海の上には美女だらけ!? テレビアニメ「タクティカルロア」(2/2 ページ)

» 2005年12月26日 09時37分 公開
[ひろいち,ITmedia]
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ハイクオリティCGで描く海戦アクションは必見!!

 では、本作の内容に迫ってみよう。まず疑問としてあげられるのが、どんなジャンルになるのかということ。海戦アクションと銘打たれているが、それならば登場キャラが女性ばかりである必要性はないようにも思える。かといって、美少女いっぱいの萌え系であるなら海戦アクションの部分に疑問符がついてしまう。

 そのあたりを聞いてみると、制作側にも葛藤があったのだと広報担当・清水氏は語った。「最初のうちは特に、制作側にも“これは戦闘モノなの? 萌えモノなの?”と首を傾げながら作っている部分がありました。ただ、実際にできあがったものは、そのバランスが非常によく作られています。萌えあり戦闘ありの、海戦アクションということでしょうか」と、アクションにも萌え部分にも抜かりがないようで、どちらも存分に楽しめる作品という。

 出演者の方々にも本作の見どころをうかがってみた。凪宮漂介役の菅沼さんや島原看取役の皆川さんなどはやはり迫力の戦闘シーンが見どころと語っていたのだが、その迫力の源はどこか。それはやはり“美麗なCG”と“詳細な設定”に尽きるだろう。中原さんは「本作のCGはとても素晴らしいんです。というのも、きれいな絵を視覚的に楽しめるというのはもちろん、機械類などの細かな部分もよく作り込まれているので、とてもリアリティがあります。また、海を舞台にしているということで、波の絵もよく出てくるんですが、その波の動きもとても美しいので、ぜひ見ていただきたいです」と自信をのぞかせる。

 ではここで、先行カットとともに、戦艦やミサイルの設定を一部ご紹介しよう。制作のこだわりが見て取れるだろうか。

 戦闘シーンとは別に、萌え部分を見どころに挙げる出演者の方も多かった。たとえば三宅さんは「阿古屋姉妹がネコ耳を生やしてくれたり、美少女たちの水着のシーンがふんだんに盛り込まれていたりと、女性でもカワイイと思うような場面がたくさん登場します」と明かし、夏樹さんも「お色気シーンが多いので、男の子たちはそのあたりに注目です」と話していた。新井さんなどは「個人的な楽しみ」として、「クレイオと看取のおっぱいのツヤ」を挙げている。「なぜか2人とも胸がツヤッとしているんですよ。収録のたびにそれを見るのが楽しみなんです」と、まるで少年のような視点で独自の見どころを披露してくれた。

 また高橋さんは、そんな美少女たちの魅力は戦闘の部分が引き出しているのでは? と考えているようだ。「若くてカワイイ女の子たちが、戦艦を動かしたり壮絶な戦闘を繰り広げたりするというギャップが、彼女たちの魅力を倍増させているのではないかと思います。日常のシーンでは女の子らしかったり、反対に戦闘になると凛々しかったり。そこが本作ならではの魅力なのかなと」。

 もちろん、単純にギャップを作り出しただけではヒロインたちの魅力が伝わるはずもない。そこには裏打ちされたものがあると、植田さんが語ってくれた。「キャラの個性に注目していただきたいんです。なぜかといえば、各キャラともバックボーンがしっかりと練りこまれているから。設定資料を見れば一目瞭然なのですが、それぞれのキャラに対してかなり細かな設定がなされているんです。それだけ考え抜かれたキャラたちですから、とても魅力的だし、とても味が出ているんです」。詳細な設定、ギャップ、セクシーシーンとさまざまな要素を組み合わせて魅力的に描かれていくヒロインたちの活躍は、実に興味深い。

 戦闘と美少女のコラボレーションという、本作の中核をなす要素以外の見どころはどうだろう。それについて、皆川さんが興味深い発言をしていたので紹介しておきたい。皆川さん曰く、本作に出演する声優さんたちは「あまり慣れていない役を演じている」のだそうだ。「個人的に感じるのは、みんな普段やらないようなキャラを演じているなということ。麻衣ちゃんがお姉さんキャラを演じるなんてことはあまりないし、美佳子ちゃんが男勝りのキャラを演じるなんて聞いたこともない。とても新鮮な感じがするんです」。声優陣のまた違った一面が楽しめるあたりも、隠れた本作の見どころとなりそうだ。

 さて。本作のキャラクターを演じるにあたって、声優陣は一様に苦労していることがあるのだという。それは、機械類などの専門用語。戦艦や戦闘機がたくさん出てくるが故の問題なのだが、戦闘などの緊迫した場面でこそ多く出てくるのでより大変なのだという。たとえば小林さんの演じる海里美晴は天才プログラマーという設定なので、難しい言葉が次々に飛び出してくるという。また、中原さん演じる美咲七波はパスカルメイジの艦長なので、戦闘時にはテキパキと指示をしなくてはならず、特に緊張するそうだ。対策として中原さんは「こんなにも台本を読むんだというくらいに、何度も何度も繰り返し台本を読んで」収録に臨んでいるらしい。戦闘シーンは美麗なCGだけでなく、演者たちの苦労の結晶でもあるセリフにも注目である。

 ちなみに、パスカルメイジの衛星部門を担当している島原看取は、戦闘に出撃参加しないため、難しいセリフはないらしい。皆川さんは「みんなセリフが大変そうだなあ」などと思いながら、他の人の演技を楽しんでいるのだとか。周りの声優さん方の羨ましそうな視線が、眼に浮かぶようである。

 なお、難しいセリフ以外にも、それぞれのキャラを演じる上での苦労があるようのなので、ここで紹介しておこう。

 凪宮漂介を演じる菅沼さんは「ギャグシーン」に苦労していると言う。「周囲の人間に振り回されっぱなしの巻き込まれキャラ(菅沼談)」だという漂介は、ドタバタチックなギャグシーンが多く、そこで漂介らしさを出すのに試行錯誤しているのだとか。「ギャグシーンでは常に、漂介なりの面白さを出せるようにというのが念頭にあります。張り切りすぎて、漂介じゃなくならないように注意しながらも面白さを損なわないように。漂介ならではの面白さが構築できればなあと思いながら演じています」

 高橋さんは第1話の収録でのエピソードに触れ、「私の演じる翼には、第1話の冒頭で漂介くんに怒鳴り散らしているシーンがあるんです。そこはもう、喉が潰れてしまわないかとヒヤヒヤしながらも全力で叫びました」と苦労をした様子。戦闘シーンはともかく、日常の部分はギャグをしたり叫んだりと思いのほか賑やかな内容になりそうだ。

 賑やかというのとは多少ずれるかもしれないがと前置きをしながら「苦労というよりも、毎回緊張するのが、私と新井さんの2人で演じる阿古屋姉妹の掛け合いの場面ですね。というのも、“アドリブでやってください”ということが多いので、現場に来るまで緊張しているんです」と、比嘉さんは興味深い発言。それに対し、新井さんは「2人で騒いだりするんです。今日の収録では宴会芸みたいなことをして、すごかったねえ」と付け加えた。詳細については語られていないが、どのようなアドリブで行われる“宴会芸みたいなこと”とは!? 放映が待ち遠しい限りである。

前列左から、海里美晴役/小林由美子、綿摘翼役/高橋美佳子、凪宮漂介役/菅沼久義、美咲七波役/中原麻衣、深水さんご役/植田佳奈。後列左から、阿古屋真夏役/比嘉久美子、阿古屋真秋役/新井里美、クレイオ・アクアノート役/夏樹リオ、ターニャ・L・コジマ役/三宅華也、島原看取役/皆川純子
2006年1月8日より毎週日曜日23時30分からちばテレビほかU局にて放映開始(テレビ神奈川/1月7日より毎週土曜日23時30分から テレビ埼玉/1月8日より毎週日曜日23時30分から テレビ愛知/1月9日より毎週月曜日25時58分から サンテレビ/1月9日より毎週月曜日24時00分から KBS京都/1月11日より毎週水曜日25時30分から)
監督/ふじもとよしたか シリーズ構成・脚本/兵頭一歩 キャラクターデザイン・総作画監督/伊藤岳史 コンセプト・スーパーバイザー/小倉信也 メカデザイン/高倉武史 設定考証/白土晴一 メカ・ビジュアルディレクター/伊藤浩二 美術監督/篠田邦宏 美術設定/比留間崇 色彩設計/伊藤ゆかり 3Dディレクター/岩井 淳 3Dヴィジュアル・ディレクター/武田隆史 撮影監督/杉浦 充 編集/田熊 純 音響監督/明田川 仁 音響効果/中野勝博 音楽/七瀬 光 音楽ディレクター/井上俊次 アニメーション制作/アクタス 製作/ バンダイビジュアル、アクタス
凪宮漂介役/菅沼久義、美咲七波役/中原麻衣、綿摘翼役/高橋美佳子、深水さんご役/植田佳奈、海里美晴役/小林由美子、阿古屋真夏役/比嘉久美子、阿古屋真秋役/新井里美、島原看取役/皆川純子、クレイオ・アクアノート役/夏樹リオ、ターニャ・L・コジマ役/三宅華也、
(C)バンダイビジュアル・アクタス


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