我が道を行く強さ「ファミリーサーキット」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
セッティングの細かさと、故障状況の細かさ
ファミリーサーキットのセッティング項目はかなり多い。
ターボのブースト圧、ギヤ比、ブレーキの強さ、エンジンブレーキの強さ、ハンドリング、タイヤ。いずれも4段階にセッティング可能。
さらにマシンのカラーリングも、156通りの中から選択できる。
もちろん、走るコースに合わせてセッティングを変える必要がある。直線の長いコースなら最高速を重視するとか、耐久レースなら速さよりも丈夫さを優先させるとか、ゲームをやっていくうちに、セオリーが自然と身についてくる。
ただし、セオリーどおりにセッティングしても、実際に走ってみたら、自分のフィーリングと合わないこともある。より速く走ろうと思ったら、コースを走り込んで調整を行ない、自分に合ったセッティングを見いだすという、ストイックな作業が必要になってくるだろう。
それが実際のドライバーやチームクルーの作業に近くて、リアリティーが感じられるのだ。
続編の「ファミリーサーキット'91」になると、セッティングがさらに、えらいことになっている。
ファミリーサーキットでは、各セッティング項目は4段階だったのだが、'91ではギヤ比が数値になっていたり、4本のタイヤの硬さを別々に設定できたりする。
マシンの故障箇所が細かく設定されるのも、ファミリーサーキットの大きな特徴だ。
ウイング、サスペンション、ラジエーター、タイヤ、ターボ、ブレーキ、電気系、トランスミッション、そしてエンジン。故障ではないがガス欠も起こりうる。
タイヤが減ったら操作は難しくなるが、ピットインの回数を減らすため、ある程度は我慢して走らなくてはならない。また、ブレーキは多少悪くなっても、このゲームでは大した影響がない。
一方、ラジエーターの故障はエンジンの故障(ピット作業が長時間に及ぶ)につながりやすいし、ミッションの故障はタイムに影響するので、直したほうがいいだろう(残り周回数やほかのマシンとのタイム差にもよるが)。
このように、どこが悪くなったかによって、対処も変わってくるのだ。
スクロールの速さが緊張感を生む
“セッティングの細かさ”とともにファミリーサーキットの特長として挙げられるのが、“スクロールの速さ”だろう。
見下ろし画面の高速スクロール。
常に上に向かって進むため、サーキットが正確に再現されているわけではないが、うまい具合にそれっぽくアレンジしてある。それぞれのコーナーが実在のコースのどこに位置するか、ちゃんと推測できる。
高速であるがゆえに、マシンの操作には常に緊張感が生じる。
1では障害物に当たると一発クラッシュ。周回数の多い“スーパーAクラス”や“耐久レース”でも同様で、数十分も走った末に、終盤でクラッシュしてしまうと、泣くに泣けない。
ファミリーサーキットでは途中でセーブができないので、余計に集中力が要求されるのだ。
('91以降は、さすがにセーブできるようになったが)
'91以降は、一発クラッシュは少なくなる。とはいえ、一瞬の気の緩みでコースアウトして、マシンを壊しかねないという緊張感は健在だった。
ステップアップをシステムに取り入れたF1ゲームとは違って、ファミリーサーキットは、セッティング能力とゲームの腕が勝負を決める。
私みたいなヘボゲーマーには、ちょっぴりツラいゲームではある。
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