見てくれたので非常にうれしかった。兵器を積んでいるときと、積んでいないときの挙動は違うし、なんといってもF15にはそうそう乗れるものじゃないですから」と河上氏。

 F15は最大9Gまでかけられるそうだ。エレベーターに乗っているときにかかる重力は1.1〜1.2G。4Gになると、ひざに置いてある手が上がらなくなり、5〜6Gでは息ができなくなる。「実際に乗っているときは、首を引っ込めてなるべく心臓と頭が近くなるようにして9Gに耐えるんです。宙返り時から機体を引き起こすときに、それくらいになりますね」(田中氏)。ちなみにスペースシャトル発射時は最大3G。それを考えると、どれくらいの重力がかかるか分かると思う。

 田中氏は、F15搭乗時のエピソードとしておもしろい話を披露してくれた。「何Gかかったかモニターされているんですが、訓練時など9Gを下回ると、整備の人から『隊長、もっとGかけないとダメじゃないですか』って怒られるんですよ(笑)。やっぱり機体の性能を最大限に発揮させないといけないですからね。だから1日何回もやるとぐったりです」。

 イベントでは、河上氏によるデモプレイも行われた。TGSバージョンでは、F15およびF18を操縦できる。河上氏は「ワールドエアフォースは、Xbox 360の“ハイデフエンターテイメント”により実現できた部分も多い。計器類は細かいところまですべて動作していますし、空のビジュアルもきれいに再現できた。雲の感じや、遠くまで見渡せる地面を見てほしい」と語る。

画像 舞台はとある「極東の国」。何となく羽田空港っぽい地形も見えるんですが……
画像 視点変更で計器類の全体が見渡せる。実際にデモプレイで、細かく動くさまを体験してほしい

 TGSバージョンではラダーやエルロンなどをうまく操作しないと操縦できないが、そういった操作になれていない人向けに、製品版では簡単操作バージョンも用意されるとのことだ。

 筆者もブースでデモプレイを体験してみたのだが、機体を引き上げたり、旋回させるときの動作が何となく鈍く感じたものの、動作する計器類は確かにリアルで、ヘッドアップディスプレイが全体に表示される1人称視点のモードだと、本当にコクピットに座っているかのような錯覚を覚えた。

 ただし、河上氏によると、現状ではまだ35%程度の開発段階。今後はさらなるブラッシュアップが図られるに違いない。

画像 ロックオンされると赤く表示。左下では敵機の位置が分かるようになっている

 「ワールドエアフォースは、前作のエナジーエアフォースの流れをくんだ作品。パイロットの気分をリアルに体験したいと思って作った作品なので、コアユーザーをうならせたい。これからもクオリティアップをしていくので期待してください」(河上氏)。

 なお、同じイベントは9月18日午前10時半からも行われる。生のテストパイロットの声を聞きたい方は、是非参加してみるといいだろう。非常に興味深い話を聞けて、筆者も楽しかった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/05/news022.jpg 「クレオパトラみたい」と言われ傷ついた55歳女性→カット&パーマで大変身! 「本当にびっくり」「素敵なマダムに」
  2. /nl/articles/2410/05/news040.jpg 伝説の不倫ドラマ「金曜日の妻たちへ」放送から41年、キャストの現在→75歳近影が「とても見えません」と話題
  3. /nl/articles/2410/02/news116.jpg 余りがちなクリアファイル、“じゃないほう”の使い方で食器棚がまさかのスッキリ 「目からウロコ」「思いつかなかった!」と反響
  4. /nl/articles/2410/05/news023.jpg 七五三で刀を持っていた少年→20年後には…… “まさかの進化”に「好きなもの突き進んでかっこいい!」
  5. /nl/articles/2410/05/news018.jpg 野良猫が窓越しに「保護してください」と圧をかけ続け…… ひしひし感じる強い意志と表情に「かわいすぎるw」「視線がすごい」
  6. /nl/articles/2410/05/news012.jpg 「あのお客さんに幸あれっ!」 小銭の出し方が完璧な“神客”にレジ店員感激 会計がスムーズになる配慮が参考になる
  7. /nl/articles/2410/04/news048.jpg 「こういうの好き」 割れたコップの破片を並べたら…… “まさかの発想”で息を飲むアート作品に 「すごいセンス良い」「前向きな考え」
  8. /nl/articles/2410/04/news040.jpg 50代女性「モンチッチみたいにしてほしい」→美容師がプロのワザを見せ…… 別人級の変身に「めっちゃお洒落」「すごい!」
  9. /nl/articles/2410/04/news025.jpg 「これが免許証の写真???」 コスプレイヤーが公開した“信じられない”免許証が話題 コスプレ姿との比較に「両方とも可愛いすぎる」
  10. /nl/articles/2410/05/news032.jpg 大型犬が18年間、ドアを開け続けた結果……そうはならんやろな驚きの末路に「どうしたらこんな風になるのよ」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声