新しい! 渋い! 全国のゴルファーたちよ、クラブの代わりにペンを握れ「大人のDSゴルフ」レビュー(2/2 ページ)

» 2005年11月21日 16時12分 公開
[仗 桐安,ITmedia]
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遊び応えのあるチャンピオンシップ

 プレーヤーはまず男性4人女性4人のなかからキャラクターを決定する。その後永くつきあうことになるキャラクターなので慎重に選ぼう。好みの利き手やキャラクターアクションの種類を選んだら、いざゲームスタートだ。

 1人用モードは、ストロークプレイ、マッチプレイ、フリーラウンド、チャンピオンシップの4つ。なかでも目玉はチャンピオンシップだ。賞金のかかった熱い試合を体験することができる。最初はルーキークラスからはじまり、プロクラス、マスタークラスと段階的にクラスアップしていくわけだが、もちろんクラスがあがれば賞金も跳ね上がる。

賞金がかかっているときは1打のミスが命取り。優勝を目指せ!

 賞金はクラブハウス内のゴルフショップで使うことができ、ゴルフウェアやゴルフギアを購入することが可能だ。ウェアは種類と色を自由に選べる。最初のうちは大人しいものしかないがゲームが進むといろんなビジュアルのウェアが買えるようになるので、がんばって1人プレイをやってみるべし。またギアのほうはクラスがあがるごとにより強力なものが手に入るようになっている。手当たり次第に買うよりは「パワー重視にする」とか「スピン性能重視にする」など自分の理想のキャラクターを設定してギアを選定するほうがよいだろう。

筆者は「断然飛距離を伸ばしたい!」ということでパワー重視のキャラクターにした

通信プレイも充実!体験版の配信も可能

 1人プレイはチャンピオンシップを中心に心行くまで楽しめるつくりになっている今作だが、通信プレイもなかなか充実している。NDSのワイヤレス通信を利用したダウンロードプレイとワイヤレスプレイでは、それぞれ最大4人同時に遊ぶことができる。

 ダウンロードプレイではVSストローク9とVSマッチ9がプレイ可能。9ホールでのプレイでも充分おもしろいが、できれば18ホール遊べるモードもあればよかった。ワイヤレスプレイではVSストローク、BETストローク、VSマッチ、スキンズマッチなど多彩なモードで遊べる。友人や家族と今作の対戦でとことん遊びたい場合には、相手も今作を持っているほうがよさそうだ。

 また通信プレイのもうひとつの機能として「体験版配布」がある。タッチペンによる今作独特の操作は、実際にやってみないとわからないおもしろさや難しさがある。体験版を他のNDSに送ることで他の人に手軽に体験してもらえるというのはかなり意義があることだと思う。ぜひ周りのNDSユーザーに体験版を送ったりダウンロードプレイを挑んだりして今作の魅力を仲間と共有してほしい。

 実際に友人とNDSを持ち寄る機会のあった筆者は、今作の通信プレイを友人と楽しんでみた。特にゴルフゲームに興味のない友人も「お、何々、これおもしれー、おもしれー。こんなのあるんだー」と喜んでいたのが印象的だった。タッチペンでクラブを操るということ自体がおもしろかったようだ。

 ただ、これはしょうがないことなのだが、始めたばかりの人とやり込んでいる人だとプレイにかなり差がつくことになる。独自の計算と慣れが必要なゴルフゲームはとかくそういった状況に陥りがちだ。ハンデをつけるなどして遊ぶと、やはり盛り上がる。何度かプレイしてみると友人たちのプレイがうまくなってくるのもおもしろい。今作の直感的な操作は、ゴルフゲームの敷居を下げているなと感じさせられる一面であった。

4人ストロークもいいが、1対1のマッチプレイも熱い!

新しさとリアリティーが絶妙にマッチした、燻し銀ゴルフゲーム

 とかくその操作方法にばかり目がいってしまいがちな今作ではあるが、それ以外にも細かく作りこまれた各要素が楽しさを引き立てている。

 熱心なゴルファーたちにとってポイントが高いのは、実在のコースが遊べる点だろう。日本屈指の名門コースであるフェニックスカントリークラブを回れるというのは、大きな魅力だ。その他に、変にギミックがあるわけでもなく、しかし一筋縄ではいかない、骨太なオリジナルコースが多数用意されている。難しいコースにおいては「なんじゃこりゃあ」と言いたくなるような相当ロングなホールとか激しく難しいグリーンなどが待っている。難易度の低いコースをまったり回ることもできる。

 チャンピオンシップのボリュームもかなりあり、賞金で買えるウェアやギアも多種多様なので、遊び応えはばっちりだ。最初はどうしようもないくらいに難しく感じるコースも何度か回れば上達している自分に気づく。そんな楽しさもゴルフゲームならではだ。

 ただ、いかんせん地味である点は否めない。もちろん「大人のDSゴルフ」というタイトルからも察せられる通り、ターゲットは実際にゴルフをやっている大人なのであり、いかに実際のゴルフに近づけるかというリアリティを追求しているのだろうが、もう少しお遊びの要素があってもよいかなと個人的には思った。まあそういった要素がほしいのであれば「マリオゴルフ」や「みんなのゴルフ」をやってくれ、ということだろう。頑固職人のつくったこだわりラーメンのような、食べる客をおやじが選ぶくらいの頑なさ。万人受けはしないが、ハマる人はとことんハマる。そんなゲームであるのは間違いない。

 その他に、ポリゴンで描画されたプレイ中のキャラグラフィックが何とも言えず微妙である点とか、電車のなかでやっているとショットをミスる確率が高い点とか(これはまあゲームの性質上致し方ないか)、気になる点もあるにはある。しかしながらゴルフゲーム好きの筆者としては、永くつきあってみたいタイトルだという感想を持った。

うーん。「64」時代を思い出す、微妙なポリゴンキャラ。下の顔とちょっとギャップがあります

 タイトルに反して、じゃあ「子供はやっちゃいけないのか」と言われればそんなことはない。既存のゴルフゲーム好きな人なら、年齢性別を問わずこの新しいインタフェースを堪能してほしいし、そうでなくても1プレイの価値はあると思う。ただやはり、実際に日曜日に朝早く起きてゴルフに繰り出すような世のお父さんたちのほうが、よりストライクゾーンなタイトルだと言えよう。

 そして実際のプロゴルファー、今人気の宮里藍選手たちにもぜひプレイしてほしいと思ってしまう。彼らはどんな感想を持つだろうか。「ゴルフゲームもここまで来たか」と感心してもらえるようなら、今作をつくった意義は大いにあると思う。世のゴルファーたちよ、ぜひとも「大人のDSゴルフ」を体験してみてください!

大人のDSゴルフ
対応機種ニンテンドーDS
メーカー任天堂
ジャンルゴルフゲーム
発売日2005年11月10日
価格4800円(税込)
(C)2005 Nintendo
協力:フェニックスカントリークラブ(フェニックス・シーガイア・リゾート)


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