我が道を行く強さ「ファミリーサーキット」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)

» 2005年10月04日 09時04分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

セッティングの細かさと、故障状況の細かさ

 ファミリーサーキットのセッティング項目はかなり多い。

 ターボのブースト圧、ギヤ比、ブレーキの強さ、エンジンブレーキの強さ、ハンドリング、タイヤ。いずれも4段階にセッティング可能。

 さらにマシンのカラーリングも、156通りの中から選択できる。

 もちろん、走るコースに合わせてセッティングを変える必要がある。直線の長いコースなら最高速を重視するとか、耐久レースなら速さよりも丈夫さを優先させるとか、ゲームをやっていくうちに、セオリーが自然と身についてくる。

 ただし、セオリーどおりにセッティングしても、実際に走ってみたら、自分のフィーリングと合わないこともある。より速く走ろうと思ったら、コースを走り込んで調整を行ない、自分に合ったセッティングを見いだすという、ストイックな作業が必要になってくるだろう。

 それが実際のドライバーやチームクルーの作業に近くて、リアリティーが感じられるのだ。

 続編の「ファミリーサーキット'91」になると、セッティングがさらに、えらいことになっている。

 ファミリーサーキットでは、各セッティング項目は4段階だったのだが、'91ではギヤ比が数値になっていたり、4本のタイヤの硬さを別々に設定できたりする。

画像 ファミリーサーキットのセッティング。ギヤ比は4段階にセッティング可能
画像 ファミリーサーキット'91のセッティング。ギヤ比はこうなっている。パッと見、どこをどう変えたらどうなるのかよくわからない

 マシンの故障箇所が細かく設定されるのも、ファミリーサーキットの大きな特徴だ。

 ウイング、サスペンション、ラジエーター、タイヤ、ターボ、ブレーキ、電気系、トランスミッション、そしてエンジン。故障ではないがガス欠も起こりうる。

 タイヤが減ったら操作は難しくなるが、ピットインの回数を減らすため、ある程度は我慢して走らなくてはならない。また、ブレーキは多少悪くなっても、このゲームでは大した影響がない。

 一方、ラジエーターの故障はエンジンの故障(ピット作業が長時間に及ぶ)につながりやすいし、ミッションの故障はタイムに影響するので、直したほうがいいだろう(残り周回数やほかのマシンとのタイム差にもよるが)。

 このように、どこが悪くなったかによって、対処も変わってくるのだ。

スクロールの速さが緊張感を生む

 “セッティングの細かさ”とともにファミリーサーキットの特長として挙げられるのが、“スクロールの速さ”だろう。

 見下ろし画面の高速スクロール。

 常に上に向かって進むため、サーキットが正確に再現されているわけではないが、うまい具合にそれっぽくアレンジしてある。それぞれのコーナーが実在のコースのどこに位置するか、ちゃんと推測できる。

 高速であるがゆえに、マシンの操作には常に緊張感が生じる。

 1では障害物に当たると一発クラッシュ。周回数の多い“スーパーAクラス”や“耐久レース”でも同様で、数十分も走った末に、終盤でクラッシュしてしまうと、泣くに泣けない。

 ファミリーサーキットでは途中でセーブができないので、余計に集中力が要求されるのだ。

('91以降は、さすがにセーブできるようになったが)

画像 このゲームでは、マシン同士の当たり判定がない。だからこのように何台も重なって走ることがある。自分のマシンを見失わないよう、注意が必要だ

 '91以降は、一発クラッシュは少なくなる。とはいえ、一瞬の気の緩みでコースアウトして、マシンを壊しかねないという緊張感は健在だった。

 ステップアップをシステムに取り入れたF1ゲームとは違って、ファミリーサーキットは、セッティング能力とゲームの腕が勝負を決める。

 私みたいなヘボゲーマーには、ちょっぴりツラいゲームではある。

画像 ピットクルーの動きが、ものすごく良く描かれていて、泣ける。「namco」の下に「GAME&ROBOT」と書かれているのも要チェック(昔ナムコはいろんなロボットを作っていた)

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