難しいことを考えてはいけない――オンとオフの正しい使い方:「.hack//fragment」レビュー(2/3 ページ)
ザ・ワールドの世界からログインすると、ルートタウンと呼ばれる街にPCが出現する。ここでは、コンピュータの操るノンプレーヤーキャラクター(NPC)とパーティを組んだり、パーティ用の買い物ができるのだ。最初はチュートリアルがあるので、NPCと自動的にパーティを組むことになるが、オンラインモードではこれをPC相手に行うだけ。オフラインモードでしっかりと手順を覚えて、オンラインモードで実践するのがいいだろう。そうすれば、対人プレイであるオンラインモードでも、戸惑うことはない。
NPCとパーティを組んだら、カオスゲートからフィールドへと旅に出よう。フィールドやダンジョンでは、敵に出会うとその画面のまま戦闘シーンに突入する。パーティで行動しているときは、誰か1人が戦闘に入ると全員がバトルモードになるので、周りには注意しながら歩く必要がある。
戦闘はリアルタイムで進むのだが、基本的には○ボタンを押しているだけでOK。コンボや、敵の後ろへ回り込んでのアタックといった難しい技術は必要なく、どちらかというと他社ではあるがFFXIライクと言える。戦闘システムは賛否両論があると思うので、これを読んで自分に合っているかどうかを考えてみるといい。アクションに重きを置かれている戦闘を期待しているのであれば、本作でのバトルは楽しめないかもしれない。逆に、難しいアクションは苦手だから……というのであれば、このバトルシステムはマッチするだろう。
□ボタンを押せばチャットメニューが表示され、NPCに“回復よろしく!”などの指示を出すと、回復させてもらうことができる。しかし、PC相手の時は注意が必要で、指示を出したからと言って一緒にパーティインしている人が、すぐに従ってくれるかどうかは別。他のPCなりの事情があるかもしれないし、わざと回復させないのかもしれない。この辺りは、他のPCと交流を深めながら、徐々に雰囲気やパターンなどをつかむしかないだろう。人間同士のコミュニケーションは現実同様、バーチャルの世界でも難しいものなのだ。このようなことが絶対にイヤ! という人は、本作に限らずオンラインゲームに手を出すのは難しいかもしれない。オフラインモードでNPCと冒険を堪能するのが良いかも。それでも、十分ハマるのだが……。
序盤を乗り越えれば、あとはトコトンまで楽しめる
ダンジョンに入ると、フィールドの雰囲気は一変。いかにも、な感じになる。ここでの目的は、どこかにあるアイテム神像の部屋にたどり着くこと。地上と違い逃げ道もないので、出現する敵すべてと戦わなければならない。そのため、弱いキャラでは簡単に倒されてしまう。特に低レベルの呪文使いは、1人で行くとタコ殴りにされてお陀仏コースが決定しているので、オンでもオフでも必ずパーティを組んでいくこと。殺されると、ペナルティとして経験値をごっそりマイナスされるので、レベルアップが果てしなく遠くなってしまうのだ。ここは一つ、一定レベルまでは死んでもお咎めナシ、のようにして欲しかったところ。序盤は非常に死にやすいのだから、そういうフォローが無いことに関しては、残念と言わざるを得ない。レベル1のキャラが3人でパーティを組んでも、敵の数がちょっと多いと簡単に殺されるのだから、この辺りのバランスは改良の余地があるだろう。
とはいえ、序盤さえ何とかクリアしてしまえば後は快適にプレイできるので、それほど大きな問題ではないはず。いくらでもオフラインモードで鍛えられるわけだし、強いNPCとパーティを組んで敵を倒してもらえば、PCにも自動的に経験値が入るのだから、すぐに成長する。ただし、オンラインモードでは敵にダメージを与えたキャラにしか経験値は入らないので、混同しないように注意したいところ。また、敵味方共に火・水・土……といった属性が設定されているので、敵の属性さえ分かれば、それと相対する属性の武器や魔法を使い簡単に倒すことができる。
とにかく、オフラインモードであれこれ試してみて、ある程度自信がついたらオンラインモードデビューできるので、焦る必要は全くない。その逆もしかりで、いきなりオンラインモードへ入り、強いPCに冒険を助けてもらうというのも、これもまた楽しい育て方だ。良い人とパーティが組めれば、NPCなんかとプレイするより充実した冒険を体験できるだろう。
エリアサーバを公開して、他のPCの視点から眺められるのも新鮮
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